子供によく見られるトラブルに「中耳炎」があります。保育園・幼稚園のプールで「耳に水が入ってしまっても大丈夫なの?」と心配するママも多いと思います。また、長期のお休みなどで帰省や家族旅行の予定がある場合、「飛行機に乗ってもいいの?」ということも気になりますよね。今回は、子供が中耳炎にかかった場合のプール、飛行機対策についてご説明します。
子供の中耳炎とは?
耳の奥には鼓膜があり、鼓膜のさらに先にある「中耳」と呼ばれる空間が炎症を起こしている状態が「中耳炎」です。子供の場合、風邪をこじらせて、細菌やウイルスが鼻や口を経由して中耳内へ侵入し、中耳炎を発症することがよくあります。
風邪や鼻炎によって起こるものに「急性中耳炎」と「滲出性中耳炎」があり、それぞれ症状が異なります。下記の症状が見られたら、できるだけ早く耳鼻科を受診しましょう。
急性中耳炎
急性中耳炎にかかると、鼻水やのどの痛みが現れ、咳が出るほか、高熱が出て耳の奥が痛くなります。耳から黄色い膿(耳だれ)が出るのも一つのサインです。
外見上はわかりにくいですが、子供がしきりに耳を触ったり、首を振ったりしているときは、急性中耳炎の可能性があります。
滲出性中耳炎
滲出性中耳炎の場合、耳の痛みや発熱といった症状がほとんどありません。耳の中の粘膜からにじみ出た滲出液が中耳に溜まり、耳の中がつまった感じがしたり、聞こえにくくなったりします。
発見が遅れて症状が悪化すると難聴を引き起こす恐れがあるので、注意が必要です。名前を呼んでも子供がすぐに振り向かない、テレビをつけると近づいて見るなど、耳が聞こえにくそうな様子があれば、滲出性中耳炎の可能性があります。
中耳炎になったら、プールはいつから入れる?
熱や痛みが治まった後も、保育園や幼稚園、小学校のプールに入るのはしばらく控えましょう。
プールの水は塩素消毒されているので、塩素が耳や鼻の粘膜を刺激し、中耳炎の治りが遅れてしまう可能性があります。また、特に急性中耳炎は炎症が強いので、プールの中で激しく体を動かすと、症状が悪化する恐れもあります。
ただし、軽度の滲出性中耳炎で、ほとんど炎症などの症状がない場合、医師からの許可があればプールに入れることもあります。まずは病院で診察を受け、医師の指示を仰いでくださいね。自己判断は禁物です。
子供が中耳炎になってもお風呂に入れるの?
熱や耳の痛みが治まっていれば、いつもどおりお風呂に入っても問題ありません。耳の中にお湯が入っても中耳炎が悪化することはあまりありませんが、症状によっても異なるため、念のため耳鼻科で適切な対応について確認しておくと安心です。
高熱がある、耳の痛みが強い、耳だれが出る、といった状態のときは入浴を控えましょう。
子供は中耳炎でも飛行機に乗っても大丈夫?
帰省や家族旅行など、飛行機移動を控えているタイミングで子供が中耳炎になってしまうこともあるかもしれません。中耳炎の症状がひどく、膿が出ているなど、通院が必要な状態であれば、子供を飛行機に乗せることは避けた方が無難です。
赤ちゃんや子供は、耳管が未熟なため、正常な状態であっても、飛行機に乗ったときにツーンとする耳の痛みを強く感じやすいといわれています。中耳炎が起きている場合、あくびをしたり、唾を飲みこんだりしても、うまく耳抜きできず、さらに痛みが強くなることも。
中耳炎の程度や、飛行機に乗る時間の長さによっても違うため、飛行機に乗る予定がある場合はまず医師に相談しましょう。
中耳炎で飛行機に乗るときの対策は?
中耳炎の症状が軽かったり、ほぼ治りかけているのであれば、飛行機に乗る許可が医師から出ることもあります。その場合でも、なるべく子供がつらい思いをしないよう、対策をしてあげたいですね。
一般的に、大人が飛行機に乗るときに試してみることと同じですが、次のような方法で耳の痛みを防ぐと良いでしょう。
・飴やガム、ラムネなどを食べさせて唾液を出す
・あくびをして、耳抜きをする
・飛行機用の耳栓をする
子供が中耳炎になる前に予防を徹底しよう
中耳炎になってしまうと日常生活にも不自由が出て、子供にもつらい思いをさせてしまいます。普段から風邪予防を心がけ、風邪をひいたときには鼻水をこまめに吸ってあげるなど、中耳炎にならないように気をつけてあげてくださいね。
もし中耳炎になってしまったら、完全に治るまでは無理をさせないことが大切です。熱や痛みがなくなれば子供は何事もなかったように元気に遊び始めますが、ときどき休憩を取らせるなどママやパパがケアしてあげましょう。
プールや飛行機での旅行といったレジャーは、中耳炎をしっかり治してから楽しんでくださいね。