「基礎体温には高温期と低温期がある」こんな言葉を耳にしたことはあっても、実際にはどんな状態が良いのか、細かいことまでは知らない女性も多いかもしれませんね。そこで今回は、基礎体温の低温期は何度なのか、高温期との差はどれくらいあるのかなどをご紹介します。
基礎体温とは?
基礎体温とは、人が生きるために必要最低限なエネルギーを使っているときの体温のことを指します。女性の基礎体温は排卵によって左右され、約1ヶ月の周期の中で、低温期と高温期に分かれます。
そのため、毎日基礎体温を記録してグラフにすることで、低温期と高温期とのタイミングがわかるようになり、生理周期や排卵日を推定することができます(※1)。
その日の体調によっても基礎体温は左右されるので、正確な基礎体温を把握するには、目安として3周期(3ヶ月)ほど基礎体温を記録するようにしましょう。
低温期とは?
毎日朝起きてすぐに基礎体温を測ると、生理周期に合わせて上記のようなグラフができ、低温期と高温期がわかります。低温期、高温期の特徴は次のとおりです。
低温期
低温期とは、生理開始~次の排卵前の期間を指します。この期間は、体温を上げる働きをするプロゲステロンというホルモンの分泌量が低下するため、基礎体温が低い状態が続きます。
この低温期から高温期に移る数日間の間に排卵が起こっていると考えられています(※1)。
高温期
高温期は、排卵後~次の生理までの期間にみられます。排卵してプロゲステロンが多く分泌されるようになると、体温が上昇する仕組みになっています(※1)。
低温期は何度?高温期との差は?
基礎体温は個人差が大きいので一概には言えないのですが、高温期は36.7度前後が目安とされています(※2)。低温期の基礎体温は高温期から0.3〜0.6度ほど低くなることが多く、36.1〜36.4度程度が一般的なようです(※1)。
低温期と高温期に差がないのは異常?期間も重要?
低温期と高温期の温度差が低い、または期間が短いなど、基礎体温が乱れてしまうという人は注意が必要です。
低温期と高温期に差がない
基礎体温にほぼ差がなく、ずっと低温期が続いているような状態になっている女性は「無排卵月経」の可能性があります。
高温期は、排卵後に卵胞が黄体という組織に変化し、プロゲステロンを分泌することで訪れます(※1)。そのため、高温期が来ないということは、排卵していないケースも考えられます。
妊娠には排卵が必要なため、婦人科を受診し、治療の相談をしましょう。測り方が間違っている可能性もあるので、数ヶ月間は基礎体温をしっかりつけてから受診することをおすすめします。
基礎体温が上下する、生理が頻発する
低温期が長かったり、高温期が短かったりと、長さが乱れる場合もあります。24日以下の周期で生理が来る場合は「頻発月経」、生理周期が39日以上3ヶ月未満の場合は「希発月経」とよびます(※1)。
これらの症状が続く場合、治療を行ったほうがいい場合もあるので、基礎体温表を持って婦人科を受診しましょう。
低温期と高温期に差がないときの対処法は?
低温期と高温期に差が見られなかったり、基礎体温が上下したりする場合は、妊娠しやすい体づくりをするためにも、基礎体温を正しい形へと整えていくことが大切です。
基礎体温が乱れる原因は様々ですが、生活リズムの乱れや強いストレスなどが原因になり得ます。例えば次のようなことに注意して、生活習慣を見直してみましょう。
● 体を温める食材を積極的に食べる
● 食事をとらないような無理なダイエットをしない
● 栄養バランスのいい食事を心がける
● 足湯や半身浴などで冷えを改善する
● 適度な運動で基礎代謝を上げる(体に負担がかかりすぎる運動は避ける)
● 就寝前はリラックスし、質の良い睡眠でストレスを解消する
基礎体温を記録して低温期が何度なのか把握しよう
最初は、基礎体温を毎朝測ることに面倒くささを感じることもあると思います。しかし、自分自身の健康管理のため、そして、いつか生まれてくる赤ちゃんのために、自分自身の低温期・高温期が何度で、差が何度あるのかを把握することは大切です。できるだけ毎日続けていきましょう。
ただし、ストレスは女性のホルモン分泌にとって大敵なので、「絶対に毎日測らないと!」などとあまり気負いすぎず、落ち着いた気持ちで習慣にしていけるといいですね。