「赤ちゃんの耳が臭いなあ」と感じたことはありませんか?まだまだ小さい耳ですが、大人同様に汚れが溜まってしまうので、嫌な臭いがすることもあります。そんなときは耳掃除をしてあげたほうが良いのでしょうか?また、耳が臭いだけでなく、耳だれが出ているときは病気のサインかもしれません。今回は、赤ちゃんの耳が臭いときの原因と対処法や、耳だれが出る病気についてご紹介します。
赤ちゃんの耳が臭い原因は?新生児も臭いの?
赤ちゃんの耳が臭いと、「体のどこかがおかしいのかな?」とつい心配になってしまうかもしれません。しかし、赤ちゃんの耳は、大人の耳に比べて通気が良くないため臭くなりやすく、新生児でも耳が臭いのはよくあることです。
主な理由は以下の通りですが、赤ちゃんの機嫌が良く、耳が臭いこと以外の症状が見られない場合は基本的には病気ではないと考えられます。
新陳代謝が活発
赤ちゃんは大人より新陳代謝が活発で、耳垢が溜まりやすくなっています。耳垢が溜まるほどに、強いにおいを発する傾向にあります。
また、月齢が低い頃は、お腹にいたときの羊水が耳の中に残っていて、黒い耳垢になっていることも。これは病気ではなく生理的なものなので、放っておけば自然に出てきますよ。
どうしても気になる場合は、1ヶ月検診時に医師に相談をし、必要があれば耳鼻科で耳の掃除をして取り出してもらいましょう。
涙やよだれなどが耳に流れ込む
赤ちゃんは仰向けで寝そべっている時間が長いので、涙やよだれが耳に入りやすくなっています。また、授乳の最中や授乳後に、母乳やミルクが口からこぼれて、耳に流れ込むこともあります。
このようにさまざまなものが耳に入り込むことで、耳垢が蒸れて、耳から異臭がする原因に。よだれや涙、母乳、ミルクが耳に流れ込む前に拭き取るようにすれば、自然と臭いは治まっていきますよ。
向き癖で耳が蒸れる
どちらか一方だけを向いてしまう「向き癖」がついていると、下になった方の耳で溜まった耳垢が蒸れて、においを発しやすくなります。
耳垢が蒸れるのを防ぐために、向き癖とは逆の方向を向かせても良いでしょう。赤ちゃんは光や音がある方を向くことがあるので、ベビーベッドのメリーの位置をときどき変えたり、ママが添い寝するときに左右交互に毎回寝る位置を変えたりすると、向き癖と逆の方向を向くようになりますよ。
赤ちゃんの耳が臭いときは耳掃除をするべき?
耳が臭い原因が耳の中の汚れであれば、きれいに掃除してあげたいと思いますよね。しかし、赤ちゃんの耳掃除をするのにはいくつかのリスクがあります。
綿棒を使うと、耳垢を奥へ押し込んでしまう可能性がありますし、鼓膜までの距離が大人と比べて非常に短いため、鼓膜を傷つけるリスクもあります。あまり頻繁に耳掃除をしてしまうと、外耳道(耳の入り口から鼓膜までの管)が傷ついてしまい、外耳炎になることも。
そもそも耳垢には、耳の皮膚の乾燥を防ぐ、耳に入ってくるホコリやごみを吸着する、そして細菌の増殖を抑えるという大切な役割があります。耳垢は放っておいても自然に出てくるので、耳垢の臭いが気になるからといって無理に耳掃除をする必要はありません。
どうしても汚れやにおいが気になるという場合は、耳鼻科で耳掃除をしてもらいましょう。普段は、お風呂あがりにタオルや綿棒で耳の入り口付近を拭いてあげるくらいにしてあげてくださいね。
赤ちゃんの「耳が臭い+耳だれ」は中耳炎かも?
赤ちゃんの耳が臭く、耳から黄色い液体(耳だれ)が出ているときは、中耳炎の可能性があります。
中耳炎は小学校入学までに60〜70%の子供がかかるといわれています。特に3歳までの子供がかかりやすく、その多くは風邪と併発します(※1)。症状としては耳だれ以外に、鼻水、発熱や耳の痛みによる不機嫌があります。
ただし、赤ちゃんは中耳炎にかかっても、自分に起こっている症状を言葉で説明できません。そのため、機嫌が悪くなったり耳を頻繁に触ったりして、体の異変を伝えます。
耳だれなど、中耳炎らしき症状が見られたら、すぐに耳鼻科を受診しましょう。医師の診断により、抗生物質で治療を行うこともあります。症状がひどい場合には鼓膜を切って膿を出す手術を行うこともありますが、鼓膜は数日で再生するので、耳が聞こえなくなるというようなことはありませんよ(※1)。
また、中耳炎以外に耳だれが出る病気には、先に紹介した「外耳炎」、鼓膜に炎症が起こる「鼓膜炎」などがあります(※2)。耳だれを放置しておくと、かゆみや痛みを引き起こすこともあります。
耳だれの原因を特定するうえでも、耳だれが見られたらすぐに耳鼻科を受診することをおすすめします。
赤ちゃんの耳が臭いときは、落ち着いて対処しよう
赤ちゃんの耳が臭いと、耳垢をついつい取りたくなりますが、自己判断で耳掃除するのは避けたほうが良いでしょう。耳垢は自然に出てくるので、耳の中に耳垢が見えても過度に心配する必要はありません。
普段から赤ちゃんをよく観察して、耳が臭いうえに耳だれが出ている、痛そうに耳を頻繁に触っている、機嫌が悪くて泣いたり、手足をバタバタさせたりするなどの症状が見られれば、病院を受診するようにしてください。