アフターピルは、産婦人科で処方される緊急避妊薬です。服用後、生理がなかなかこないと、「妊娠していたらどうしよう」と気が気でない女性も多いと思います。また、いつもの生理よりも量が少ないと、「もしかして妊娠した？」と不安を覚える人もいるかもしれません。今回は、アフターピル服用後に生理が来るタイミングや、出血の状態などについてご説明します。
アフターピル服用後、生理が来れば妊娠していない？
アフターピルを飲むことでほぼ確実に避妊できるとはいえ、妊娠する確率も1～3％ほどはあるため（※1）、本当に妊娠を防げたかどうか心配になる人もいますよね。
アフターピルを飲んだあと、生理があれば「妊娠しなかった」と考えられます。生理は、受精卵が着床するはずの子宮内膜が剥がれ落ちたことを示すものなので、「出血があった＝受精卵が着床できなかった＝妊娠していない」といえます。
ただし、妊娠しているか・していないかを確実に判断するのであれば、生理開始予定日を1週間過ぎてから妊娠検査薬を使うしかありません。
なお、ピル服用後に見られる性器出血を、通常の生理と区別して「消退出血」と呼ぶこともあります。
アフターピルの服用後、生理はいつ来る？周期が乱れることもあるの？
アフターピルを飲んだあとは、それまでの生理周期が乱れることもよくあります（※2）。普段の生理周期より遅れる人も、逆に早く来る人もいるようです。
日本産科婦人科学会の指針によると、アフターピルの「ノルレボ」という薬を飲んだ場合、80％以上の女性が生理開始予定日より前、もしくは予定日を過ぎて2日以内に生理（消退出血）を迎え、全体の95％の女性は、遅くとも生理予定日の7日後以内に生理があります（※2）。
これまでの研究では、生理周期の中のどのタイミングでアフターピルを飲んだかによって、生理が来るタイミングが異なると考えられていますが、基本的には、遅くとも生理開始予定日から3週間以内には出血が見られます（※1）。
アフターピル服用後に生理がこないときは？
先述のとおり、アフターピルを飲んだあとは生理周期が乱れることも多いため、妊娠していなくても生理が1～3週間ほど遅れることもあります。
ただし、一般的には、生理開始予定日から7日（1週間）以上生理が来ない場合は、妊娠検査薬を使ってみるよう、医師から勧められます（※2）。
もし、アフターピルを飲んだあとに生理がこないかつ、妊娠検査薬が陽性を示した場合、子宮内膜以外のところに受精卵が着床する「異所性妊娠（子宮外妊娠）」の可能性も考えて詳しく検査する必要があるため、できるだけ早く産婦人科を受診してください。
アフターピル服用後の生理は量が少ない？
アフターピルを飲んだあとに生理が来たものの、量が少ないと心配になる人もいると思います。なかには、「これは妊娠したあとの着床出血では？」と考える女性もいるようです。
一般的に、ピルを飲んだあとの生理（消退出血）は経血量が少量になりやすいといわれていますが、経血の状態だけでは妊娠したかどうか見極めるのは難しいといえます。
確実に「妊娠していない」と判断したい場合は、繰り返しになりますが、生理開始予定日を1週間過ぎるのを待って、妊娠検査薬を使ってみてください。
なお、生理が少量であっても、妊娠検査薬が陰性を示すのであれば妊娠していないということなので、「着床出血ではないか」と心配する必要はないと考えられます。
アフターピル服用後の生理は遅れることも
アフターピルを服用して避妊に成功したかどうかは、生理（消退出血）があるまでは判断ができません。予定日から数日ずれて生理を迎えることもよくあります。
そのため、予期せぬタイミングで生理が来た、または予定日に生理がこないとしても慌てず、確実に妊娠していないことを知りたい場合は、生理開始予定日の1週間後に妊娠検査薬を使ってみましょう。不安なことがあればかかりつけの産婦人科で相談してみてくださいね。
なお、出血の有無に関係なく、アフターピル処方の数週間後に産婦人科を再受診するよう、医師から言われることもあります。その場合は医師の指示に従ってくださいね。
