ノロウイルスの症状は?潜伏期間は?感染経路や感染力は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

2015年の食中毒患者22,718人のうち、14,876人(65.5%)がその感染者であるなど、代表的な食中毒の原因となっているノロウイルス(※1)。ノロウイルスは集団感染しやすく、特に保育園や幼稚園などでの発生事例が多いため、子供のいるママ・パパにとっても気がかりなことのひとつでしょう。そこで今回は、ノロウイルスに感染するとどんな症状が出るのか、潜伏期間はあるのか、感染経路や感染力について、ご紹介します。

ノロウイルスとは?

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ノロウイルスは子供から大人まで、幅広い年代で感染するウイルスで、感染すると感染性胃腸炎を引き起こします。基本的には一年を通して感染することがあるものの、11月から感染者数は増え、12月〜翌年1月がピークになります(※1)。

発展途上国でよくみられるように、子供のうちから感染して免疫を持つ人もいます。しかし、その免疫も数ヶ月から一年間程度しか持続しないため、タイプの異なるウイルスの場合、再感染する可能性があります(※2)。

ノロウイルスの症状は?

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ノロウイルスの症状は主に嘔吐と水っぽい下痢で、人によっては熱が出ることもあります(※1)。

また、食品を介して感染する食中毒型の場合は、嘔吐と水っぽい下痢の他に、腹痛の症状も現れます。

ノロウイルスの症状は軽いこともある?子供と大人で違う?

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ノロウイルスに多く見られる症状は、嘔吐、下痢、腹痛、発熱ですが、健康な大人の場合、感染しても発症しないこともあります(※1)。

また、免疫力が低い子供や高齢者がノロウイルスに感染すると、健康な大人よりも重症化して脱水や低血糖になったり、吐いたものが喉に詰まって死亡する可能性があります(※3)。

嘔吐や下痢などによって脱水症状を起こすこともあるので、子供が感染したら、経口補水液やバナナやりんごなど子供が食べやすいものを中心に、こまめに水分・塩分・栄養の補給をさせてください。

子供の脱水症状が重くなった場合には、点滴が必要になる場合もあります(※1)。

ノロウイルスの潜伏期間は?最長/最短でどれくらい?

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ノロウイルスの潜伏期間は、24〜48時間ほどとされています(※1)。しかし、2004年にアメリカで起きたノロウイルスの集団感染では、最短で8時間、最長で62時間後に発症した事例もあるので、発症までの潜伏期間には個人差があるようです(※2)。

そのため、一緒に食事した人がノロウイルスになった場合は、その後に自分も発症することもあるので、用心しておくに越したことはないでしょう。

ノロウイルスは潜伏期間中でもうつる?

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ノロウイルスに感染すると、15時間後から便とともにノロウイルスが排出され始め、感染の2~5日後にピークを迎えます(※2)。

そのため、ノロウイルス感染者が症状の出る前の潜伏期間中だったとしても、その人の便によって汚染された水や食物などが口に入れば、十分感染する可能性があります。

ノロウイルスの感染経路は?

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ノロウイルスの感染経路は、口からウイルスが入って感染する経口感染が主で、次のような3つのパターンで感染すると考えられています(※4)。

感染者の糞便や、吐瀉物からの感染

ノロウイルスは数十個という少ないウイルスが体内に入ることでも感染し、症状が治まってからも1週間ほどウイルスが排泄され続けます(※4)。

また、吐瀉物が飛び散り、空中に舞う吐瀉物の粒子を吸い込むことでも発症します。そのため、保育園や学校などの集団生活の中で感染しやすい傾向があります。

生カキなど、貝類からの感染

生カキなどの貝類は、水の中に拡散した糞便中のウイルスを吸い集める性質があります。そのため、糞尿を水中に投棄するような船舶や、漁業関係者の糞便によって貝類が汚染されることがあります(※2)。

アメリカや日本でのノロウイルスによる胃腸炎の集団発生は、しばしば牡蠣やはまぐり、トリガイなどを生や加熱不十分のまま食べることが原因で起きています。

子供が生の貝を食べる機会が少ないため、感染例は少ないものの、これらの貝を食べさせる際は十分に加熱することを心がけてください。

ノロウイルスが不活性化する目安は、90秒以上、中心部が85~90度になるように加熱することです(※1)。

調理する人からの感染

調理する人が、ノロウイルス感染者の糞便や吐瀉物に触れた手を十分に洗わずに食材を調理することで、感染が広がることもあります。

この場合、食中毒型の集団感染となるので、短時間内に感染が集中多発して一気に感染が広がります(※4)。

ノロウイルスの感染力は?

保育園 友達 遊び

ノロウイルスは、感染に必要なウイルスの数が10〜100個と他の菌やウイルスに比べて少なく、感染力が強いという特徴があります(※2)。

上述の通り、ノロウイルスは感染者が触ったものや、吐瀉物の粒子からも感染する可能性があるため、保育園や学校、社会福祉施設などの集団生活の場では、特に感染が広がりやすい傾向があります。

ノロウイルスの症状・潜伏期間を知って正しい対処を

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ノロウイルスは子供などの免疫力が低い人が感染すると、脱水や低血糖などにより重症化したり、場合によっては死亡する可能性もあるウイルスです。感染力が強いうえ、潜伏期間中でも感染の可能性があるため、爆発的に感染が広がる可能性があります。

子供に下痢や嘔吐などの症状が見られたら、脱水症状を防ぐため、こまめに水分・塩分を補給させ、できるだけ早く医師の診察を受けましょう。

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