おねしょに漢方薬が効くの?夜尿症で処方される漢方は?

記事監修 漢方医・内科医 入江 祥史
入江 祥史 日本東洋医学会認定漢方専門医・日本内科学会認定総合内科専門医。医学博士。1991年、大阪大学医学部卒。慶應義塾大学病院漢方クリニック医長、証クリニック吉祥寺院長などを経て、2017年、入江漢方内科クリ... 続きを読む

昼間のおむつが取れても、なかなかおねしょが治らなくて…という、子育ての悩みを持つママやパパは多くいます。一般的には、5歳を過ぎてもおねしょが治らないことを「夜尿症」といいます。子供は病院に行くのも嫌がるし、どうしたら治るんだろう?と、途方にくれてしまっている人もいるかもしれません。今回は、おねしょや夜尿症が漢方薬で治るのかということについて、様々な角度からご紹介します。

おねしょと夜尿症は違う?遺伝するの?

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「おねしょを一度もしたことがない」という子供は、あまりいないのではないでしょうか。

長い間「おむつを履いて、寝ている間もおしっこをするのが普通」という状況だったのに、急に「夜寝ている間におしっこをしてはいけません」と言われても、すぐには難しいもの。

おむつが外れてからしばらくの間、おねしょは仕方のないことです。ただし段々と慣れてきて、おねしょをする回数が減っていきます。一般的には、5歳までに80~85%の子供が、夜寝ている間も自分の排尿をコントロールできるようになります(※1)。

「5歳を過ぎても、週に2回以上、夜におねしょをしてしまい、それが少なくとも3ヶ月以上続く」ことを、夜尿症といいます(※2)。なかには、数ヶ月以上おねしょをしなかったのに、再びおねしょをしてしまうという場合もあります。

夜尿症の子供の約60%は、男の子です(※1)。また約50%の割合で、家族にも夜尿症の経験があることがわかっています。

夜尿症(おねしょ)は漢方で治る?

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子供の夜尿症が自然に治まる割合は、毎年約15%というデータがあります(※1)。そして、成人で夜尿症を患う人は1%未満です。つまり「夜尿症は放っておいても自然に治るもの」といえます。

しかしその一方、夜尿症は他人に打ち明けづらいデリケートな悩みです。友達と一緒にお泊りする際などには、子供にとって大きなストレスになります。

夜尿症は、病院でその原因をしっかりと究明し、治療を行うことで、その治癒率は飛躍的に上がります。治療を行った際の治癒率は、1年後で約47%、2年後で約72%にも上ったという報告もあります(※3)。

また漢方薬の中には、夜尿症に効果のある薬もあります。ただし夜尿症がある子供に必ず効くわけではなく、子供の体質などによって合う薬は異なります。

夜尿症(おねしょ)に効果が見込める漢方は?

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夜尿症の治療には、一般的に下記のような漢方薬が用いられます(※4)。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)

体力が弱く、疲れやすい体質の子供に向いています。夜尿症の他、夜泣き、下痢、便秘などの症状の改善も見込めます。

味に甘みがあるため、子供が飲みやすいのも特徴です。

黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)

黄耆建中湯は、小建中湯に補気(体のエネルギーを補うこと)や止汗の作用がある「黄耆(オウギ)」という生薬を加えた漢方薬です。

体力が弱く、疲れやすい体質で、特に寝汗や皮膚が弱い子供に対して効果が見込めます。

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)

消化器系を温め、冷えをとる働きがある「乾姜(カンキョウ)」という生薬を含んでいます。

特に下半身が冷え症で、尿が多い子供に効果が見込めます。人参湯(にんじんとう)という漢方薬にも同じような効果があります。

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

口が乾きやすいために、たくさん水を飲み、汗を多くかくものの、下痢の症状は見られない子供に対して効果が見込めます。

夜尿症のほか、糖尿病、風邪、アトピー性皮膚炎などの症状に対しても処方されることがあります。

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

主に、精神不安が原因の夜尿症に効果が見込めます。

手足が冷えていたり、寝汗をかいたり、眠りにくかったり、夜驚症(夜にパニックを起こすこと)などの症状が併せて見られる場合は、桂枝加竜骨牡蛎湯の服用が効果的です。

夜尿症(おねしょ)に漢方を使う際の注意点は?

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漢方薬は子供でも服用できる薬が多いものの、一般的に服用する量は体重に比例して決められるため、分量は大人より減らす必要があります。

また漢方薬にも副作用があり、西洋薬や他の漢方薬と同時に服用すると副作用が強くなることもあるので、注意が必要です。

ネット通販等で購入できる漢方薬もありますが、少なくとも初めてのときは、漢方医や漢方薬を扱っている薬局の薬剤師に相談したうえで服用しましょう。

夜尿症(おねしょ)の治療に漢方も検討してみよう

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たかがおねしょ、されどおねしょ。何度も繰り返してしまうと、子供だけでなくママやパパにもストレスがかかり、ダメだとわかっていてもつい怒ってしまって、それによって子供にストレスがかかってまたおねしょ…という悪循環にもなりかねません。

もしなかなか夜尿症が治らないようであれば、小児科や泌尿器科を受診してみたり、漢方薬の服用を検討してみてはいかがでしょうか?

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