クロミッドの副作用は?双子が生まれやすいの?太るって本当?

不妊治療で広く処方される排卵誘発剤に「クロミッド」があります。クロミッドは一般的に体への負担が少ないといわれていますが、副作用が起きる可能性はあります。特に「双子が生まれやすい」「太りやすい」といった症状を、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

今回は、気になるクロミッドの副作用にはどのようなものがあるのか、眠気や頭痛といった具体的な副作用の症状についてご説明します。

クロミッドに副作用はあるの?

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クロミッドに含まれる「クロミフェン」という成分は、脳の視床下部に働きかけ、女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」の量が足りない、と判断させる作用を持っています。

これにより、「黄体化ホルモン(LH)」と「卵胞刺激ホルモン(FSH)」という性腺刺激ホルモンの分泌をもっと増やすよう、視床下部から下垂体に信号が送られ、排卵が促されるという効果が期待できます(※1)。

ただし、クロミフェンの「抗エストロゲン作用」により、子宮頚管や子宮内膜にもエストロゲンが届かなくなってしまい、頸管粘液の分泌が低下したり、子宮内膜が薄くなったりするほか、様々な副作用が起こる可能性もあります。

クロミッドの副作用で、危険なものは?

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クロミッドを使った排卵誘発法として、クロフェミン治療を受けた女性のうち、1%未満という割合ではありますが、「卵巣過刺激症候群(OHSS)」を発症するリスクがあります(※2)。これは、排卵誘発剤により卵巣内の卵胞が過剰に刺激され、卵巣が膨れあがることで様々な症状を引き起こす病気です。

自覚症状として、お腹の張りや吐き気、嘔吐、乏尿などが現れます。重症化すると、血管内の水分が血管外に漏れて腹水や胸水が溜まることも。確率は低いですが、血栓症や腎不全まで最重症化してしまうと、命に危険が及ぶ可能性があります(※3)。自覚症状があった段階で、担当医に相談するようにしましょう。

卵巣過刺激症候群は、排卵誘発剤の用量に依存する可能性があるため、クロミッドを販売する富士製薬工業株式会社は、クロミッドの用量・期間は「1周期につき1日100mg、5日間を限度」としています(※4)。万が一、過剰に卵胞が発育した場合には、クロミフェンの服用を中止することで、卵巣過刺激症候群を予防する必要があります。

クロミッドを飲むと双子が生まれやすいの?

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クロミフェンの治療を受けた女性の約75~80%で排卵が起こり、妊娠する確率は約40~50%といわれています(※2)。

また、妊娠した女性のうち約5%は多胎妊娠(同時に2人以上の子供を妊娠すること)で、その多くが双子だということがわかっています。平成21年度の全体出生数のうち双子の割合が約2%であることを考えると、多胎妊娠の確率が高いと言えますね(※5)。

「双子を授かりたいから、クロミッドを飲みたい」と考える人もいるようですが、多胎妊娠になると、妊娠高血圧症候群などの合併症を起こしたり、流産や早産につながるリスクが高くなるため、担当医とともに、十分注意して治療を行うようにしましょう(※6)。

クロミッドの副作用で頭痛・腹痛・眠気はあるの?

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以下のような症状もクロミッドの副作用として現れることがあります(※4)。症状には個人差があり、複数見られる人もいれば、副作用がほとんど現れない人もいます。これらの副作用が認められた場合は、必要に応じてクロミッドの投与を中止することもあります。

目の症状

● 虚血性視神経症
● 目のかすみ

過敏症

● 発疹

精神神経系の症状

● 頭痛
● 情緒不安定によるイライラ

肝臓の症状

● 肝臓機能の変化

消化器の症状

● 吐き気や嘔吐
● 食欲不振

その他

● 顔の紅潮やほてり
● 口の渇き
● 尿量の増加
● 疲労感

クロミッドの副作用で、太るって本当?

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富士製薬工業株式会社によると、クロミッドの副作用として「体重増加」は挙げられていません。しかし、経験者の口コミとして「クロミッドを服用して太った」という話を聞いたことがあるかもしれませんね。クロミッドを利用している女性の体重増加については、次の理由が考えられます。

女性ホルモンの正常な分泌によるもの

「クロミッドによって太った」と感じる理由として、「もともと痩せていてクロミッドで適正体重に戻った」というケースが考えられます。クロミッドが必要、つまり、女性ホルモンが正常に分泌されていない状態では、女性らしい体型にならず、本来の体つきよりも痩せてしまっていることがあるのです。

クロミッドの服用によって女性ホルモンが分泌されると、乳房や腰回りに体脂肪がついて、女性らしい体つきになることで「太った」と感じる人もいるかもしれません。

卵巣の腫れによるもの

クロミッドの作用で卵巣内の卵胞が過剰に刺激され、卵巣が膨れあがり、お腹の張りを感じることがあります。また、腹水がたまることで体重が実際に増加することもあります(※3)。

初期症状としてお腹の張りや吐き気を感じたときには、「卵巣過刺激症候群(OHSS)」による症状の可能性もあるので、すみやかに担当医師に相談しましょう。

クロミッドの副作用を理解して不妊治療に臨みましょう

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クロミッドは、特に排卵障害による不妊が見られるときや、排卵日がつかめずタイミング法での妊娠がなかなかうまくいかないときに、排卵を誘発する経口医薬品として広く使われています。

医師から処方された場合、クロミッドの効果だけでなく副作用についても理解したうえで、不妊治療に臨んでくださいね。何か不明な点があれば、担当医師に相談し、なるべく不安のない状態で服用を開始しましょう。

※1参考文献: 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.9 婦人科・乳腺外科 第3版』p.44※2参考文献: メルクマニュアル オンライン版「排卵の問題」※3参考文献: 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」※4参考文献: 富士製薬工業株式会社「クロミッド®錠50mg」※5参考文献: 厚生労働省「平成22年度「出生に関する統計」の概況」※6参考文献: 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第3版』p.147

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