話題の「大学無償化」ってどんな制度?対象や見落としがちなポイントを解説!

昨年ニュースやSNSなどで話題になった「大学無償化」。政府が少子化対策の一環として新たに策定した制度ですが、複雑でわかりにくいという声も。

そこで今回は、2025年度から適用される「大学無償化」について、シミュレーションを含めながらわかりやすく解説します。

大学無償化ってなに?

大学 キャンパス 

「大学無償化」とは、政府が少子化対策の一環として、3人以上の多子世帯の大学費用を支援することを定めた新しい政策のことです。

これまでも多子世帯向けの大学無償化制度はありましたが、所得制限があり利用できる世帯は限られていました(※1)。

しかし、2025年度から始まる制度では所得制限が撤廃になり、これまでより支援対象が広がります。

無償化の対象

無償化の対象となる高等教育機関は以下の4つです(※2)。

●大学
●短期大学
●高等専門学校(4,5年生のみ)
●専門学校

支援金の上限

大学の授業料・入学金全てが無償化となるわけではなく、支援金は上限が定められています(※2,3)。支援の上限は以下の通りです。

国公立大学(年間)
●授業料約54万円
●入学金約28万円

私立大学(年間)
●授業料約70万円
●入学金約26万円

大学以外の高等教育機関
●校種・設置者ごとに上限金額を設定

制度の見落としやすいポイントは?

扶養内に子どもが3人以上いることが必要

大学無償化 図解①

この制度で見落としがちなポイントは「扶養内に子どもが3人以上いないと支援が適用されない」という点です(※2)。

つまり、3人兄妹の場合は、第1子が扶養から外れた時点で、第2子・第3子は支援対象外となります。

多子世帯対象というと、扶養の範囲は関係なく適用されると思う人も少なくありません。しかし現状の制度では、多子世帯の子ども全員が無償化の対象になるわけではないのです。

制度適用時の大学費用シミュレーション

ここからは実際にかかる費用をもとに、制度が適用された場合に大学入学〜卒業までにかかる費用についてシミュレーションします。

文部科学省の資料より、国立大学(公立)と私立大学(文系・理系)の4年間でかかる費用(授業料×4年+入学料)の総額を元にすると、4年間支援が適用された場合、以下のようになります(※4,5)。

大学無償化 図解②
※1000円未満は切り捨て/私立大学は施設設備費を含む

今回の制度の上限金額が適用されると、4年間で国公立大学は244万円、私立大学は306万円の学費が補助されます。

そのため、国公立大学は無料、私立大学は文系で約102万円、理系で約245万円の出費で済む計算になります。

ただし、これは4年間の無償化が完全に適応された場合なので、扶養する子どもが3人以下になる時期を考慮する必要があります。

今後の動きをチェックしよう

「2人目や3人目を考えているが、教育資金に不安がある…。」という方にとって、家族計画を考える上での重要な判断材料となる政策だと思います。

施策の詳細はまだ変更になる部分も多いので、今後の情報も引き続きチェックしていきましょう。

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