母乳は赤ちゃんにとって最高の栄養源であり、ママからの免疫ももらえるため病気予防の点からもとても重要なものです。授乳中はママと赤ちゃんにとって幸せを感じる瞬間でもありますよね。しかし、母乳をいつまであげたらいいのかわからず、悩んでいるママもいます。そこで今回は、赤ちゃんに母乳はいつまであげた方がいいのか、授乳を続けることで何か問題があるのかといったことをご説明します。
母乳はいつまで出るもの?
母乳はいつまで出るのでしょうか。結論から先に言うと、赤ちゃんがママのおっぱいを吸っている間は母乳が出ます。
母乳を作るときには「プロラクチン」というホルモンが、母乳を出すときには「オキシトシン」というホルモンが関わっていますが、どちらも赤ちゃんがおっぱいを吸うことで分泌が促されるホルモンです。
つまり、赤ちゃんが母乳を飲んでいる間は新しい母乳が出続けます。反対に、断乳や卒乳で赤ちゃんが母乳を飲むのをやめたり、ママが仕事に復帰したりして授乳回数が減ってくると、自然と出なくなることが多いようです。
ただし、授乳をやめたからといって、すぐに母乳が出なくなるわけではありません。個人差がありますが、母乳が完全に出なくなるまでは半年くらいかかるともいわれ、なかには1年以上かかったという人もいるようです。
母乳にはいつまで栄養が含まれている?
母乳にはいつまで栄養成分が含まれているのでしょうか。
かつては、赤ちゃんが1歳を過ぎる頃になると、母乳には栄養が含まれなくなると言われることもあったようです。しかし現在は、母乳には赤ちゃんの成長にあわせて、そのときに必要な栄養素が含まれているとされています。
ただし、母乳はママの血液から作られるため、ママが栄養をしっかり摂っていなければ、母乳の栄養成分も不足してしまうと考えられます。
母乳はいつまであげた方がいい?
ママの中には、母乳をいつまでもあげていると、甘えん坊になってしまうと心配する人もいるようです。しかし、母乳をいつまであげた方がいいのか、いつまでにやめた方がいいのかといったことは特に決められていません。
2019年に厚生労働省が改訂した「授乳・離乳の支援ガイド」にも、母乳をいつまであげるべきかは明記されておらず、赤ちゃんの様子にあわせて母乳を与えるとされています(※1)。
また、世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、母乳は赤ちゃんの健康な成長・発達に必要なため、2歳以降も適切な補完食と一緒に母乳をあげ続けることが望ましいとされています(※2)。
実際には、いつまで母乳をあげるのかは個人差があり、母乳が出るか、赤ちゃんが母乳を欲しがるか、ママが母乳を与えたいかといった事情によりさまざまです。
授乳をいつまでも続けていると問題がある?
母乳をあげる期間は人それぞれだとはいえ、いつまでも授乳を続けていると、何か問題が出てくるのではないかと心配になるかもしれませんね。
授乳をいつまでも続けていると、子どもが成長して自我が芽生え、授乳をやめづらくなると言われることがあります。また、離乳食が始まってから歯磨きが不十分な状態で寝かしつけのために授乳をしていると、虫歯になりやすくなります。
子どもが大きくなってからも授乳を続けていることで、体への負担が大きくなり、腰痛などになってしまうママもいます。
しかし一方で、授乳中は親子でのスキンシップが取れるとても大切な時間です。授乳は、ママにとっても、赤ちゃんにとっても、リラックスできる時間だといわれています。
周りの子が卒乳しているのに、自分の子がまだ授乳を続けていたりすると、不安になってしまうかもしれませんね。しかし、焦って無理に授乳をやめる必要はありませんよ。
赤ちゃんの様子に問題がなく、ママがつらいと感じていないのであれば、自然に卒乳できるまで、しばらく授乳し続けるのもいいかもしれませんね。
母乳をいつまであげるかは人それぞれ
母乳をいつまでもあげていると、周りから「早く卒乳させた方がいいよ」といったことを言われたことがあるママもいるかもしれませんね。
しかし、母乳をやめる時期に決まりはないので、無理に授乳をやめるのは避けましょう。一般的には、1歳〜1歳半頃に授乳をやめる人が多いようですが、なかには子どもが2〜3歳になるまで授乳を続ける人もいます。
授乳は赤ちゃんとママの両方にとって大切な時間です。ママ自身の考えや赤ちゃんの様子などを見ながら、いつまで母乳をあげたらいいのか、ベストなタイミングを見つけたいですね。