昼間のトイレトレーニングが完了すると、子供も少しずつ夜のおしっこのコツをつかんでいきますが、寝ている間はしばらくおねしょが続くこともあります。「子供のおねしょがなかなか治らない」と悩むママやパパも多いようです。そこで今回は、子供のおねしょが治らないときの原因や対処法についてご紹介します。
子供がおねしょをする原因は?
おねしょは、夜の寝ている間に、無意識におしっこをしてしまうことをいいます。膀胱の大きさに対して夜寝るときの尿量が多いことや、寝ぼけていてタイミングがつかめないことなどが原因です。
おねしょは、昼間のトイレトレーニングが完了したあと、夜におむつを外し始めるタイミングの子供によくあることで、成長過程として問題ではありません。
昼間のおしっこと同様、夜のおしっこのコツを掴むまでに必要な時間も個人差があり、小学校就学前の6歳くらいまで続くことも多くあります。
おねしょが続く場合は、夜寝る前にトイレに行くよう促したり、過剰に水分摂取したりしないよう、声かけをするなどして、子供と一緒にコツをつかむ練習をしていきましょう。
おねしょが治らないことってあるの?
先で説明したように、おねしょが治る年齢には個人差がありますが、子供が成長してもなかなか改善されないときは、「夜尿症」も考えられます。
「子供が5歳以上で、週2回以上のおねしょが約3ヶ月以上続く」といった場合、夜尿症と診断されます(※1)。
夜尿症の症状は、夜におしっこを漏らしてしまうことです。おねしょとよく似ていますが、原因が異なります。夜尿症の原因には、下記のようなものがあります(※1,2)。
・ 膀胱が年齢相応の大きさよりも小さい
・ 膀胱に尿をためる力が弱い
・ 先天的な泌尿器科の疾患がある
・ 強いストレスによって神経の働きが鈍い
・ 尿量を押さえる抗利尿ホルモンの分泌が少ない
夜尿症は、しばらく続いても自然に治ることがほとんどです。現在、7歳で夜尿症と診断されている子供は約10%といわれていますが、年齢を重ねるごとに少しずつ治っていき、成人を迎える頃にはほとんど全員が治るものです(※3)。
ただし、夜間のおねしょに加え、「昼間のおしっこが近い」「トイレに間に合わず漏らしてしまう」「うんちを漏らしてしまう」という状態がみられたら、夜尿症ではなく、膀胱の働きが未熟なほか、先天性の泌尿器疾患や消化管疾患が見つかることもあります。
このような場合は、早めに泌尿器科を受診しましょう。
おねしょが治らないときの対処法は?
おねしょが治らないからといって、夜間に頻繁に子供を起こすのは良いことではありません。十分な睡眠が取れず、日中の活動に支障が出てしまうこともあります。
おねしょは自然と治っていくことがほとんどなので、子供がおねしょをしないようにと神経質になるよりも、おねしょをしたときの対処法を考えて、ママの片付けの負担を軽くするのがおすすめです。
以下に、おねしょが治らないときの対処法をご紹介します。
予備の布団を用意しておく
夜中に子供がおねしょをすると、子供を着替えさせたり、布団を片づけたりと、やることが多くて大変ですよね。
そんなときは、子供のお世話を優先して、おねしょをした布団の片づけを後回しにできるよう、予備の布団を用意しておきましょう。子供も、きれいな布団ですぐに寝られるので安心です。
使わなくなったベビー布団を使うのもいいですし、洗いやすい素材の布団を1つ購入したり、あらかじめ防水シーツを用意して対策するのもおすすめです。
厚手のバスタオルと消臭剤で応急処置
夜中に布団の洗濯をするのは、体力的にもつらいものがあります。そんなときは、厚手のバスタオルでおねしょの水分をしっかり吸水し、消臭スプレーや除菌スプレーをかけて、応急処置をしておきましょう。
ただし、おねしょをしたままの布団を放っておくと雑菌が繁殖し、カビが生えてしまうこともあります。
あくまでも応急処置と考えて、朝になったらしっかりと洗濯、または天日干しするなどして、キレイにしてあげてください。
重曹をつかっておしっこを吸収する
おしっこをしたばかりの布団に、重曹をかけるのもひとつの手です。重曹の粉が水分をしっかりと吸収してくれるうえに、消臭効果も期待できます。
重曹は、ドラッグストアなどで手に入りますよ。
ただし先述のように、放置しすぎるのは危険です。朝になったら、おしっこを吸収した後の乾いた重曹をしっかりと掃除機で吸い取り、シーツや布団を洗うようにしましょう。
おねしょが治らないときは子供と向き合って
おねしょをされてしまうと、布団や衣類の洗濯をする手間を考えて、つい「漏らさないようにしなくちゃ」「漏らす前にトイレに行かないと」と焦ってしまいがちです。
しかし、ママやパパの焦りは、子供にとってストレスになりかねません。
子供自身、おねしょをしてしまったことを気にしていることもあります。「次はがんばってみよう」など、前向きな姿勢で接して、子供を怒らないようにしてくださいね。
おねしょが続くことで子供の気持ちや生活に支障をきたしているようであれば、小児科や泌尿器科で相談してみることも大切です。