子供の成長過程のひとつに、乳歯が抜ける時期があります。少しずつ乳歯の根元が不安定になり、グラグラと抜けそうになる感覚を今でも覚えている人もいるのではないでしょうか?しかし、実際に自分の子供の乳歯が抜けたらどうすれば良いか、戸惑うママやパパは少なくありません。そこで今回は、乳歯が抜けたらどうすれば良いのか、保存方法や注意点、慣習なども含めてまとめました。
乳歯が抜けたらどうすればいい?
乳歯が抜け始めるのは、おおよそ6歳頃といわれています。乳歯は、乳中切歯・乳側切歯・乳犬歯と呼ばれる前歯と、第一乳臼歯・第二乳臼歯と呼ばれる奥歯の5種類あり、上下で計20本。そのうち、乳中切歯から少しずつ奥歯に向かって抜けていきます。
6歳前後から6~7年かけて永久歯へ生え替わるといわれていますが、なかには、小学生まで抜ける気配がないことも。虫歯など口腔内のトラブルがなければ、あまり時期にこだわらず、様子を見てあげるようにしましょう。
乳歯が抜けた後は、その都度、口の中をチェックしてあげることが大切です。抜けた後の歯茎に違和感を覚え、子供が指や舌で触ってしまうことがありますが、雑菌が入り炎症を起こすことや、出血をしている場合はいつまでも止血できないこともあります。
以下に、乳歯が抜けたときに気を付けたいことをまとめたので、参考にしてみてくださいね。
乳歯が抜けた後に気をつけること
●血が出ている場合は、ぬるま湯でゆっくりと口の中を流す
●血が止まらないときは清潔なガーゼで幹部を抑え止血する
●硬い食材や刺激のある味付け(酸っぱい・塩辛い等)は避ける
●抜けた部分の周囲の歯も磨くようママが歯磨きチェックをする
●化膿・炎症すると発熱することもあるので、数日は歯茎のチェックする
●止血しても止まらない・化膿や炎症をしているときは歯医者へ相談する
乳歯が抜けたときの保存方法や注意点は?
乳歯が抜けたときの保存方法として、「トゥースケース」というものが市販されています。一つずつ保存したり、実際の歯の並びのように保存できたりと、形は様々。
昔は、屋根や縁の下に投げるという慣習がありましたが、昨今の住宅事情の関係で投げることができないケースもあり、最近は保存する人が増えてきているようです。
乳歯を保存するときは、くれぐれも、抜けたまま保存しないように気を付けましょう。抜けたままの乳歯には、血やたんばく質・食事をしたあとの汚れが付着していて、雑菌が繁殖してしまう原因に。保存する前に、以下の洗浄方法を参考にしてみてください。
保存前の洗浄方法例
●熱湯消毒(20分以上)
●オキシドールに浸けた後に、歯間ブラシなどで汚れをとる
●薄めたキッチンハイターに浸けて、すすいだ後に乾燥
乳歯が抜けたら投げるといいってほんと?
乳歯が抜けたら投げるというのは、「健やかな体に育つように」という願いが込められた、日本で昔から伝わる験担ぎのひとつです。「下の歯は屋根の上に、上の歯は縁の下に投げる」というのが一般的に広まっています。
乳歯が抜けたときの慣習は、実は日本だけに限らず、世界で色々な慣習があるといわれています。日本と同じ慣習のある国は、インドネシアカンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナムなど。
イギリスやフランス、イタリア、アメリカ、カナダなどは、抜けた乳歯を枕の下に置いて眠ると、歯の妖精「トゥースフェアリー」が歯の替わりにコインを置いていくという可愛い言い伝えも。
その他、チリやコスタリカ、デンマークでは、乳歯をイヤリングに加工して、お守りとして身に付けるという、少し珍しい慣習もあるようですよ。
乳歯が抜けるごとに成長を感じましょう
今まで生えていた歯が抜けるというのは、子供にとっては不安に感じることかもしれませんね。
しかし、歯が抜けることを成長として喜ぶことができるのは、この時期しか経験できない貴重なもの。「ママやパパのときはこうだったよ」と、体験談を交えながら、不安な気持ちに寄り添ってあげましょう。
もしかしたら、ママやパパの中には、糸などを使ってグラグラした乳歯を抜いたという経験がある人もいるかもしれません。
しかし、抜けた後の歯茎に悪影響を及ぼすことや、子供の恐怖心にも繋がるので、無理やり抜かないようにしましょう。どうしても気になるときは、歯医者で抜歯してもらうのがベストですよ。