体の冷えや婦人科系の悩みを持っている女性たちを中心に注目されている「よもぎ蒸し」。妊活に取り入れているという人も多いようです。今回は、よもぎ蒸しの効果や効能、不妊に効くのか、妊娠に効果的な施術タイミングなどをご紹介します。
よもぎ蒸しとは？
「よもぎ蒸し」とは、韓国で600年以上も前から伝わる民間療法です。よもぎを中心に数種類の漢方生薬を煮出し、薬草の成分が含まれた蒸気で下半身から体を温めます。
韓国では、よもぎ蒸しが出産後の子宮の回復を助けるといわれていて、出産でダメージを受けた体を回復させる目的で始められたのが発祥といわれています。
よもぎ蒸しを行っているリラクゼーションサロンなどでは、穴の開いた椅子の下でよもぎを蒸し、専用のケープで首から下を覆いながら座ることでサウナ状態にして下腹部を中心に蒸気を当てていきます。
また、よもぎの成分が配合された生理用ナプキンのようなパッドも市販されていて、ショーツに付けて使用することで体を温めます。
よもぎ蒸しにはどんな効果・効能があるの？
よもぎ蒸しは、婦人科系や美容効果の悩みをケアしてくれるなど、女性の体に様々な影響を与えてくれるといわれています。ただし、よもぎが婦人科系症状に対して効果があるかどうか、医学的なデータはありません（※1）。
そもそも、よもぎとは、キク科の多年草です。独特の香りがあり、日本では草餅や汁物の具などに使用されます。また、昔から、止血・殺菌・消炎鎮痛・解毒作用があるといわれ、傷口の消毒をはじめ、頭痛や肩こりの解消にも使われてきました。
ここでは、よもぎ蒸しをすることで期待できる、具体的な効果・効能をご紹介します。
よもぎ蒸しで期待できる効能
●体が温まる
●新陳代謝が向上
●免疫力が向上
●毒素を排出
●血行を促進
●ホルモンバランスの調整
●皮脂の分泌を抑える
●粘膜や皮膚を正常に保つ
●脳神経を鎮静化
よもぎ蒸しで期待できる効果
●美肌・美白
●アレルギーの抑制
●むくみケア・痩身
●婦人科系の悩みをケア
●ストレスを緩和
●低体温を緩和
●お通じの改善
●頭の痛みを緩和
前述の通り、これらの効能・効果には医学的な根拠はありませんが、よもぎを温めて皮膚に直接吸収させることで、栄養成分や香りが上記のような効果や効能が期待できると考えられます。
よもぎ蒸しは不妊に効果があるの？妊娠しやすくなる？
よもぎ蒸しは、直接、不妊に効くと約束できるものではありません。しかし、妊娠しやすい体作りの手助けをしてくれるといわれています。ここでは、妊娠しにくいといわれている体の状態に対して、よもぎ蒸しがどんな影響を与えるのかご説明します。
妊娠しにくい状態の体とは？
体の末端やお腹周りが冷たい・低体温
女性の体は冷えやすいといわれていますが、特に子宮は毛細血管しか通っていないので、とても冷えやすい臓器といわれています。血の流れが滞ると新鮮な血や酸素が隅々までいきわたらず、子宮や卵巣の機能が低下する可能性があります。
ストレスが溜まっている
排卵を促すホルモンはストレスに弱いため、過度なストレスを受けると正常な指令を出せなくなります。ストレスが溜まっているとホルモンバランスが崩れて、排卵機能が低下したり生理周期が乱れたりすることがあります（※2）。
よもぎ蒸しで妊娠しやすい体に
内臓が活発に働く・骨盤内の代謝が上がる
よもぎを蒸して腟粘膜に直接あてるので、体が内側からしっかりと温められ、内臓温度や基礎代謝が向上します。女性ホルモンの分泌をコントロールしやすい状態に手助けしてくれます。
下腹部の血液の循環を促進
血液が巡ることで子宮や卵巣の老廃物がケアされ、婦人科疾患や生理不順、生理痛の緩和を手助けしてくれると考えられます。酸素をたくさん含んだ新鮮な血が体中に巡り、低下していた機能を活発にしてくれます。
脳神経を鎮静化しリラックス状態に
よもぎの香りに含まれるシネオールには、イライラした精神状態を落ち着かせる効果が期待できます。質の良い睡眠にも繋がり、副交感神経が優位になることで、緊張していた心と体をリラックス状態に導きます。
妊活中によもぎ蒸しをするタイミングはいつ？注意点は？
よもぎ蒸しをするタイミングは、排卵前が良いといわれています。排卵前の低温期に下腹部を温め、黄体ホルモンの分泌を促すことで、子宮内膜を厚くし妊娠しやすい状態へ導きます。
反対に、排卵後や受精後は避けた方がいいといわれています。排卵後、女性の体は高温期に入るため、下腹部を温め過ぎることで血の流れが必要以上に促されてしまいます。また精子は熱に弱いので、子宮内部で弱ってしまうこともあると考えられているようです。
ただし、よもぎ蒸しで妊娠率が上がることに医学的根拠がないことから、妊活中によもぎ蒸しをするタイミングについても諸説あります。高温期に温めた方が良いという説や、生理中のよもぎ蒸しのパッドの使用を勧めるケースと勧めないケースなども聞かれます。
ただ、よもぎの種類によっては、経口摂取によって月経刺激作用や堕胎作用があるので、妊娠の可能性があるときは使用を控えたほうがいいでしょう（※1）。
よもぎ蒸しで健康的な体つくりをしよう
体の冷えは、不妊に限らず、女性の体にあらゆる悪影響を与えます。よもぎ蒸しで体を温めて、冷えを緩和しましょう。
ただし、よもぎ蒸しによって妊娠率が高まるという医学的根拠はないため、あくまでも妊娠しやすい体の状態に整える手段のひとつとして行うようにしてください。運動や食生活、生活リズムを整えることも、妊娠しやすい体作りには大切なので、健康的な生活を送ることを心がけていけるといいですね。
