ふと赤ちゃんの耳の中を覗いたときに、耳垢がベタベタと湿っていたら、「何かおかしいのかな?」と心配になりますよね。いったい何が原因で、赤ちゃんの耳垢は湿るのでしょうか?今回は赤ちゃんの耳垢が湿っている原因と対処法についてご紹介します。
赤ちゃんの耳垢がベタベタで湿っているのは何が原因?
赤ちゃんの耳の中を見てみると、耳垢が溜まっていることはよくありますが、ベタベタして湿っているとびっくりしますよね。原因はいくつかありますが、多くの場合は成長の過程で起こることなので、過度に心配する必要はありません。
よだれやミルクが耳に入る
赤ちゃんは仰向けになっている時間が長く、涙やよだれが耳の中に入りやすくなっています。また、授乳中や授乳後に、口に入っているミルクや母乳がこぼれ出て耳に流れ込むと、耳垢がベタベタになり、湿っているように見えるのです。
対処法は、よだれやミルクが耳に入らないように拭き取ること。授乳後はミルクや母乳を吐き戻していないかチェックし、泣いて涙が出ているときや、よだれが口からあふれて出ているときはこまめに拭き取ってあげてください。
向き癖で耳が蒸れる
向き癖で赤ちゃんがいつも同じ方向ばかり見ていると、下になったほうの耳は常にフタをされているような状態になります。こうなると、耳の中が蒸れて耳垢も湿ってしまいます。
同じ方向ばかりを向く癖がつかないように、赤ちゃんが向いている方向とは逆側から声がけをしたり、好きなおもちゃの音を鳴らしたりして、定期的に顔の向き変えてあげましょう。頭の形にも影響するので、向き癖が強いときは対処してあげてくださいね。
もともとの体質
体質によって、耳垢が乾いているタイプと湿っているタイプに分かれます。日本人は乾いているタイプが多いものの、耳垢が湿った体質の赤ちゃんもいます。
中耳炎
耳垢が湿っていて、耳の中から黄色い液体(耳だれ)が出てきたら、中耳炎にかかっている可能性があります。中耳炎とは、鼓膜と内耳の間にある中耳が、細菌やウイルスの侵入により炎症を起こしている状態のことです(※1)。
中耳炎は風邪とセットで発症しやすい病気で、中耳炎にかかると、耳だれ以外に発熱や耳の痛みといった症状が現れます。しかし赤ちゃんはまだ言葉が話せないので、しきりに泣いたり、耳を頻繁に触ったりして、体で異変が起こっていることを伝えてきます。
中耳炎が疑われる症状が現れたら、すぐに病院を受診しましょう。
赤ちゃんの耳垢が湿っていたら耳掃除は?
赤ちゃんの耳垢がベタベタで湿っていると、ついつい耳掃除をしてキレイにしてあげたくなりますよね。しかし、赤ちゃんへの耳掃除にはいくつかのリスクがあり、無理をしないのが基本です。
たとえば、綿棒で耳の中をキレイにしようとすると、耳垢を奥に押し込んでしまうことがあります。また、頻繁に耳掃除をすると、外耳道(耳の入り口から鼓膜までの管)を傷つけてしまい、外耳炎になる可能性が高まります(※2)。
赤ちゃんの耳垢は、放っておいても自然に出てくるので、無理に耳掃除をしなくても大丈夫です。どうしても耳垢が気になる場合は、耳鼻科で耳の掃除をしてもらいましょう。
普段の赤ちゃんの耳ケアとしては、お風呂上がりに耳の入り口付近をガーゼや綿棒でキレイにしてあげる程度で構いませんよ。
赤ちゃんの耳垢がベタベタで湿っているとワキガになりやすい?
体質的に耳垢が湿っている赤ちゃんは、ワキガになりやすいといわれています。その理由はアポクリン汗腺にあります。アポクリン汗腺とは耳の中や脇の下、陰部、肛門などにある、汗を分泌する腺です。
一般的に、耳垢が湿る人は耳の中のアポクリン汗腺が多く、また、ワキガの人は脇の下のアポクリン汗腺が多いのです(※3)。このことから「耳の中のアポクリン汗腺が多い人は、脇の下のアポクリン汗腺も多い」という傾向にあり、耳垢が湿っているとワキガの可能性が高いといわれています。
しかし、赤ちゃんの耳垢が湿っていたら必ずワキガになるというわけではありません。あまり心配しすぎず、大きな心持ちで赤ちゃんの成長を見守ってあげてくださいね。
赤ちゃんの耳垢がベタベタで湿っている状態が続いたら、耳鼻科へ相談を
赤ちゃんの耳がベタベタ湿っている原因はさまざまです。ほとんどが心配のいらないもので、成長の過程で気にならなくなります。ただし、なかには病気が原因の場合もあるので、湿った耳垢以外にも発熱や耳を頻繁に触るなどの症状が見られたら、一度耳鼻科を受診しましょう。
赤ちゃんの耳に異常がないかを確認してもらったうえで、どんなケアをしてあげればいいかを聞いてみてください。耳垢のことで病院に行っていいものかと感じる人もいるかもしれませんが、医師はきちんと対応してくれるので安心してくださいね。