反対咬合の原因は?矯正で治療するときの費用はどれくらい?

監修医師 歯科医師 茂山 久夫
茂山 久夫 九州歯科大学卒業後、同歯周病科にて4年間診療、その後開業医での勤務を経て、現在は福岡県中間市にて診療を行う。日本歯周病学会、J.A.C.D(The Japanese Academy of Compre... 監修記事一覧へ

子供の歯並びや咬み合わせは、何かと気になりますよね。そこで今回は、子供に起こりやすい咬み合わせの異常である「反対咬合」について、原因や治療方法、矯正の費用などをご説明します。

反対咬合とは?

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「反対咬合」とは、歯の咬み合わせ異常(不正咬合)の一種で、歯を咬み合わせたときに、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態のことをいいます。一般的に、「受け口」と呼ばれることもあります。

乳歯が生え揃う前の2歳頃の子供には13.4%、乳歯が完成する3歳頃の子供には8.7%みられ、日本人には比較的多い症状です(※1)。

反対咬合で起こる問題は?

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反対咬合になると、下記のような問題が生じることがあります。

咬み合わせの問題

反対咬合になると、正しい咬み合わせができません。それによって、噛む力が弱まったり、食事がきちんと摂れなくなったりして、消化不良や胃腸障害を引き起こす可能性があります。

また、咬み合わせが左右均等でないと、顎の関節に影響が出て、体全体の発育にも悪影響を及ぼすことがあります。

さらに、悪い咬み合わせのまま噛み続けると、「咬合性外傷」という状態に発展することがあります。咬合性外傷になると、自分の歯を傷つけてしまうことで、歯肉が下がる、歯がグラグラする、歯が欠けてしまうといった症状が起こります。

見た目の問題

反対咬合になると、歯並びが悪くなるなど、見た目の問題も生じます。特に、まだ奥歯が生えてきていない小さな子供は、顎を前に出すような癖がついてしまい、顎がしゃくれたように見えることもあります。

上記以外にも、発音障害が生じたり、虫歯や歯周病になりやすかったりと、様々な問題が起こることがあります。

反対咬合の原因は?

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反対咬合の原因は、大きく下記の3種類に分けることができます。

歯性

上の歯が本来生える位置より内側に生えていたり、逆に下の歯が外側に生えていたりと、歯の生え方に癖があると、反対咬合になることがあります。

骨格性

上下の顎の成長がアンバランスになったり、位置がずれたりすることで発症する反対咬合を、骨格性の反対咬合と呼びます。

骨格性は遺伝のことが多く、家族に反対咬合の人がいると、骨格性の反対咬合になる可能性が高まります。

骨格性の反対咬合は、後ろに引っ込んでいる上の歯や、前に出すぎている下の歯の本数が多いのが特徴で、前歯だけでなく、前歯と奥歯の間にある臼歯にまで症状がみられることもあります。

機能性

機能性の反対咬合は、骨格以外の様々な原因で起こりますが、主に下記のようなものがあります。

● 咀嚼の仕方がおかしい
● 舌を上手く上にあげることができない
● 下の歯を舌で押し出す癖がある
● 虫歯による歯冠の崩壊
● 上顎の発達の遅れ

反対咬合の治療方法は?矯正や手術をするの?

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反対咬合の治療は、原因や子供の年齢、歯の状態などによって異なりますが、主に下記のような方法で行われます。

歯性・機能性反対咬合の場合

歯性と機能性の反対咬合は合併していることが多く、同じような治療が行われます。

乳歯期の治療

反対咬合が1本~数本の歯のみで起こり、比較的咬み合わせのズレが浅い場合は、舌を上手に動かすトレーニングを行うなどして、前歯の咬み合わせを少し調整するだけで症状が改善することがあります。

咬み合わせのズレが大きいときは、マウスピースのような矯正装置などを歯に装着して治療を行います。

ただし、乳歯が生え揃う頃には自然と治っていることも多く、3歳頃まで様子を見ることもあります。

混合歯列期の治療

永久歯が生えだす時期の咬み合わせは、将来の咬み合わせ機能の安定に直結します。そのためこの時期に反対咬合が見られたら、上下の歯のズレの程度に合わせた矯正装置を使って、咬み合わせを矯正します。

この時期に矯正を行えば、比較的簡単に反対咬合を改善できることがほとんどです。

骨格性反対咬合の場合

骨格性反対咬合の場合は、早いうちから治療が開始されます。骨格の異常が上顎と下顎のどちらに見られるかで、下記のように治療方法が異なります。

下顎の過成長の治療

下顎の骨が成長しすぎて前に出ている場合は、下顎の成長を抑制し、下顎が後ろに下がるような治療を行います。「チンキャップ」と呼ばれる顎の矯正器具を使い、顎を固定することもあります。

上顎の劣成長の治療

上顎の成長が遅いことが原因で反対咬合になっているときは、上顎の成長を促すような治療を行います。それによって、上顎や上の歯が前方に出て、正しい位置に納まることを目指します。

治療のために、上顎を前に出すための装置を顔に装着することがあります。

反対咬合の矯正費用は?

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反対咬合の矯正費用は、症状の重さや治療方法などによって異なります。ほとんどの場合は、健康保険がきかない自由診療で、病院によってかかる費用が異なります。

定価などはありませんが、80~120万円ほどが目安です(※2)。著しい反対咬合により、骨格を矯正する必要があるときは、健康保険が適用されるケースがあります。

また、咀嚼や咬み合わせ機能の改善のために行う反対咬合の矯正費用は、医療費控除の対象になります。所得や医療費によって控除額が異なるため、詳しくは自治体などに相談してみてくださいね。

子供の反対咬合は正しい治療を

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反対咬合をただ歯並びが悪いだけと思って放置してしまうと、咬み合わせのせいで様々な問題を引き起こすことがあります。成長につれて見た目が気になって悩んでしまうこともあるかもしれないので、早めに対処してあげたいですね。

子供の反対咬合が気になったら、行きつけの歯科医院や矯正歯科専門医を受診するようにしましょう。

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