子どもの歯並びや咬み合わせは、何かと気になりますよね。特に「反対咬合(受け口)」はよくみられますが、治療はいつからしたらいいのでしょうか。
そこで今回は、「反対咬合」について、原因や治療方法、矯正の費用などをご説明します。
反対咬合とは?
「反対咬合」とは歯を咬み合わせたときに、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態のことをいいます。一般的に、「受け口」と呼ばれることもあります。
乳歯が生え揃う前の2歳頃の子どもには13.4%、乳歯が完成する3歳頃の子どもには8.7%みられ、日本人には比較的多い症状といえます(※1)。
反対咬合で起こる問題は?
反対咬合になると正しい咬み合わせができないため、咀嚼が十分にできなかったり、「サ行」や「タ行」などがうまく発音ができなかったりします。
また、咬み合わせが左右均等でないと顎の関節に影響が出て、体全体の発育にも悪影響を及ぼすおそれがあります。
歯並びが悪くなるなど、見た目の問題も生じます。特に、まだ奥歯が生えてきていない小さな子どもは顎を前に出すような癖がついてしまい、顎がしゃくれたように見えることもあります。
反対咬合の原因は?
反対咬合の原因は、大きく下記の3種類に分けることができます。
骨格
上の歯が本来生える位置より内側に生えていたり、逆に下の歯が外側に生えていたりと、歯の生え方に癖があると、反対咬合になることがあります。
また、成長の過程で下の顎の骨が大きくなりすぎると反対咬合の原因となります。
遺伝
必ず遺伝するというわけではありませんが、家族に反対咬合の人がいると反対咬合になる可能性が高くなるとされています。
癖
頬杖や唇を吸う癖、顎を突き出すような仕草が癖になっていると、反対咬合になることもあります。このような癖は、早い段階でやめさせるようにしましょう。
反対咬合の治療方法は?いつからすればいい?
反対咬合の治療は、適切な矯正装置で上下の歯を動かして正しい咬み合わせにします。6〜8歳あたりの成長の早い時期に治療をはじめるのが望ましいとされています(※2)。
乳歯が生え揃っても顎を前後左右にずらさないと噛めないという場合は、更に早い段階から治療が行われることもあります(※3)。
成長期に顎の骨の大きさに問題がある場合は、器具を使って上下の顎の骨のバランスがとれるようにサポートします。
永久歯が生え揃って成長が止まってから最終的な咬み合わせを調整しますが、顎の大きさで咬み合わせがうまくいかない場合は、顎の骨を切る手術をすることもあります。
反対咬合の矯正費用は?
反対咬合の矯正費用は、症状の重さや治療方法などによって異なります。ほとんどの場合は、健康保険がきかない自由診療となり、病院によってかかる費用が異なります。
定価などはありませんが、80~120万円ほどが目安となります。著しい反対咬合により手術をする必要があるときは、矯正にも健康保険が適用されるケースがあります。
また、咀嚼や咬み合わせ機能の改善のために行う反対咬合の矯正費用は医療費控除の対象になります。
所得や医療費によって控除額が異なるため、詳しくはお住まいの自治体などに相談してみてくださいね。
子どもの反対咬合は正しい治療を受けよう
反対咬合をただ歯並びが悪いだけと思って放置してしまうと、咬み合わせのせいでさまざまな問題を引き起こすことがあります。
成長につれて見た目が気になって悩んでしまうこともあるかもしれないので、早めに対処してあげてくださいね。