女性にとって「月経」は、妊娠・出産と関係する重要な生理現象です。しかし、これから初潮(初経)を迎える子や、迎えたばかりの女の子は不安でいっぱい。同じ女性として、安心できる声かけをママからしてあげたいですね。今回は、初潮が来る年齢や前兆、トラブルといった基礎的な情報や、親としての心構えや対応についてご紹介します。
初潮(初経)とは?どう子供に説明する?
初潮とは、初めての月経(生理)のことです。思春期になり性ホルモンの作用の差によって生まれる男女それぞれの特徴を「第二次性徴」と言いますが、初潮はそのうちの一つとして見られる現象です(※1)。
月経とは女性特有の生理現象で、28日前後の周期で起こり、3~7日続く子宮内膜からの周期的な出血のことをいいます。初潮を迎えたばかりの子の場合は、大人の女性に比べて生理周期が不安定です。
子宮の内側を覆っている子宮内膜は、受精卵を着床しやすくするために少しずつ厚くなり、ふわふわのベッドのような状態になります。厚くなった子宮内膜は、卵子が受精しなかった場合には排卵後約2週間ではがれ落ち、子宮口から出血として排出されます。この出血が月経です。
簡単にいうと、「赤ちゃんのベッドとして毎月準備される子宮内膜が必要なくなったとき、はがれ落ちるときに起こる出血」というように、子供に説明してあげると良いでしょう。
初潮(初経)を迎えるということは、「将来赤ちゃんを生むことができる体になるための準備が始まる」ということであり、「大人の女性に近づいている証」であることをママから子供に伝えてあげたいですね。
初潮(初経)は何歳で迎えるの?
初潮を迎える時期には個人差がありますが、10~14歳の間に初めての生理がくる子が多く、平均年齢は12歳ぐらいです(※1)。小学生のうちに初潮がある子もいれば、そうでない子もいますが、中学3年生ぐらいになるとだいたいの女の子が初潮を迎えます。
娘を持つ親としては、小学4年生になったあたりから「いつ初潮が来てもおかしくない」と思っておくと良いでしょう。高校生になっても生理がないようであれば、一度ママも付き添って婦人科で相談してみると安心ですね。
初潮(初経)の前兆は?どう対応する?
初潮の時期を示す明確な前兆があるわけではありません。しかし、女性ホルモンの分泌量が増え、そろそろ初潮を迎えることを示すヒントが女の子の体に現れてきます。ここでは、主な3つの特徴と、親としてできる対応をご紹介します。
乳房がふくらみはじめる
初潮が近いことを示す兆候の一つは、「乳房がふくらみはじめること」です。一般的に、乳房が発達しはじめてから1~2年ぐらいで初潮を迎えることが多いですよ。胸だけでなく、体全体が丸みを帯び、次第に女性らしい体つきになっていきます。
子供が胸のふくらみを気にしはじめたら、スポーツブラジャーや胸元が二重になったキャミソールなどを一緒に買いに行ってあげるのも良いですね。
わきの下や性器に毛が生えはじめる
乳房の発達に加えて、初潮が近くなるとわき毛や陰毛が生えてきます。最初は細くてやわらかい産毛のようなものですが、だんだんとかたい毛になっていきます。乳房がある程度発育した11歳頃に、陰毛が発育し始めるといわれています。初潮がくるサインの一つとして覚えておきましょう。
小学校高学年ぐらいになると、自分が周りからどう見られているか気になりだすもの。体毛が濃くなってきたことで不安になってしまう子もいるかもしれません。そんなときは、「体毛が生えるのは正常な成長であり、恥ずかしがらなくても大丈夫」と伝えてあげましょう。
おりものが下着につく
膣からの分泌物である「おりもの」が出るようになるのも、初潮を迎える前のサインです。月経前によく見られるもので、卵の白身のようにとろんとしているのが特徴です。
もし下着につくおりものが気になるようであれば、生理が来る前の心の準備という意味で、パンティライナーを下着につけさせてみるのも一つの方法です。
初潮(初経)のトラブルにどう対処する?
はじめて月経を迎えたときや、迎えて間もないころは、様々なトラブルが起こりがちです。いざというときに子供が不安にならないよう、あらかじめトラブルを把握し、対策を練っておくことが大切です。
もし突然、学校や外出先で生理が来てしまったら?
先ほどお伝えしたとおり、「そろそろ生理が来るかな」というサインはあるものの、ピンポイントでいつ初潮を迎えるかは、親にも本人にもわかりません。もしかすると、学校や外出先にいるときに突然生理がくる可能性もあります。
ママがそばにいないときでも対応できるよう、普段からポーチにナプキンや生理用ショーツを入れて持たせておくと安心です。最近では、折りたたむとハンカチのように見える「ハンカチポーチ」も売っているので、「周りの友達に知られたくない」という子におすすめですよ。
もし、生理中に経血が漏れてしまったら?
大人の女性にとっても経血の漏れは気がかりですよね。思春期の子供であれば、「下着が汚れて気持ちが悪いな」「洋服に血がついていないかな」と、なおさら不安になってしまうもの。
初潮を迎えたばかりであれば、それほど経血の量が多くないとはいえ、万が一漏れてしまって不快なまま一日を過ごすことがないよう、予備のナプキンや替えのショーツだけでなく、ビニール袋も準備しておくのがおすすめです。
また、もしそういった用意がなくても保健室へ行って相談するなど、具体的な対処法についてもあらかじめ子供と話しておくと良いですね。
初潮の前に親子でコミュニケーションを
大人の女性からすると、毎月訪れる生理が煩わしく感じることもあるかもしれません。しかし、生理がきちんとくるということは、将来子供を生める体をつくるための準備として大切なことです。
初潮をもうすぐ迎える思春期の子供には、生理に対するポジティブなイメージと安心感が持てるよう、普段から話をしてあげたいですね。
今回ご紹介したように、子供の体に変化が見られたり、子供自身が赤ちゃんができる仕組みや生理について興味を持ったりしたら、そのタイミングを捉えてコミュニケーションを図ってみましょう。