乳歯は生え変わりの時期を迎えるとグラグラしてきます。そのままでもたいていは自然に抜けるものですが、食事や会話のときに気になるあまり自分で無理やり抜いてしまう子も。しかし、時期や抜き方を誤ると、歯茎を傷つけてしまったり、感染症にかかってしまう場合もあるため注意が必要です。そこで今回は、子供の乳歯がグラグラしてなかなか抜けないときの正しい抜き方や痛くないコツ、注意点などを紹介します。
乳歯が生え変わる理由は?
乳歯が永久歯に生え変わる理由は、顔やあご、そして全身の成長に対応するためだといわれています。
おっぱいやミルクを飲んでいた赤ちゃんは、離乳食期を経て、栄養価の高い固形の食事を摂るようになります。そのためには歯が必要になりますが、硬い永久歯ができるには5年以上かかってしまいます。そこで、まずは小さくて厚みが永久歯の半分の乳歯が生え、永久歯の代わりを担います。
その後、永久歯ができあがると生え変わりが起こり、乳歯と永久歯が役割を交代するというわけです(※1)。
乳歯がグラグラして抜ける順番は?
一般的に、乳歯の生え変わりは前歯から奥歯の方向へ、下の歯から上の歯という順番で進んでいく傾向にあります。
まず、最初にグラグラしだす乳歯は「乳中切歯」と呼ばれる下の前歯2本です。その後、上の前歯2本が抜けます。6〜7歳ごろにこれらの乳歯が抜け始める子が多いといわれています。
乳中切歯が抜けた後、目安としては7〜8歳ごろに「乳側切歯」と呼ばれる下の前歯の左右に1本ずつ生えている乳歯がグラグラしだして抜けます。そして、それに続いて上の乳側切歯が抜けます。
その後は、9〜10歳ごろに乳側切歯の隣の「乳犬歯」と「第一乳臼歯」、10〜11歳ごろにその奥の「第二乳臼歯」の順番でグラグラして抜けていきます(※1)。
ただし、乳歯が生え変わる順番には個人差があります。上で紹介した時期よりも早くグラグラしだす子もいれば、遅い子もいます。「うちの子はなかなか乳歯がグラグラしない…」と焦ったり、気にしすぎたりする必要はありませんよ。
乳歯がグラグラして痛いときの対処法は?
乳歯がグラグラしていると、食事中でなくても気になるもの。グラグラしていてなかなか抜けないと、そのままでいいのか、病院に行くべきか…と迷うママやパパも多いのでは。歯医者に行くべきか、行かなくても大丈夫なのかは、乳歯がグラグラしている状況によります(※2)。
歯医者に行かなくていいケース
歯の生え変わりの時期に乳歯がグラグラしてきたのであれば、下から永久歯が生えてきていると考えられます。この場合、病気ではなく正常な歯の生え変わりであるため、歯医者に行く必要はありません。
歯医者に行くべきケース
乳歯がグラグラしている理由は、永久歯に生え変わるためではないこともあります。以下の3つの理由で乳歯がグラグラしている場合は、歯医者さんに診てもらってください。
● 歯茎が炎症を起こしている
● 転んだりして歯に強い衝撃が加わった
● 乳歯にヒビが入ったり、折れている
乳歯の抜き方は?痛くない?
生え変わりが近づくにつれて、グラグラしていた乳歯はより一層グラグラしていき、抜ける直前には歯茎とわずかに繋がっているだけの状態になることがあります。
本来はそのまま自然に抜け落ちるのを待ちたいところですが、一般的にはこの段階まできたら、自分で乳歯を抜いてしまっても問題ないとされています。
抜き方としては、乳歯を自分で揺らす方法が比較的痛くないとされています。指でも舌でもかまわないのでグラグラしている乳歯を揺らしてみてください。グラグラしている乳歯が気になって食事や会話に集中できないのであれば、指で引っ張ってしまうのも一つの方法です。
ただし、指で抜く場合は手を洗ってからにしましょう。手についた雑菌が歯茎に感染し、感染症にかかってしまう可能性があるからです。
乳歯がグラグラしてなかなか抜けないときは?
乳歯がグラグラしているのに指や舌で抜けないときは、自分で抜くのをやめましょう。
乳歯がグラグラし始めてから自然に抜ける落ちるまでの期間は個人差があり、数ヶ月程度かかる人もいます。そのため、グラグラしているのに抜けないのは、まだ自然に抜ける段階ではないのかもしれません。
早く抜きたいがあまりグラグラしている乳歯を力ずくで引っ張ってしまうと、乳歯の一部が欠けてしまったり、乳歯の周辺を傷つけてしまう可能性があります。どうしても気になる場合は、歯医者さんで抜いてもらいましょう。
乳歯の正しい抜き方を子供に教えてあげましょう
乳歯がグラグラし始めると、食事のときなどに子供が痛がったりするため、ついつい早く抜いてしまった方がいいのではないかと思ってしまいますよね。しかし、本来乳歯は自然に生え変わるため、そのままの状態で勝手に抜けるのを待つのが一番です。
それでも子供がどうしても抜きたがるようであれば、上で説明したような正しい時期に正しい抜き方で抜くことを教えてあげてください。ただし子供が自分でやろうとすると、つい無理やりになってしまいがちなので、ママ・パパが見てあげた方がいいですよ。