保育園児がいる親にとって、大きな脅威となるのが感染症。特に冬に流行するノロウイルスは集団感染しやすいため、保育園で感染者が出たという話を聞くと「自分の子供もうつるんじゃないか」と、ドキドキしますよね。そこで今回は、ノロウイルスにかかった場合、保育園にはいつから登園できるのか、また、その際に登園許可証は必要なのかなどをご紹介します。
ノロウイルスとは?
ノロウイルスは一年を通して感染するウイルスですが、11月頃から特に感染者が増え始め、12月~翌年1月に流行のピークを迎えます(※1)。
ノロウイルスに感染すると、24~48時間の潜伏期間の後に、1~2日間に渡って、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛や、人によっては熱の症状が現れます(※1)。
嘔吐の症状は、大人に比べて子供によく見られます(※2)。
また、体力の弱い乳幼児が感染すると脱水症状を起こすこともあるので、水分や塩分、栄養をこまめに補給させるなどのケアが必要です(※1)。
ノロウイルスにかかると保育園や幼稚園には行けなくなるの?
ノロウイルスは、感染者の糞便や吐瀉物を介して人から人にうつるうえ、少量のウイルス量でも感染する可能性があるため、保育園や幼稚園、学校など、集団生活の場で感染しやすい病気とも言えます(※2)。
集団感染を避けるために、子供がノロウイルスに感染すると、保育園を登園停止になることがあります。
登園停止になる基準については、学校保健安全法で定められています。
ノロウイルスは「その他の感染症」に分類されており、これは、必ずしも登園停止が必要なわけではないものの、必要に応じて登園停止を求められる病気であることを示しています(※3)。
そのため、園児にノロウイルスの患者が出た場合、その子供を登園停止にするかどうかの判断は、保育園や幼稚園によって異なります。
ノロウイルスで保育園にいつから登園できる?目安は?
ノロウイルスは、通常2~7日で症状が出なくなります(※3)。基本的には嘔吐や下痢などの症状がなくなり、子供自身がつらくなくなった状態が、登園できる目安です。
しかし、実際に登園を認めるかどうかは、各保育園・幼稚園によって異なる場合があるので、通っている園に確認しましょう。
また、症状が終わってからも数週に渡って便からウイルスが排出されるので、登園再開後も数週間は、排便後の始末や手洗いに気をつける必要があります。
ノロウイルスは保育園に登園許可が必要?
ノロウイルスに感染した際、登園許可証を提出する必要があるかどうかは、各保育園・幼稚園・自治体によって基準が違います。
また登園許可証は、必ずしも医師による記入が求められるものではなく、医師の判断を聞いたうえで、保護者が記入する場合もあります。
提出が必要か、必要な場合、保護者の記入でもいいのかなどは、通っている園に確認するようにしましょう。
ノロウイルスで保育園を登園停止にならないための予防策は?
ノロウイルスで保育園を出席停止にならないためには、まず普段の生活から予防を心がけ、感染を防ぐことが重要です。
家庭でできるノロウイルス感染の予防としては手洗いが、また、家族内に感染者が出た場合の予防としては、糞便・嘔吐物を適切に処理することなどが効果的です。
手洗いの方法
ノロウイルスの感染経路には手の指からの経口感染があるため、手についたウイルスを手から洗い流すことは有効な感染予防法のひとつです(※1)。
調理をする前、食事の前、トイレの後、下痢の人の汚物やおむつ交換の後などは、十分にあわ立てた石鹸でこまめに洗ってください。
その際、指輪などは外し、ブラシを使って洗うとより効果的です。すすぎはお湯で行い、最後は清潔なタオルかペーパータオルで拭きましょう。
糞便や嘔吐物の処理の方法
すでに家族のなかにノロウイルスのような症状が出ている人がいる場合、糞便や嘔吐物からの二次感染にも気をつけなくてはいけません。
糞便や嘔吐物は次の手順で処理をします(※4)。
1. 使い捨てのマスクや手袋をつける
2. もし飛び散っていたら、ペーパータオル等で静かに拭き取る
3. 糞便・吐瀉物がついた場所を塩素で消毒し、その後水拭きをする
4. おむつや拭き取った嘔吐物、手袋などをビニール袋に密閉して捨てる
5. 丁寧に手を洗う
手順「4」でビニール袋に密閉する際、1,000ppmの濃度の塩素消毒液に浸すと、より感染予防の効果が高まります(※4)。
また作業中は、しぶきなどを吸い込んでしまわないように気をつけましょう。
ノロウイルスで保育園に登園できなくなる前にしっかり予防しよう
子供がノロウイルスに感染してしまうと、嘔吐や下痢などの症状が現れている間は、保育園に行けなくなってしまいます。また、体力のない子供は、脱水症状になるなど、重症化しやすい傾向もあります。
ノロウイルスに子供が感染してしまうと、看病や登園許可の手配が必要になるため、闘病する子供はもちろん、ママやパパの生活にもゆとりがなくなってしまいます。
子供に健康に過ごしてもらうためにも、また、ママ・パパが普段通りの毎日を送るためにも、まずはノロウイルスに感染しないように予防を行いましょう。