自分の赤ちゃんの頭がまわりの赤ちゃんと比べて大きいと、不安になってしまうママやパパもいるのではないでしょうか。今回は、赤ちゃんの頭が大きいのはなぜなのか、将来も頭が大きいままなのかについて説明します。
赤ちゃんの頭が大きい!?一般的な大きさは?
赤ちゃんが栄養不足に陥っていると、体重、身長、頭の大きさ(頭囲)の順で影響が出るため、頭の大きさは赤ちゃんが正しく成長できているか判断する重要な指標の一つです。
そのため健診では身長と体重に加えて必ず頭囲も測定します。
身長や体重などの成長ペースが人それぞれのように、頭囲の大きさも人それぞれです。
また健康的な赤ちゃんでも一時的に頭が大きくなることがあります。成長するにつれてその子にとっての一般的な頭囲の大きさとなるので、健診で指摘をされなければ心配しなくても大丈夫ですよ。
なお自宅で頭の大きさを測るときは、赤ちゃんを仰向けに寝かせ、巻き尺を使って左右の眉の真上と後頭部の1番飛び出ている部分を結ぶようにして、1mm単位まで測ってください(※1)。
赤ちゃんの頭が大きいのは病気なの?
体質は遺伝する傾向があるため、ママかパパのどちらかの頭が子どものころから大きければ、赤ちゃんの頭も大きくなりやすいといわれています。
しかし病気によって赤ちゃんの頭が大きくなることもあります。そうした病気の代表例として、「水頭症」が挙げられます。
頭の大きさが標準の範囲内であっても、直近2、3ヶ月で急に大きくなっている場合は水頭症の可能性があるため、早めに病院で診てもらいましょう(※2)。
水頭症とは?
水頭症は脳の内部に髄液がたまる病気で、脳内の髄液の流れが悪い先天奇形や、脳腫瘍、髄膜炎などにより起こります。頭が大きくなる以外に、次のような症状があらわれます(※2)。
● 発熱や風邪の症状がないのに元気がない
● よく眠る
● 繰り返し噴水のように嘔吐する
● ひきつけを起こす
● 髪の生え際より少し上にある柔らかい部分(大泉門)が張る
● できていたことができなくなる
水頭症の治療法は?
小児水頭症の治療法は、主に手術を行います。赤ちゃんの脳室と腹部に管を通し、脳室に溜まった余分な髄液を腹部に吸収される「シャント手術」や、内視鏡による手術が一般的です。
赤ちゃんの頭が大きいと将来も大きいまま?
赤ちゃんの頭は5歳くらいまでは大きくなり続けますが、それをすぎると成長はゆるやかになります(※1)。もちろん、その成長の度合いには個人差があります。
赤ちゃんの頃に大きかったからといって、その後も大きいままだとは限りませんよ。
赤ちゃんの頭が急に大きくなったら要注意!
赤ちゃんの頭の大きさは、栄養状態、ママやパパからの遺伝などさまざまな要因が影響しているため、大きいからといってすぐに病気かどうか判断はできません。
ただし、急に大きくなったなと感じた場合に、嘔吐や哺乳力の低下などの症状、笑わない、視点が合わないなどの症状がみられるときは水頭症などの可能性も考えられます。
家庭で正確に測るのは難しいものの、なんとなくでも赤ちゃんの頭の成長を把握しておくことができれば、病気の可能性もいち早く気づくことができます。
頭の大きさだけでなく、日ごろから赤ちゃんの発育具合をチェックしておきましょう。