産後の膝の痛みの原因と対処法は?【妊産婦専門の整体師監修】

監修専門家 マタニティ、婦人科系専門の施術家 湯川 優
湯川 優 累計4万件施術。妊産婦さんは去年1000件施術。柔道整復師(国家資格)取得後、大学院にて研究を行い、整形外科勤務を経て整体院開院。施術したアスリートが世界一や日本一に輝き、現在はマタニティを専門としな... 監修記事一覧へ

出産前は何ともなかったのに、「産後に膝の痛みに悩まされるようになった…」というママは意外に多くいるようです。なぜ産後に、膝が痛みやすくなってしまうのでしょうか。育児に集中するためにも、早めに原因を突き止めて、しっかりと対策したいですよね。妊産婦のケアを得意とする整体師が、産後の膝の痛みの原因と対処法についてご説明します。

産後の膝の痛みとは?どんな症状が出るの?

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産後の膝の痛みとして「産後しばらくしてから、膝が痛むようになった」「膝が痛んで階段の昇り降りがつらい」「しゃがんでから立ち上がると膝が痛くてつらい」といった症状を訴えるママが多くいます。

妊娠前や妊娠中は痛みを感じなかったのに、産後に急に膝に痛みを感じるようになる人が多く見られます。

産後の膝の痛みの原因は?

抱っこ

産後に膝の痛みは、主に次のような原因によって起こると考えられています。

出産による骨盤の歪み

出産に向けて骨盤と産道を広げるために、妊娠中はリラキシンというホルモンが分泌されます。

リラキシンによって靱帯や関節がゆるむことで、分娩時に赤ちゃんがスムーズに産道を通れるようになります。

出産後、3ヶ月ほどでリラキシンの分泌は止まります。骨盤や関節はしばらく不安定な状態で、グラグラとゆるんだままです。

そんなときに、赤ちゃんのお世話や家事に追われることで膝や腰に負担がかかり、膝に痛みを感じやすくなるのです。

育児による膝の負担

首のすわっていない赤ちゃんを抱っこするときに前かがみになったり、赤ちゃんを抱っこしたまま何かを取ろうとしたりすると、無理な体勢を取らざるをえません。

大半のママは意識していませんが、育児をしていると、産前とは違う動きをするようになります。

特に、立ったり座ったりするのが面倒で、つい、膝歩きをしてしまう人もいるのではないでしょうか。膝歩きをすると膝がねじれやすく負担もかかり、痛みにつながってしまうことがあります。

妊娠中の体重増加

妊娠中に体重が増加することで、知らず知らずのうちに膝に負担がかかっています。その負担が、産後の膝に痛みを引き起こすことがあります。

産後に膝の痛みを感じたら、上記のいずれかが原因となっていることが多いので、しっかりと対処していきましょう。

産後の膝の痛みの対処法は?

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産後の膝の痛みを悪化させないためには、日頃の生活を変えることがポイントです。

「和」の生活を「洋」に変える

  • 布団ではなく、ベッドに寝る
  • 外出先でのトイレは、洋式トイレを利用する
  • 拭き掃除は雑巾がけでなく、モップなどを利用する
  • 浴室では、椅子に座って体を洗う
  • 日頃から床に座らず、テーブルや椅子を利用する

その他にも、横座りや足を組む、膝を深く曲げるといった姿勢は膝に負担がかかります。姿勢に注意しながら生活することも大切です。

不足しがちな栄養を積極的に摂る

膝の痛みの改善には、栄養バランスのよい食事による軟骨や筋肉への栄養補給も大切です(※1)。

軟骨の材料となるコラーゲン・コンドロイチン硫酸・グルコサミンを積極的に摂るように心がけましょう。これらの栄養素は、下記の食材に多く含まれています。

  • コラーゲン:魚の皮や鶏の手羽、砂肝など
  • コンドロイチン硫酸:やまいも、オクラ、海藻
  • グルコサミン:エビやカニなどの甲殻類

コンドロイチン硫酸はいわゆるネバネバ食材で、たんぱく質と結びついて軟骨や靭帯の材料になります。また、グルコサミンはコンドロイチン硫酸といっしょに摂ると効果的です。

これらの食材を積極的に食卓に取り入れたり、むずかしいときは、サプリメントを上手に活用するのも一つの手です。

予防のエクササイズをする

太ももの前面にある「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」を鍛えることで、膝の痛みを予防することができます。

テレビを見ながら簡単にできるエクササイズもあるので、普段の生活の中で行ってみてください。

膝の軽い運動をする

  1. 椅子に座る
  2. 無理のない範囲で片膝ずつ、ゆっくり曲げ伸ばしをする

産後に膝が痛いとき病院に行く目安は?

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産後に膝が痛くなったら、できるだけ早く病院を受診しましょう。

膝の痛みをかばいながら育児を続けると、膝以外の部位にも支障をきたす可能性があります。

膝の痛みがひどい場合、整形外科を受診すると痛みを取り除く注射をしてもらえたり、痛み止めを処方してもらえたりします。

母乳を与えている間はその旨を伝えて、授乳中でも服用できる薬を処方してもらいましょう。

また、全身の骨格矯正や骨盤矯正をしてもらうために、整体へ行くのもおすすめです。

すぐに受診すべき産後の膝の痛みは?

前述の原因以外で、産後に膝の痛みが出るケースもあります。膝の痛みとともに次の症状が現れたときは、すぐに病院を受診しましょう。

  • 熱がいつまでも下がらない
  • 全身がだるく、こわばる痛みがある
  • あざや赤い発疹ができる
  • 痛みで夜中に起きてしまう、眠れない

膝の痛みに加えて、これらの症状があるときは、「膠原病」などの可能性があります。

膠原病は、一つの病気の名前ではなく、血管や皮膚、筋肉などの組織に炎症が起こり、全身に障害が出る自己免疫性の病気の総称です(※2)。

膠原病の原因はまだわかっていませんが、妊娠・出産がきっかけで発症することがあるとされています。

関節の痛み、腫れ、こわばりを感じたら、早めに病院を受診してください。

産後の膝の痛みは早めに治療をしよう

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産後の膝の痛みは辛いものですが、赤ちゃんのお世話に追われて、つい病院に行くタイミングを逃してしまいがちです。

膝の痛みが大したことないと思っていても、知らぬ間に痛みが増して、普段の生活や育児に支障をきたすこともあります。膝に痛みを感じたら早めに対処しましょう。

産後は膝の痛みだけでなく、腰痛や恥骨痛に悩まされる人も多くいます。

体の痛みをかばいながら育児をするのは精神的にもストレスがたまってしまうので、できるだけ早く病院を受診し、痛みを取り除くようにしてくださいね。

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