夏から秋にかけて流行する感染症はいくつかありますが、手足口病もその一つ。手、足、口の中などに発疹が出るため、見た目にもわかりやすく、子供がかかってしまうとママやパパは驚いてしまうかもしれません。今回は、手足口病の潜伏期間はどのくらいあるのか、潜伏期間中にうつることがあるのか、感染しないためには何をすべきかについてご紹介します。
手足口病とは?
手足口病は、口の中や、手や足など、体に水疱性の発疹が出る病気です。ウイルスの感染で起こり、年齢別では1歳が最も多く、生後半年から6歳くらいまでの子供に多く発症します(※1)。
手足口病は主に夏に流行しますが、数年おきに大流行します。子供が発病することが多いものの、大人はかからないというわけではありません。手足口病にかかった子供のママやパパが、手足口病を発症してしまうというケースもあります。
手足口病は、発疹の他に軽い発熱や食欲不振、喉の痛みなどの症状があります。手や足の発疹にかゆみや痛みはほとんどないものの、口にできた発疹が潰瘍になって痛んだり、しみたりすることがあります。
口内の痛みで飲まず食わずになってしまうと、脱水症状を起こす可能性もあり、状況に応じて点滴で水分や栄養を補充します。
なお、手足口病には予防接種できるワクチンや治療薬がありません。手足口病にかかってしまった際は、痛みや発熱などの症状を抑える対症療法を行います。
手足口病には潜伏期間がある?
手足口病は、ウイルスに感染してから3~5日の潜伏期間を経て発症し、発疹はかさぶたを残さず、3~7日で消えて完治します(※2)。
また手足口病を発症すると、喉から1~2週間、便からは3~5週間、ウイルスが少量ながら排出されます(※1)。
手足口病の感染経路は、以下のようなものです。
● 飛沫感染:咳や、くしゃみに含まれるウイルスが、口や鼻、目などの粘膜に入ることで起こる感染
● 経口・接触感染:水疱が破れて出た内容物や、便と一緒に排出されたウイルスが、手などを介して口や鼻、目などの粘膜に入ることで起こる感染
手足口病の原因となるウイルスはいくつかあり、そのため何度も手足口病にかかってしまうこともあります。
手足口病の潜伏期間中にうつることはある?
手足口病は、潜伏期間中に感染する可能性はあまりありません。また、解熱してから24時間経過すれば、ウイルス量は少なくなります。
しかし、手足口病は、症状が完治した後も、1ヶ月ほど少量のウイルスの排泄があるとされています。
子供は手で口や目に触れる機会が多いので、保育園や幼稚園など、限られたスペースで集団生活をしていると、手足口病の感染が一気に広がってしまう傾向があります。
なお、手足口病は症状が比較的軽いことが多く、ウイルスの排出を完全に防ぐのは現実的には難しいため、出席停止期間に関しての規定はありません(※3)。
熱が下がってから24時間以上が経ち、発疹の拡大がなく、本人の状態が良ければ登校・登園してもいいとされていますが、小学校や園が独自に出席停止期間を定めている場合もあります。
手足口病にかかった際はいつから登校・登園できるかは、医師に相談のうえ、小学校や園に問い合わせてみるといいでしょう。
手足口病の潜伏期間中に感染しないためには?
手足口病は、潜伏期間中でも感染してしまいますが、潜伏期間、発病中、完治後のどの時点においても効果的な、感染しないための予防法があります。それは、手洗いとうがいを欠かさないことです。
前述したとおり、手足口病はウイルスを保菌していても、それを自覚できないというケースはたくさんあります。手足口病が流行している間は、あらゆる人がウイルスをもっている可能性があるといえ、ウイルス保菌者との接触を避けるのはほぼ不可能です。
外出から帰ってきた際だけでなく、家の中でも、定期的に手洗いとうがいを欠かさないことが、一番の予防策です。
手足口病は潜伏期間以外にもうつる可能性が高い感染症です
手足口病になったとしても、ほとんどが軽い症状で済むものです。しかし、口に食べ物や飲み物を入れにくいことがあり、発症すると大きなストレスがかかってしまいます。
ウイルスの保有者や発症者が周りにうつしてしまうことも多いため、ウイルスに感染しないための予防策がもっとも大切です。
赤ちゃんのおむつ替えを終えた際は必ず手洗いをしたり、窓を開けてこまめに家の中の空気を入れかえることも有効です。
日頃から家族みんながうがいや手洗いを習慣づけておけば、手足口病だけでなく、風邪など他の感染症の予防にもなります。特に流行時期は、徹底して行うようにしてくださいね。