生理中の悩みのひとつに、「ナプキンから経血が漏れてしまう」ことがあります。「服に経血がついて焦った」「朝起きたらシーツが汚れていて困った」という経験がある人も多いのではないでしょうか。経血の漏れは誰にでも起こり得るものですが、なぜナプキンをしているのに漏れてしまうのでしょうか。今回は、ナプキンで経血が漏れる原因や、予防法対処法についてご説明します。
ナプキンから経血が漏れる原因とは?
生理用ナプキンを使っていても、経血がナプキンから漏れてしまうこともあります。
生理中、ナプキンから経血が漏れてしまうのは、主に以下の原因が考えられます。
・ 経血の量とナプキンのサイズが合っていない
・ 経血の量が多く、ナプキンの吸収スピードが追いつかない
・ 体を動かすことが多く、ナプキンがずれてしまう
・ 仰向けで寝ているとき、経血がお尻を伝って「伝い漏れ」をする
特に生理になり始めの頃は、毎月の経血量が安定していないことも多く、経血量を把握するのが難しいこともあるでしょう。
また、ナプキンには接着テープがついていますが、それでも体を激しく動かすようなことがあると、ナプキンがショーツからずれてしまい、うまく吸収しきれないこともあります。
ナプキンで漏れるのを予防する方法は?
ここでは、ナプキンから経血が漏れないための、予防法をご紹介します。以下を参考に、状況に合わせて対応してみてください。
経血の量・行動量にあったナプキンを選ぶ
ナプキンには、複数のサイズがあります。経血の量がいつもより多い、スポーツなどでいつもより行動量が多くなるという日は、いつも使っているナプキンより一回り大きめのサイズを選んでみると良いですね。
こまめにナプキンを取り替える
ナプキンを使うときの基本として、こまめに交換する習慣をつけましょう。
長時間つけ続けていると、ナプキンの吸収力より経血の量がオーバーしてしまいます。2~3時間ごとに1回はナプキンを交換してください。
経血が多い日は、昼でも「夜用」を使う
「昼用」「夜用」のナプキンは、必ずしも昼・夜に使う必要はありません。
昼間に昼用を使っていて漏れた経験がある、また頻繁に交換できないといった場合は、日中でも「夜用」を使ってみてください。
羽つきタイプでずれを防ぐ
羽つきタイプは、ショーツの裏側に羽を貼りつけて固定するため、ナプキンがずれにくいのが特徴です。
いつもより体を動かす日や、経血量が多い日は、羽つきでナプキンを固定しましょう。
大きめの夜用で伝い漏れを防ぐ
寝ているときに、「伝い漏れ」で布団のシーツを汚してしまう場合は、「特に多い日用」など、夜用のなかでも吸収力が高い、大きめのナプキンを使うのがおすすめです。
メーカーによって異なりますが、長さが40cm以上あるものや、お尻の部分だけ大きく広がっているタイプもあります。
タンポンと併用する
タンポンを使いつつ、ショーツにはナプキンをしいておくという方法もあります。多い日だけ、ナプキンとタンポンを併用するのもいいですね。
しかし、夜間に長時間タンポンをつけたままにするのはおすすめできません。特にタンポンを使い慣れていない人は、寝るときは無理に使用しないようにしましょう。
生理用ショーツでずれを防ぐ
生理用ショーツは、普通の下着に比べて体にフィットするのが特徴です。
ナプキンをしっかり押さえてくれるうえに、ショーツ自体にも厚みがあるので、もし経血がショーツに漏れてしまっても、服まで染みることが少ないですよ。
下着の上にガードルやスパッツを履く
普段の下着にナプキンをつけていると、ナプキンがよれやすく、前後にずれてしまうこともあります。そんなときは、ガードルやスパッツを重ね履きして、ナプキンが動かないように固定しましょう。
寝ているとき、夜用ナプキンで漏れる場合はどうしたらいい?
寝ているときに夜用のナプキンをつけていても、「どうしてもシーツに経血が漏れてしまう」という人も少なくありません。
「特に多い日」など、大きめの夜用を使っていても漏れてしまう場合は、ショーツとナプキンが一体になったパンツ型のナプキンもおすすめですよ。
パンツ型のナプキンは、吸収体の長さが48cmあり、腰のあたりまでしっかりガードしてくれます。ほどよい伸縮性で体にしっかりフィットするので、姿勢を変えてもよれることもありません。旅行などで、絶対に失敗したくない日の夜に、使う女性が多いようです。
また、どうしても漏れが不安なときは、敷き布団の上に厚めのバスタオルや防水シートを敷くのも、1つの方法です。もし漏れてしまっても、経血が布団まで浸み込まず、片付ける作業が軽減されます。
バスタオルは、経血が目立たないよう、色が濃いものを用意しておきましょう。
ナプキンで漏れるときは病気の可能性もある?
ナプキンで経血が漏れる状況が続き、生活に支障をきたすような場合は、「過多月経」の可能性も考えられます。
月経は一回の生理で3~7日間、20~140mlの出血があるのが正常な状態です。しかし過多月経の場合は、140ml以上の出血があります。生理期間が長引く「過長月経」を伴うことも多く、生理が8日以上続くのも特徴です(※1)。
日中に昼用のナプキンが1時間ももたず漏れてしまったり、夜用のナプキンで寝ているのに漏れが頻繁に起こったりする場合は、一度婦人科で見てもらいましょう。
過多月経は、原因に合わせた効果的な治療が存在します。症状が悪化してから初めて受診すると、治療が長引いてしまうケースもあるので、早めの受診がおすすめです。
ナプキンで経血が漏れるときは使い方を見直そう
ナプキンで経血が漏れてしまったときは、まず自分の生理の状態を把握して、ナプキンの選び方や使い方を見直してみてください。経血の量には個人差があるため、自分に合ったものを選ぶことが大切ですよ。
しかし、生理になったばかりの年齢であれば、「自分の生理の状態」といわれても、なかなか把握するのは難しいもの。前回の生理で漏れた経験があれば、ひとまわり大きめをつけてみたり、慣れるまではサイズ違いナプキンを持ち歩いたりするのがおすすめです。替えのショーツを1つ持っておくのもいいですね。
生理は、自分の体の状態を知ることができる重要な体の仕組みのひとつです。自分の体と向き合って、生理中も安心して過ごせる準備をしておきましょう。