軽度の排卵障害があったり、タイミング法で妊娠しなかったりした場合、「クロミッド」という薬が処方されることがあります。クロミッドをうっかり飲み忘れてしまったり、服用期間中にお酒を飲んだりすると、効果は変わってしまうのでしょうか?今回は、クロミッドの適切な飲み方や、飲み忘れたときの対処法、お酒を控えるべきかなどをご説明します。
クロミッドの飲み方は?
クロミッドとは、排卵を促すための飲み薬です。1錠あたり50mgで、「クロミフェンクエン酸塩」を主成分としています。
通常、生理開始後5日目から、1日1錠(50mg)、5日間飲み続けるのを1クールとします(※1)。うまく効果が発揮されれば、クロミッドを飲むのをやめた数日後に排卵が起こります。
第1クールで排卵が見られない場合などは、医師の判断により「1日2錠(100mg)」に増量することもありますが、自己判断で飲む量を増やすことは絶対にしないでください(※1)。
なお、妊娠中のクロミッドの服用は、安全性が確立されていません。そのため、クロミッドを飲み始める前の1ヶ月間と、飲んでいる期間中は基礎体温を測り、低温期から高温期に移った場合はクロミッドを飲むのをやめて、妊娠しているかどうか確認することとされています(※1)。
クロミッドはどのぐらい飲み続けるの?
クロミッドは、「生理5日目から5日間飲み続けたあと、服用をやめる」のを1クールとして、一般的に3クール繰り返しても排卵が見られない場合、別の治療法への切り替えが必要となります(※1)。
もともと排卵が起こっていない「無排卵周期症」の人でも、クロミッドを飲むことで80~90%の確率で排卵を起こすことができます。
しかし、もしクロミッドで効果を得られなかった場合は、ホルモン注射による「ゴナドトロピン療法」など別の治療法を検討します(※2)。
クロミッドを飲み忘れたらどうする?
クロミッドは、医師から指示された服用量を5日間飲み続けることで効果を発揮します。しかし、「飲み忘れたまま次の日を迎えてしまった」ということもありえますよね。
基本的な対処法としては、「気づいたタイミングですぐに服用する」ことですが、次に飲む時間が近いときは、忘れた分は飲まないよう医師から指示されることもあります。
飲み忘れに気づいたタイミングによって、その場で飲むべきかどうか迷うこともあると思いますが、あわてて自己判断せず、担当医に相談する方が安心です。また、飲み忘れたからといって、2回分の量を一度に飲まないようにしましょう。
「朝ごはんを食べたあとにクロミッドを飲む」「毎日13時にアラームをかける」など、毎日できるだけ決まった時間に忘れずに飲めるよう工夫してみてくださいね。
クロミッド服用中、飲酒は控えるべき?
お酒を飲むことでクロミッドの効果がどうなるかは特に明らかになっておらず、クロミッドの製造販売元が示す「使用上の注意」には特に飲酒についての記述はありません(※1)。
しかし、妊娠を目指してクロミッドを飲んでいる場合、妊娠後に禁酒しなければならないことを考えると、クロミッド服用中からなるべくお酒は控え、体を慣らしていった方が良いともいえるかもしれません。
また、クロミッドとお酒の飲み合わせで体調が悪くなる可能性もゼロではないので、心配な場合は飲酒しない方が無難でしょう。
お酒による影響を考えすぎるあまり、治療中のストレスが溜まってしまうのもよくありませんが、過度な飲酒を控え、栄養バランスの良い食事や適度な運動を心がけるなど、妊娠しやすい体づくりに取り組みたいですね。
クロミッドを飲み忘れたら医師に相談を
妊娠を目指してクロミッドを飲んでいる人は特に、「飲み忘れてしまった、どうしよう!」と不安になってしまうこともあるかもしれません。迷ったときは落ち着いて、かかりつけの婦人科医に飲み方を相談しましょう。
クロミッドの効果をきちんと得るためにも、自分の判断で飲む量を変えたり、途中で飲むのをやめたりしないようにしてくださいね。