「これをすると赤ちゃんができる」「妊娠にはこれを食べると良い」など、妊活をしていると様々な情報に触れます。どれが本当でどれが嘘なのかを知っておくと、スムーズな妊活 につながりますよね。
そこで今回は、妊娠しやすくなる、妊娠しにくくなるなど、妊活に関する噂についてまとめました。
妊娠しやすくなる食生活の噂って?
妊娠・出産に向けて、体の調子を整えることは大切です。そのため、様々な噂があって悩む人も多いようです。妊娠しやすくなる食生活の嘘は次の通りです。
不規則な食生活は妊娠しにくくなる?
不規則な食生活を送っているからといって、妊娠しないわけではありません。
しかし、不規則な食生活で栄養バランスが悪くなると、ホルモンバランスが乱れて生理周期が不安定になることも。生理不順は排卵日を予測しづらいので、妊娠しにくくなる可能性があります。
不足しがちな栄養素を意識して摂るようにして、体をいたわることも大切ですよ。
トマトとなすは体を冷やすから妊娠しにくくなる?
トマトとなすは摂りすぎると体を冷やす傾向がある食べ物とされていますが、妊活中に避けなければいけないほどの影響はありません。
ただし、冷えは血行を悪化させ、ホルモンバランスを乱してしまう原因になってしまいます。腹巻をつけて寝たり、夏場は冷房に直接当たらないように気をつけたりして、体が冷えないような工夫をしましょう。
大豆やざくろなど、特定の食べ物で妊娠しやすくなる?
「これを食べれば妊娠する」といった妊娠率をあげる食材や食事はありません。
特定の食材を食べ続ける、絶対に食べないなどといった極端な食事は、かえって健康を損ねるおそれがあります。栄養バランスのとれた食事を心がけるようにしてくださいね。
ルイボスティーは妊娠しやすくなる?
ルイボスティーを飲んでも、妊娠しやすくなるということはありません。ただし、ルイボスティーには亜鉛・カルシウム・鉄分など不足しがちな栄養素が含まれているので、お茶の代わりに飲んでみるのもいいかもしれませんね。
コーヒーを飲むと妊娠しにくくなる?
コーヒーに含まれるカフェインは、妊娠中であれば摂取量に気をつける必要がありますが、妊活中に控えた方がいいということはありません。
ただし、カフェインは摂りすぎるとめまいや動悸、吐き気などの症状が起こることがあるので、適度な量を守るようにしてくださいね。
お酒を飲むと妊娠しにくくなる?
アルコールをどれくらいの量や期間、摂取すると妊娠に影響するのかははっきりとしていません。妊活中にお酒を飲む場合は、適度な量にしておきましょう。
ただし、少しでも妊娠している可能性がある場合は、絶対に飲まないようにしてください(※1)。
妊娠しやすくなる生活習慣の噂って?
妊娠を希望している女性にとって、食生活以外にも生活面で気になる点がありますよね。妊娠しやすくなる生活習慣の噂は次の通りです。
喫煙すると妊娠しにくくなるの?
男女ともにタバコを吸うことで、避妊をやめてから妊娠するまでの期間が伸びることがわかっています(※2)。また、喫煙をすることで女性の閉経は早まるので、喫煙は妊娠しにくさにつながるといえます。
妊娠した後も喫煙を続けると、赤ちゃんに栄養が十分に届かないため早産や低体重児、子宮外妊娠などのリスクが高まります。
パートナーがタバコを吸っている場合でも受動喫煙の恐れがあるので、妊活を機にパートナーと一緒に禁煙することをおすすめします。
睡眠やお風呂も妊活に重要?
お風呂に入り、しっかりと睡眠をとることは、自律神経を整える効果があります。結果的に、ホルモンバランスの改善につながり、妊娠しやすい体に近づくともいえます。
また、ゆっくり湯船につかって体をあたためることは体の冷えを改善することにもつながりますよ。
シルクの靴下は妊活にいい?
シルクに限らず、靴下は冷えの改善にもつながるので、結果的に妊活にも効果があるかもしれません。
ただし、靴下の締めつけがきついと逆に血行を悪化させ、体の冷えを促してしまうので気をつけてくださいね。
性交の後の逆立ちは妊娠しやすい?
性交を行った後、女性が逆立ちをすると腟内に精子がとどまり、卵子に到達しやすくなるという噂がありますが、医学的な根拠はありません。
たしかに射精後、一部の精液は体外に排出されますが、女性の体内には妊娠に十分な精子は残っているので、逆立ちをすることで妊娠しやすくなるということはありません。
妊娠しやすくなる体質の噂って?
妊娠しやすい体質に近づくためにも、妊娠しやすい体作りを心がけたいですね。妊娠しやすくなる体質の噂は次の通りです。
太りすぎ、痩せすぎは妊娠しにくい?
太りすぎや痩せすぎは、ホルモンのバランスが悪くなってしまい、排卵がスムーズに行われなくなることから、生理不順になりがちです。ひどい場合は無排卵月経などの排卵障害を引き起こすことも。
また、急激なダイエットもホルモンバランスの乱れにつながり、生理が止まってしまうことも少なくありません。BMIで適正体重を把握し、健康な生活を心がけることが妊娠への近道です。
健康で年齢も若ければ、いつでも妊娠できる?
健康で年齢が若ければ、いつでも赤ちゃんを産めるというわけではありません。
見た目には健康に見えても、ホルモンバランスが乱れていたり、無排卵だったり、もともと妊娠しにくい体だったりと不妊になる可能性は誰にでもあります。
今は妊娠を希望していなくても、将来スムーズに妊娠できるよう自分の体の状態を把握しておくことは大切です。
骨盤が歪んでいると、妊娠しにくくなる?
骨盤が歪むと、子宮や卵巣の機能が低下して妊娠しにくくなると聞いたことがある人は多いかもしれません。
しかし、日常生活を送る上で骨盤が歪むことはありえないため、妊娠しにくくなるということはありませんよ。
妊娠できるのは、排卵日の性交のみ?
精子と卵子の寿命を考えると、「排卵日」よりも「排卵日の1~2日前」に性交を行う方が、妊娠する可能性は高まります。
ただし、排卵日を正確に予測できないこともあるので、「排卵予定日前後の約1週間」に夫婦生活を持つと妊娠しやすい、と考えておきましょう。
不妊治療を考えるタイミングは1年待って授からなかったとき?
定期的に性交を行っているにもかかわらず1年間妊娠しなかった場合を不妊症と呼ぶことが一般的です(※3)。WHOでも不妊症を「1年間の不妊期間を持つもの」と定義しています。
また、アメリカの生殖医学会は、「女性の年齢が35歳以上の場合、6ヶ月間の不妊期間が経過した後は検査を開始することは認められる」とも提唱しています(※4)。
月経不順や子宮筋腫などの病気がある、年齢などで何か不安なことがある場合は、早めに産婦人科に相談するようにしましょう(※5)。
持っている卵子の数はみんな同じ?
女性の卵子の数は生まれたときから決まっています。しかし、個数に関しては個人差があります。
一般的には、生まれた時点で約200万個あった卵子は、毎月の排卵がはじまる思春期頃には20~30万個まで減少し、その後閉経を迎える50歳まで1日30~40個のペースで減り続けていきます(※6)。
生理痛がひどいと妊娠できない?
生理痛がひどいからといって、妊娠できないことはありません。
ただし、ひどい生理痛の原因として子宮内膜症や子宮筋腫、クラミジア感染症など、不妊の原因となる病気を患っている可能性があります。生理痛がひどいときには、一度婦人科健診を受診するのがおすすめです。
女性が不妊検査で問題がなければ自然妊娠できる?
不妊の原因は、女性に限りません。男性の精子の数が少ない、動きが悪いなどが原因であることも多いです。
そのため、夫婦で不妊検査を受け、医師と相談しながら治療の方法を探ることが大切です。
若く見える人はいくつでも妊娠できる?
35歳を過ぎると子宮の機能や卵子の質が低下するため、妊娠しやすさは低下します。見た目が若いからといって、卵子が若いというわけではありません。
1人目がすぐできたから、2人目もすぐできる?
年齢によって妊娠しやすさは変わるので、1人目がすぐに妊娠できたからといって2人目がいつでも妊娠できるとは限りません。また、出産後は一般的に生理が再開するまで数ヶ月かかるので、すぐにできるということはありません。
加齢や生活環境の変化によるストレスなどによって妊娠しやすさは変わるほか、1人目の妊娠・出産によって子宮や卵管環境が変化したり、排卵障害になったりする可能性もあります。2人目の子どもを希望しているのになかなかできないという場合は、早めに産婦人科に相談してみましょう。
生活・体質などにまつわる妊娠の噂に振り回されすぎないで
妊娠したいという焦りから、妊活中はストレスが溜まりやすく、医学的根拠のない噂や迷信に惑わされることもあるかもしれません。しかし、強いストレスは不妊の原因となってしまいます。
まずは睡眠をしっかりとる、栄養バランスを意識した食生活をするなど体をいたわりながら、パートナーや友人との外出、趣味の時間でリラックスして過ごすようにしてくださいね。