毎月やってくる生理の時期は、生理痛をはじめ、心身ともにつらい症状が出やすいですよね。生理痛を和らげる方法には様々なものがありますが、アロマテラピーもその一つです。今回は、アロマテラピーで生理痛を和らげる方法やおすすめの精油をご紹介します。
そもそも生理痛って、なぜ起こるの?
女性の子宮は、妊娠するために大切な器官です。子宮のなかにある子宮内膜は、受精卵が着床しやすいように毎月定期的に分厚く変化し、フカフカのベッドのような状態になります(※1)。
しかし、受精や着床をしなかった場合、不要になった子宮内膜は剥がれ落ち、体外へ排出されます。これが生理です。
この過程でプロスタグランジンというホルモンが生成され、経血の排出のために子宮が収縮したり、血流が低下したりすることで、下腹部痛や腹痛が起こります(※1)。
生理痛の程度や症状には個人差があり、ほとんど痛みを感じない人もいれば、寝込んでしまうほど重い痛みを伴う人もいます。一般的に、体が冷えると血液の排出がスムーズにいかず、そのぶん子宮の収縮が強まるため、生理痛が起こりやすくなるといわれています。
生理痛にアロマテラピーが効くって本当?
一般的に「アロマ」とは、「アロマテラピー」を意味し、植物から抽出した精油(エッセンシャルオイル)を用いた芳香療法のことです。
アロマテラピーでは、心身のリラックス・リフレッシュ、体や精神の不調の改善、健康の増進といったことを目的に香りを楽しみます。
アロマテラピーによって生理痛が和らぐかどうかについて、医学的な根拠はありません。しかし、鎮静作用やリラックス効果が期待できる精油を使ってアロマテラピーを行うことで、生理による痛みや不調が緩和されることもあると考えられています。
実際に、重い生理痛に悩まされている助産学生・看護学生を対象に行われたトルコでの実験では、ラベンダー精油を使ったアロマテラピーマッサージによって、生理痛の痛みの強さが軽減したという結果も報告されています(※2)。
また、精油の香りをかぐことで気持ちが落ち着いて、生理中の情緒不安定な状態やイライラが解消されることもあります。
生理痛を和らげるアロマの種類と効果は?
ここでは、アロマテラピーでよく用いられ、生理痛の緩和やリラックス効果も期待できる精油をご紹介します(※3)。
ラベンダー
・やさしい香り
・鎮静作用がありストレスや緊張を和らげる
ペパーミント
・すっきりとした香り
・ストレスや神経疲労を和らげる
オレンジ・スイート
・甘酸っぱい香り
・神経の緊張を緩め、安眠にもよい
この他に、イランイラン、クラリセージ、ゼラニウム、マジョラムスイート、ヤロウブルー、ローズといった精油も、生理の不調を緩和する働きがあるといわれることがあります。
生理中にアロマテラピーを行う方法は?
生理痛を緩和するためにアロマテラピーを行うときは、以下の方法がおすすめです。
● 入浴時、浴槽に精油(エッセンシャルオイル)を2~5滴たらして入浴する(柑橘系、クローブ、ペパーミント、レモングラスの精油は皮膚に刺激を与えるおそれがあるため、量を少なめにする)
● アロマポットに精油を1~2滴たらして温める
● マッサージ用のオイル(キャリアオイル)に精油をブレンドし、痛い部分をやさしくマッサージする
アロマテラピーは自然療法なので、苦手な香りを無理にかぐ必要はありません。自分にとって心地よいと感じられる香りの精油を用いてくださいね。
お気に入りの精油やアロマテラピーの方法を見つけたら、生理のときだけでなく、生理前のPMS症状や生理後の不調を緩和するために使ってみるのもおすすめです。
生理痛で精油を使うときの注意点は?
生理痛の緩和を目的に精油を使うときに注意したいのは、肌への影響です。精油は刺激が強いため、肌に直接つけてはいけません。皮膚についたときはすぐに水で洗い流してください。マッサージをするときは、キャリアオイルで希釈してから使いましょう。
生理中は肌が敏感になっているので、普段は問題がなくても、精油を使うことでかゆみや発疹などが出ることがあります。肌トラブルを避けるためにも、事前にパッチテストを行うようにしましょう。
また、生理による痛みの程度や感じ方には個人差があるため、アロマテラピーを行っても生理痛が緩和されないこともあります。
生理痛が毎回重い場合には、子宮筋腫や子宮内膜症などが原因になっていることもあるので、まずは婦人科で治療法や痛みの対処法を相談したうえで、アロマテラピーによる自然療法を試すようにしましょう。
アロマテラピーで生理痛を緩和しよう
香りを楽しみながら生理痛を和らげてくれるアロマテラピーはリラックス効果もあるため、生理中のイライラや落ち込みなどにも効果的です。
生理痛でつらいときは、即効性がある市販の鎮痛剤に頼るのも一つの方法ですが、体に無理なく自然の力で体調を改善するアロマテラピーを試してみてはいかがでしょうか。
ただし、前述の通りアロマテラピーによる生理痛の緩和効果には個人差があるため、あまり効果を感じられないときは、ほかの方法を探したり婦人科で相談したりしてください。
自分にあった痛みの緩和方法を見つけて、生理期間を快適に過ごせるといいですね。