生理中の腹痛の原因は?解消法や予防法もある?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターを経て、板橋中央総合病院に勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救急診療、分... 監修記事一覧へ

生理中に腹痛を感じるという女性は、とても多くいます。生理は毎月あるものなので、生理のたびに腹痛に悩まされるのはつらいですよね。そこで今回は、生理中に腹痛が起こる原因や解消法をご説明します。つらい症状が、少しでも和らげられるといいですね。

生理中の腹痛の原因とは?

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生理中の腹痛は、「生理痛」と呼ばれ、多くの女性が悩まされています。特に、10~20代の女性に多くみられ、強い痛みは1日前後で治まることがほとんどです。

生理中の腹痛の原因には、下記のようなものがあります。

プロスタグランジンの影響

「プロスタグランジン」とは、生理中に多く分泌される物質です。生理の経血の排出をスムーズにするために、子宮の収縮を促す作用があります。

生理中の腹痛の正体は、ほとんどがこの「プロスタグランジン」によって起こる子宮の収縮です(※1)。

プロスタグランジンの分泌量には個人差がありますが、分泌量が多ければ多いほど子宮の収縮が強くなり、腹痛を感じやすくなります。

心理的要因

不安感や精神的な不安定によって、生理中の腹痛が強まることもあります(※2)。

これは特に、初潮が来たばかりの人にみられる原因です。生理に対していいイメージを持てず、不安に感じている人にみられます。

生理で腹痛がつらいときの解消法は?

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生理中に腹痛がつらいときは、下記のような方法で痛みが和らぐこともあります。

お腹をあたためる

生理中の腹痛の主な原因であるプロスタグランジンは、体が冷えて経血の排出がスムーズに進まないと、過剰に分泌されるといわれています。

そのため、生理中の腹痛がつらいときは、お腹の周りを適度にあたためましょう。腹巻をする、カイロをあてる、温かい飲み物を飲むなどの対策を行うのがおすすめです。

冬だけでなく夏も、冷房などで体は意外と冷えています。ひざ掛けをかけたり、冷房が直接当たらないようにしたりと、工夫をしてみてください。

鎮痛剤を服用する

生理中の腹痛には、プロスタグランジンの分泌を抑える鎮痛剤を服用するのもいいでしょう。

「薬を飲みすぎると効かなくなってしまう」などと思って、鎮痛剤を飲まずに我慢している人も多いようですが、月に数回程度なら飲んでも特に害はありませんし、それだけで薬が効かなくなってしまうこともありません(※2)。

鎮痛剤は、服用してから効き目があらわれるまでに時間がかかるので、できる限り早く飲むのがポイントです。毎月の生理のたびに腹痛があるような人は、痛みが現れていなくても、生理がきた段階で服用してもいいでしょう。

ゆっくり休む

生理中の腹痛は、横になるなどして休むだけでも症状が軽減されることがあります。痛みを感じたら、無理をせずに休むのもひとつの手です。

生理中はいつもよりゆっくりとすごし、自分をいたわってあげてくださいね。

生理中の腹痛の予防法は?

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生理中の腹痛を予防するには、日頃の生活リズムを整えることが大切です。不規則な生活や不摂生が続いていると、ホルモンバランスの乱れにつながり、生理中の腹痛が悪化してしまう可能性があります。

睡眠をしっかりとる、栄養バランスのとれた食事をとる、適度な運動をする、趣味の時間やリラックスタイムを設けるなど、自分を大切にできる生活を送るようにしましょう。

生活の全てを改めるのは難しいと思うので、見直せるところから少しずつ見直してみてくださいね。

生理中の腹痛は病気の可能性もある?

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生理中の腹痛は、プロスタグランジンなどが原因であれば心配する必要はありません。しかし、あまりにも痛みがひどいときや、痛みがどんどんひどくなるようなときは、裏に病気が隠れている可能性もあります。

生理中に腹痛がひどくなる病気としては、下記のようなものがあります(※2)。

子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮にできる良性の腫瘍のことです。性成熟期の女性の20~40%に存在するといわれています(※3)。

発症しても自覚症状がないことも多いですが、生理中に強い下腹部痛や腰痛が起こることがあります。その他にも、不正出血や膀胱の圧迫感、便秘、月経血やおりもの量の増加などが、症状としてあらわれることもあります。

症状がない場合は経過を観察していきますが、腫瘍が大きく、症状がひどいときは、薬の服用や手術などで治療を行うこともあります。

子宮内膜症

子宮内膜症とは、本来子宮のなかにしかないはずの子宮内膜が、子宮以外の場所にできてしまう病気です。生殖可能年齢の女性の、約10%に発症するといわれています(※3)。

子宮内膜症の症状は、できる場所や癒着の程度などによって様々ですが、生理中の強い腹痛のほか、腰痛や下腹部痛、排便痛、性交痛、排尿痛、生理中の発熱などがあります。

手術や薬の服用などで治療を行いますが、その方法は、症状の進行度や年齢、妊娠希望の有無などによって決められます。

生理で腹痛がひどいときは病院の受診も考えて

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生理中の腹痛は、毎月のことだからと我慢しがちです。今回ご説明した対策や予防法で解消すれば問題ないですが、それでも痛いときは、病院を受診しましょう。

病院で検査をして、病気が見つかれば治療を行えますし、みつからなくても、鎮痛剤やピルなどの処方や、生理痛に関するアドバイスをもらえることもあります。

ピルには抵抗があるという人も多いかもしれませんが、症状が強い人は、医師のアドバイスのもと、適切に使用することで、生活が大きく変わる可能性もあります。「生理痛くらい」と軽く考えず、気軽に相談してみてくださいね。

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