一般的に、高温期7日目頃になると着床が起こる可能性があるといわれるので、「高温期6日目に着床が始まることもあるのでは?」と期待する人もいるでしょう。妊活中はできるだけ早く妊娠したかどうかを知りたいので、日々の体の変化が気になりますよね。今回は高温期6日目に、下腹部痛や吐き気、体温が下がるなどの症状が見られたときの原因や、妊娠検査薬で陽性反応が現れるのかなどについてご説明します。
高温期6日目の体はどんな状態?着床の可能性は?
一般的に排卵は低温期から高温期に切り替わる数日の間に起こると考えられています。そのため、高温期に変わる1日前に排卵が起こっていた場合、高温期6日目は排卵してから6日が過ぎています。
受精卵は6〜7日ほどで着床するといわれているので(※1)、排卵日に受精が成立していた場合、高温期6日目には人によっては着床が始まっている可能性も十分にあり得ます。
まだ着床が始まっていない場合、高温期6日目の受精卵は「胚盤胞」にまで成長していて、子宮腔内にプカプカと浮かびながら子宮内膜に着床するタイミングを見計らっている状態です。
高温期6日目に妊娠初期症状は現れる?
高温期6日目に着床が起きていれば、体内のホルモンバランスが急激に変化しはじめるので、妊娠初期症状が現れることもあります。この着床のタイミングで現れる妊娠初期症状を、俗に「妊娠超初期症状」と呼びます。
この時期の妊娠超初期症状として現れやすいのは、着床痛と着床出血です。これらの症状は医学的に詳しく解明されてはいませんが、受精卵が子宮内膜に潜り込んで着床するときに子宮内膜の組織が傷つけられることが原因で、痛みや出血が現れると考えられています。
ほかにも、熱っぽい、胸が張る、吐き気、頭痛、腰痛、おりものの変化などが現れることもあります。ただし、生理前特有の症状と見分けがつきにくいので、これらの症状が見られても妊娠していない可能性はあります。
逆に、妊娠超初期症状には個人差があり、「症状が全然ないのに妊娠していた」という人もいます。
妊娠初期症状だけで妊娠しているかどうかを確認するのは難しいので、あまり気にしすぎないことをおすすめします。
高温期6日目に体温が下がるのは妊娠の兆候?
高温期に一時的に体温が下がる現象を「インプランテーションディップ」といいます。
このインプランテーションディップも、着床痛や着床出血と同様、医学的にはっきりとした根拠はありません。しかし、着床が起きるタイミングで一時的に基礎体温が下がった経験をした人がいることから、インプランテーションディップは妊娠兆候だと考えられています。
妊娠6日目に基礎体温が下がった場合は、時期的にインプランテーションディップの可能性はあります。
しかし、基礎体温の変化は単純な基礎体温の計測ミスの可能性も考えられるほか、一度下がった基礎体温が戻らずそのまま低温期が続く場合は「黄体機能不全」を起こしていることもあります。
黄体機能不全とは、プロゲステロンやエストロゲンというホルモンを分泌する黄体がうまく機能せず、受精卵を着床させるために厚くなるはずの子宮内膜が十分に発達しなくなる病気です(※2)。
黄体機能不全では、「高温期が10日目まで続かない」、「低温期と高温期の基礎体温の差が0.3度以下」という特徴的な症状が現れるので、これらの症状が数周期見られるようなら病院を受診しましょう。
高温期6日目にフライングの妊娠検査薬で陽性反応が出ることはある?
高温期6日目に着床が起きるなら、「妊娠検査薬を使えば陽性反応が出るの?」と考えるかもしれませんね。しかし、妊娠検査薬は着床によって分泌される「hCG」というホルモンを検出する仕組みで、この数値が一定以上増えないと陽性反応は現れません(※1)。
市販の妊娠検査薬の多くは、尿中のhCG値が50mIU/mL以上の場合に陽性反応が現れる仕組みになっているのですが、高温期6日目時点では50mIU/mLに達することは少ないと考えられています。
そのため、妊娠検査薬でフライング検査をしても、高温期6日目時点では陽性反応が現れる可能性は低いといえます。
一般的な妊娠検査薬の場合、正確に調べるためには、生理予定日の1週間後(高温期21日目)以降に使うようにしてください。
高温期6日目も焦らずに経過を見よう
高温期6日目は、受精していたとしても、まだ着床が始まって間もない時期です。体の変化だけで妊娠しているかどうかを見分けるのは難しいので、焦らないでくださいね。
妊娠検査薬で陽性反応が現れるようになるまでは、体の変化に一喜一憂せず、リラックスして待ちましょう。