いつも一緒にいるけれど、リアルタイムでは様子がわからないお腹の赤ちゃん。どんな風に過ごしているのか、気になっている妊婦さんは多いのではないでしょうか。「赤ちゃんの様子をもう少しはっきり見たい」という人には、「4Dエコー」がおすすめですよ。今回は、4Dエコーの特徴や料金、3Dとの違いなどについてご説明します。
超音波検査(エコー検査)とは?
超音波検査は、エコー検査とも呼ばれ、超音波を利用して子宮のなかを観察する検査のことです。
モニター画面に映し出された映像を見ながら、胎児の発育や、胎盤、羊水の状態について医師から説明を受けることができます。
妊婦健診のときに受けるのが一般的です。
2D、3Dエコーとは?
エコー検査は「2Dエコー」が主流です。この「D」は次元(dimension)の略で、2Dエコーはママの子宮内の「縦」と「横」を捉え、赤ちゃんを平面的(2次元)に映像化します。
一般的な白黒のエコー写真は、通常の2Dエコーで撮影されたものです。
3Dエコーはこれに「奥行き(深さ)」が加わったもので、お腹のなかにいる赤ちゃんの姿を立体的(3次元)に映し出すことができます。
2Dエコーと同じく、3Dエコーも静止画として見ることになりますが、2Dエコーに比べると赤ちゃんの顔立ちや表情、しぐさをはっきり見ることができますよ。
4Dエコーとは?他のエコー検査との違いは?
「3D」までは何となくイメージできるかもしれませんが、「4D」と聞くとよくわかりませんよね。
簡単に言うと、「立体的な赤ちゃんの姿を、静止画ではなく動画で見られる」のが4Dエコーです。
● 2Dエコー:縦×横(2次元)
● 3Dエコー:縦×横×奥行き(3次元)
● 4Dエコー:縦×横×奥行き×時間(4次元)
赤ちゃんがあくびをしたり、指をしゃぶったり、舌を出したり…といった様子をリアルタイムに見ることができるので、ママにとっては「本当に赤ちゃんがお腹のなかで生きているんだ!」という実感がわきやすいかもしれません。
病院によっては、お腹のなかで赤ちゃんが動いている様子を4Dエコーで収め、DVDに録画してくれるところもあります。「赤ちゃんの動画を家に持ち帰って、家族と一緒に観たい」という人は、病院で相談してみてくださいね。
4Dエコーのメリット・デメリットは?
4Dエコーのメリット・デメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
4Dエコーのメリット
● 赤ちゃんの目鼻立ちや表情がはっきりわかる
● リアルタイムで動いている様子を見られる
4Dエコーのデメリット
● 赤ちゃんの向きによってはうまく映らない
● 通常のエコー検査よりも費用が高い
● 4Dエコーを実施している病院が少ない
現在、4Dエコーを実施している産院の数はそれほど多くなく、費用もかかるので、「定期的に妊婦検診で通っている病院では2Dエコーを受け、記念としてほかの病院で4Dエコーの動画を撮ってもらう」という妊婦さんもいますよ。
4Dエコーで赤ちゃんの性別はわかる?
通常のエコーと比べると、4Dエコーはより詳しく赤ちゃんの様子を見られるので、性器もはっきり観察できることもあります。しかし、赤ちゃんの向きや手足の位置によっては性器が隠れてしまい、性別判定ができないこともあります。
また、産婦人科医によっては「通常の2Dエコーの方が赤ちゃんの観察や性別判定がしやすい」という意見もあるようです。
「4Dエコーだから性別がわかる」とは言い切れないので、「わかるかもしれない」程度に考えておくといいですね。
4Dエコーで、ダウン症かどうかわかるの?
4Dエコーは、通常のエコー検査よりもはっきり胎児の様子を見ることができるので、なかには「赤ちゃんがダウン症かどうかわかるのでは?」と思うパパやママもいるようです。
しかし、4Dエコーだけでダウン症の確定診断ができるわけではありません。
4Dエコーで映像を見たときに、「鼻が横に平ら」「首のうしろがむくんでいる」といった特徴が見られ、ダウン症が疑われることもありますが、この時点ではあくまでも推測にすぎません。
ダウン症に限らず、胎児に染色体異常があるかどうかは、羊水検査などの出生前診断を行わないとわかりません(※1)。
「4Dエコーによって何か異常が見つかるのではないか」といった期待や心配をしすぎないようにしましょう。
エコーの結果、不安に思うことや気になることがあれば、かかりつけの医師に相談してみてくださいね。
4Dエコーは、いつからいつまで受けられる?
4Dエコーは、胎児がほぼ人間の形になる妊娠10週ぐらいから、妊娠30週頃まで受けることができます。ただし、時期によって映し出せる範囲が異なるため、4Dエコーで何を見たいかによってベストなタイミングが変わってきます。
頭から足まで全身の動きを見たいのであれば、赤ちゃんの体がまだ小さい妊娠24週頃まで、赤ちゃんの表情やしぐさを詳しく見るには、妊娠25~30週頃が適しているといわれます。
妊娠30週を過ぎると、赤ちゃんが大きくなって画面に映りきらないことが多いため、4Dエコーを受け付けていない病院もありますよ。
4Dエコーを受けるには事前予約が必要なことがほとんどなので、受けたいタイミングよりも少し早めに病院に問い合わせ、検査のタイミングを決めてくださいね。
4Dエコーの料金はどのくらいかかる?
普段から通っている病院が4Dエコーを取り扱っていて、妊婦健診の一環として4Dエコーを受けられる、ということであれば、別途料金がかからないこともあります。
ただし、妊婦健診とは別に、4Dエコーだけほかの病院で受けるという場合は、自治体が配布する妊婦健診の補助券は利用できず、費用は自己負担となります。
4Dエコーを受ける料金は病院によって異なりますが、1回あたり5,000~10,000円ほどかかります。これに加えて初診料や、双子や三つ子の場合は追加料金がかかることもあります。
また、4Dエコーの映像を収めたDVDをもらうかどうかなど、オプションによっても料金が異なることがあるため、あらかじめ病院に確認しておきましょう。
4Dエコーで元気に動く赤ちゃんを見てみよう
外側からは見ることができないお腹の赤ちゃんの動きを、リアルタイムで見られるのが4Dエコーの特長です。近い将来生まれてくる子の顔つきやしぐさを見ることで、パパやママはより一層赤ちゃんへの愛おしさがわいてきそうですね。
4Dエコーの検査費用は安いとはいえませんが、一度受けてみると良い記念になるかもしれません。受けてみたいという妊婦さんは、パートナーと相談のうえ、4Dエコー設備のある病院に問い合わせてみましょう。