排卵障害とは?妊娠できる?排卵してない状態を改善するには?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年に山梨医科大学(現 山梨大学)医学部を卒業。板橋中央総合病院を経て、現在は沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターに勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救... 監修記事一覧へ

女性不妊の原因は様々ですが、そのうちの20~50%を「排卵障害」が占めるとされています(※1)。ただし、一口に排卵障害といっても、ホルモン分泌や卵巣機能など、問題が起きている部分は人によって異なります。今回は、排卵障害の主な原因や症状、治療、改善方法などをご説明します。

排卵障害とは?

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排卵とは、脳の視床下部や下垂体からのホルモン分泌によって卵巣のなかで卵胞が発育し、やがて成熟した卵胞の膜を破って、卵子が卵巣の外に飛び出すことをいいます。生理周期が整っている女性は、通常、約1ヶ月に1度起こります。

排卵障害とは、何らかの原因で脳の視床下部・下垂体、卵巣の機能などがうまく働かず、排卵が起こりにくくなる障害です。

妊娠するためには卵子と精子の受精が必要なので、そもそも排卵が起こらないと妊娠につながりません。排卵すると思われるタイミングに合わせて性交を行っても妊娠せず、婦人科で不妊検査を受けることで、排卵障害が見つかることがよくあります。

排卵障害の原因は?

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排卵障害が起きている原因として、主に次のようなものが考えられます(※1)。

過度のストレス・体重減少

過度のストレスがかかると、排卵に必要なホルモン分泌の指示を出す脳の視床下部・下垂体がうまく機能せず、排卵障害が起こることがあります。

また、過剰な運動や過激なダイエットにより痩せすぎてしまうと、やはり脳の視床下部・下垂体が障害を起こし、排卵障害の原因となることがあります。

高プロラクチン血症

プロラクチンは、出産後、母乳の分泌を促すために脳下垂体から分泌されるホルモンですが、脳の視床下部に障害が起きていたり、下垂体に腫瘍ができていたりすると、妊娠・出産に関係なくプロラクチンが過剰に分泌されてしまう「高プロラクチン血症」を発症することがあります。

高プロラクチン血症になると、排卵や生理が起こらなくなることがあります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」は、卵胞の発育が抑制され、十分に成熟しきっていない小さな卵胞が卵巣内にいくつも残ってしまい、うまく排卵できない病気です。

この病気が起こる原因ははっきりわかっていませんが、生理不順や不妊で病院を受診した結果、見つかることも多い病気です。

早発卵巣不全(早発閉経)

もともと卵巣内に卵胞が残っていなかったり、脳下垂体からのホルモン分泌に異常があったりすると、排卵が起こらなくなります。

40歳未満でこのような状態になると「早発卵巣不全(早発閉経)」と診断され、不妊の原因となります。

子宮内膜症

「子宮内膜症」は、子宮内膜に似た組織が、子宮以外のところで発生・増殖してしまう病気です。

子宮内膜症により、卵巣に「チョコレート嚢胞」ができたり、排卵が起こらないまま卵胞が黄体という組織に変わってしまう「黄体化未破裂卵胞」ができたりしてしまうことで、排卵障害が起こることがあります。

無月経や生理不順は排卵障害のサイン?

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排卵障害は不妊治療の一環で見つかることも多いのですが、月経が起こらない「無月経」や、生理周期がバラバラの「生理不順(月経不順)」などが排卵障害のサインになっていることもあります。

きちんと排卵が起こっている状態であれば、女性ホルモンも正常に分泌されるため、規則正しく生理が来ます。しかし排卵障害があると、生理周期が乱れたり、生理のときの出血量が多すぎたり少なすぎたりといった、月経異常が起こります(※1)。

生理に関する不調に気づいたら、できるだけ早く婦人科を受診しましょう。

排卵障害の検査方法は?

【740px】基礎体温表 ⑤一相性・高温期なのに体温が低い(無排卵)

排卵障害が疑われる場合、まず、基礎体温が高温期と低温期の二相に分かれているかどうかをチェックします。基礎体温グラフをつけてみて、上図のように低温期のまま体温が上がらない場合、排卵が起こっていない可能性があります(※1)。

また、脳下垂体から分泌される「黄体形成ホルモン(LH)」や「卵胞刺激ホルモン(FSH)」、「プロラクチン」などのホルモン値を測定し、異常がないかどうか診断を受けます。

ただし、これらだけでは排卵障害かどうかわからないこともあるので、二次検査として甲状腺機能や染色体を調べることもあります(※1)。

排卵障害の改善・治療方法は?

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排卵障害を改善・治療する方法は、原因によって異なります。

過度なストレスやダイエットによる体重減少が原因の場合、ストレスができるだけかからないようにしたり、栄養バランスのとれた食事を摂ったりと、生活習慣を改善することが大切です。

高プロラクチン血症や子宮内膜症などの病気が見つかった場合、それぞれの病気にあった治療法を受けることになります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や早発卵巣不全(早発閉経)が原因で排卵がうまく起こっていない場合、クロミッドやhMG注射、hCG注射などの排卵誘発剤を使って、排卵を促すこともあります。

排卵障害でも妊娠できる?

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排卵障害をそのままにしておくと妊娠は難しいですが、治療を行って排卵がうまく起こるようになれば、妊娠できる可能性は高まります。

不妊治療の最初のステップとしては、排卵誘発剤で排卵を起こし、タイミングをみて性交を行う「タイミング法」からスタートすることが一般的です。

タイミング法で妊娠が難しい場合には、人工授精や体外受精、顕微授精などの不妊治療法に切り替えることもあります。

妊娠できる確率は女性の年齢や体質などにも大きく左右されるため、パートナーや医師と相談のうえ、自分たちに合った方法で妊娠を目指しましょう。

排卵障害はできるだけ早い治療が大切

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排卵がきちんと起こっているかどうかは、自分ではなかなか判断することができません。しかし、基礎体温が低温期・高温期に分かれない、生理不順が続いている、といった場合、排卵障害のサインかもしれません。

妊娠を望む人は特に、自分の健康チェックをする習慣をつけ、何かおかしいなと思うことがあれば婦人科で相談してみてくださいね。

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