「排卵検査薬を使うと排卵日がわかる」と聞いても、陽性反応が出るタイミングがわからないと、「いつから排卵検査薬を使いはじめたら良いのだろう」と悩むこともありますよね。また、妊娠しやすいタイミングとして、陽性反応が出てからいつ性行為をすれば良いのかも気になるところでしょう。そこで今回は、いつから排卵検査薬を使えばいいのか、陽性反応が出た後、妊娠しやすいタイミングはいつか、などをご説明します。
排卵検査薬とは?
排卵検査薬とは、尿に含まれる「LH(黄体形成ホルモン)」を特殊な薬品で検知することで、排卵日を予測するためのものです(※1)。
妊娠には卵子と精子の受精が必要なうえ、卵子と精子にはそれぞれ寿命があります。そのため、卵子が排卵される「排卵日」を予測して性行為を行うことは、妊娠確率のアップには欠かせません。そのため、妊娠を希望する夫婦にとって、排卵検査薬は頼もしい味方といえるでしょう。
排卵検査薬の陽性反応とは?
商品によっても異なりますが、日本で販売されている排卵検査薬では、一般的に尿中LH値が20〜50mIU/ml以上になると陽性反応が現れるものがほとんどです(※1)。
LHとは体内に常に存在するホルモンで、通常時はこの数値を下回っています。しかし、排卵の直前になると「LHサージ」という、LHの分泌量が急増する現象が起こります。このLHサージの期間内は、LHが排卵検査薬に反応する数値を超えるため、陽性を示します。
この陽性反応によって、排卵直前であることを把握することができるのです。
排卵検査薬の陽性反応が出た後、排卵日はいつごろ?
基本的に、排卵検査薬の陽性反応が出たあと、2日後までに97%のケースで排卵が起こるとされています(※1)。陽性反応が出た日が排卵日、ではないので注意しましょう。
また、排卵検査薬の陽性反応の見方を間違えると排卵前のタイミングを見逃してしまうので、気をつけてくださいね。
排卵検査薬の検査結果は、「基準ライン(コントロールライン)」と「判定ライン(テスト結果ライン)」と呼ばれる2本のラインを見分けて判断する必要があります。上図の③、④のように、両方のラインにはっきりした2本の縦線が見られたら陽性、上図の①のように基準ラインだけだと陰性です。
上図の②のように、基準ラインにはっきり線が出ていて、判定ラインが薄く出た場合は、排卵までもう少し時間があることを示している可能性があります。翌日も再度検査してみましょう。
基準ラインに線が現れていないときは、うまく検査できていないということなので、新しい排卵検査薬で再度検査を行いましょう。
排卵検査薬の陽性反応後、妊娠しやすいタイミングは?
卵子の寿命は排卵から約24時間で、精子の寿命は射精後3~5日といわれており(※2)、一般的に妊娠しやすいタイミングは、排卵日の3日前からの約3日間となります。
前述の通り、陽性反応が出たら1~2日の間には排卵が起こるので、陽性反応が出たタイミングから数日間、性行為を継続して行うことが、もっとも妊娠しやすくなるといえるでしょう。
排卵検査薬はいつから使えばいいの?陽性が出るタイミングは?
排卵検査薬は思い立ったときに不定期で使っても、排卵日を正しく予測するのは困難です。正しく排卵日を予測するためには数日間連続で使って、その変化を把握する必要があります。
それでは、いつから排卵検査薬を使いはじめたら良いのでしょうか?
排卵検査薬をいつ使うかは、自分の生理周期を元に判断すると無駄が少なくなります。生理周期が規則的か、不規則かで、使用タイミングを変えるのがおすすめです。
生理周期が規則的な場合
生理周期が規則的な場合、一般的に次回生理開始予定日の14日前ごろに排卵日がきます(※2)。前述の通り、排卵検査薬は排卵の約2日前から陽性反応が出るため、次回生理開始予定日の17日前から排卵検査薬を使いはじめると、数日以内には陽性反応が現れる計算になります。
そうはいっても17日前だとギリギリなので、確実に排卵日を把握したいときは、次回生理開始予定日の20日前頃、つまり、生理が終わったあとくらいから毎日使いはじめ、変化を見ていくことをおすすめします。
生理周期が不規則な場合
生理周期が不規則な人は、次回生理開始日を予測するのが難しいですよね。そこで、過去の生理周期で最も短い日数で来ると仮定して、その生理予定日の17日前から排卵検査薬を使用してみましょう。
たとえば、過去の最も短い生理周期が26日間の場合、前回の生理が始まって9日目(26ー17=9)から排卵検査薬を使用します。どれくらい生理周期にバラつきがあるか次第ですが、早ければ数日、遅くても10日程度で陽性反応が現れると考えられます。
ただし、さらに短い期間で排卵が起こる可能性もあるので、注意が必要です。数周期試して反応を見てみましょう。
排卵検査薬を使うときの注意点は?
排卵日を予測するために有効な排卵検査薬ですが、その日の体調や外的要因で検査結果が変わりやすい、という問題点もあります。排卵検査薬を使うときには、次のような点に気をつけましょう。
● 検査は毎回できるだけ同じ時間に行う
● 直射日光・湿気のある場所は避け、4~30℃で保管する
● 一度使った検査薬の再利用はしない
※ 商品によって使用上の注意点は異なるので、内容を確認してから利用してください。
ほかにも、尿中のLH濃度を感知するため、大量の水分を摂取すると濃度が低下して反応が現れない、ということもあるようです。また、既に妊娠している、流産・人工妊娠中絶をした、不妊治療で薬物療法を行っている、などのときには、排卵とは関係なく陽性が現れる場合もあります。
ずっと陰性や陽性が続いてタイミングが掴めない場合は、医師に相談することをおすすめします。
排卵検査薬の陽性反応で、妊娠のタイミングを見極めよう
できるだけ早く妊娠を目指すのであれば、排卵検査薬はとても有効です。妊娠率を高められる方法として、不妊治療のクリニックでも最初に勧められることが多い方法でもあります。排卵検査薬にも色々な種類があるので、自分にあったものを見つけて妊娠に向けた第一歩を踏み出しましょう。
また、排卵日をより正確に把握するために、排卵検査薬の使用と並行して、基礎体温を測ることも重要です。基礎体温グラフと排卵検査薬を使っても妊娠できないようなら、不妊の可能性を疑って早めに検査を受けるようにしましょう。