赤ちゃんの頃はしっかりと決まった時間にお昼寝をさせていたという人も、少しずつ子供が成長すると、いつまでお昼寝が必要なのか疑問に思いますよね。そこで今回は、幼児のお昼寝について、いつまで必要なのか、やめさせるべきなのか、上手に卒業するコツなどをご紹介します。
幼児のお昼寝はいつまでさせるべき?
幼児がお昼寝をするのは、おおよそ3〜4歳までが目安といわれています。早い子では2歳半、遅くても5~6歳の就学前にはお昼寝をしなくなることが多いようです。
いずれも強制的なものではなく、年齢ごとに変化する生活リズムによって、自然とお昼寝の時間が減ったり、タイミングがなくなっていったりするほか、体力がついて昼に寝る必要がなくなることなどが、お昼寝をしなくなる理由のようです。
幼児のお昼寝、保育園ではいつまで?
幼児のお昼寝をいつまでさせていいのかを考えるときに、参考にしたいのが「保育園ではお昼寝を何歳までさせているのか」ということです。
保育園では、お昼寝のことを「午睡(ごすい)」と呼んでいますが、具体的に何歳まで午睡をとらせるかということについては、保育園の管轄省庁である厚生労働省では定義していません(※1,2)。
そのため、お昼寝をいつまでとらせるかは、各保育園の判断に任せられています。
ただし、平成30年4月から適用される厚生労働省の保育所保育指針には「一人一人の生活のリズムに応じて、安全な環境の下で十分に午睡をする」という記載があり、保育園は子供一人一人に柔軟に対応することが求められています(※1)。
現状を見ると、4歳児クラスや5歳児クラスからはお昼寝をさせない保育園が多いようです。
幼児のお昼寝をやめさせる必要はあるの?
幼児のお昼寝は、無理にやめさせる必要はないでしょう。まだ体力がなく、足元がフラフラしているときや、機嫌が悪いときは、お昼寝を促してあげることも大切です。
大人でも昼食後は眠くなるように、子供もご飯を食べた後の午後1~3時くらいには自然と眠くなります。眠くなってくると脳の働きが鈍くなり、判断力も落ちてきて、無理に起きていると怪我や事故のもとになることも考えられます。
ただしお昼寝をする場合は、1~2時間、長くても3時間に留めて、午後3時くらいまでには切り上げるのがおすすめです。あまりお昼寝が長過ぎると、夜に眠れなくなってしまうこともあります。
逆に、体力がついてきて、お昼寝をしなくても元気に遊ぶことができ、生活リズムが乱れずに夜の適切な時間帯に眠ることができていれば、お昼寝をする必要はないかもしれませんね。
幼児のお昼寝を上手に卒業させるには?
幼児にお昼寝を卒業させたい場合は、1日に必要な睡眠時間を夜にしっかり確保してあげましょう。幼児期の1日に必要な睡眠時間は、アメリカ国立睡眠財団の研究では年齢ごとに次のようになっています(※3)。
1〜2歳に必要な睡眠時間は?
1〜2歳に必要な睡眠時間は11~14時間とされています(※3)。このくらいの年齢になると、昼寝が1日1回になる子も増えてきます。
22時以降に就寝している2歳児の割合は全体の35%ほどというデータもあるため、夜に寝かしつけるのが遅くなりがちな場合はお昼寝で睡眠時間を確保しましょう(※4)。
3〜5歳に必要な睡眠時間は?
3〜5歳の幼児では、睡眠時間は10~13時間程度必要だと考えられています(※3)。
この年齢の子供のなかには、体力がついてきたり、お昼寝よりも遊びたい気持ちが勝ったりするせいで、お昼寝をさせようとしても寝付けない子も多く見られます。そんなときは無理に寝かさないで様子を見てみるのもいいでしょう。
もし、夕方の中途半端な時間に眠くなってしまったり、夕食時などに機嫌が悪かったりする場合は、まだお昼寝が必要な合図です。逆に何もなく元気に過ごせていれば、お昼寝卒業のタイミングかもしれませんよ。
これらの研究結果はアメリカで行われたものなので、日本人に必ずしも当てはまるとは限りません。
しかし、目安としてこのくらいの睡眠時間を確保できるよう、就寝時間・起床時間を調節してあげてもいいでしょう。しっかりと夜に眠ることが、お昼寝をしなくても日中過ごしていられる体力作りに繋がります。
1日に必要な睡眠時間をとれたとしても、子供によっては日中も眠くなってしまうことがあります。そうはいっても、小学生になればお昼寝をする機会が減っていき、自然とお昼寝を卒業できるものです。就学前を目安に、1時間ずつお昼寝の時間を減らすなど、ゆっくり体を慣らしてあげることも必要ですね。
幼児のお昼寝をいつまで続けるかは成長に合わせて
幼児のお昼寝をいつまで続けるかは、子供の成長に合わせて調整してあげましょう。お昼寝をさせないようにするよりも、夜に質の良い睡眠をしっかり取らせてあげることで、自然とお昼寝が減っていきます。
ただし、お昼寝を卒業していたとしても、眠たそうな様子が見られたときは短時間寝かせてあげるなど、その時々で臨機応変に対応してあげてくださいね。