赤ちゃんが苦しそうにゼーゼーと息をしていると、心配ですよね。「風邪なのかな?」と病院に連れて行くと「喉頭軟化症」と診断されることがあります。それでは、喉頭軟化症とは、どんな病気なのでしょうか?また、どのように対処すれば良いのでしょうか?今回は喉頭軟化症について、原因や症状、診断方法、治療法などをご紹介します。
喉頭軟化症とは?
喉頭軟化症とは、喉頭を構成する軟骨が軟らかいために起こる喉の病気です。
喉頭の軟骨が軟らかいと、喉頭蓋(こうとうがい)と呼ばれる喉頭の入り口の部分が、息を吸うときに気管の方に引き込まれてしまうのです。
そうすると、息が詰まって苦しくなり、主に息を吸い込むときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった喘鳴(ぜんめい)が起きるのですが、喉頭軟化症は乳児期の喘鳴の原因として最も多いものです(※1)。
喉頭軟化症の原因は?
喉頭軟化症の主な原因は、軟骨の成長が不十分であることです。
喉頭は複数の軟骨によって構成されており、そのうちの多くは胎児の時期に軟骨化しますが、喉頭の上部を覆っている部分だけ軟骨化が遅れることがあります。
すると、喉頭の軟骨の一部が軟らかいままとなり、喉頭軟化症が発症します。
喉頭軟化症の症状は?
喉頭軟化症の主な症状は、呼吸の際に生じる「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴です。症状が重い場合、呼吸困難を起こし、顔色が悪くなるチアノーゼや哺乳低下が現れることがあります。
喉頭軟化症は、呼吸量が増え、泣き声も大きくなる生後2週間以内に現れることが多く、生後6ヶ月頃にピークを迎えるとされています(※1)。
喉頭軟化症の診断方法は?
喉頭軟化症が疑われる場合、息を吸うときに、喉頭蓋が気管に引き込まれているかをファイバースコープで調べて診断するのが一般的です。
喉頭軟化症の15~60%は、他の気道異常を合併するため、症状が重たい場合には、気管支鏡検査が行われることがあります(※1)。
喉頭軟化症の治療法は?
喉頭軟化症は、多くの場合、気道が発達するにつれて自然に治まっていきます。基本的には、定期的な診察で体重の増減を管理しながら、経過観察します。
ただし、成長障害やチアノーゼが見られるなど、症状がひどい場合は、喉頭レーザー形成術や気管切開といった医療的処置が必要になります。
喉頭軟化症への対処法は?
喘鳴で呼吸が苦しそうなときは、お腹を下にして腹ばいにすると、呼吸が楽になります。また、哺乳によって症状が悪化する場合は、スプーンで少量ずつ飲ませるようにしてください。
ただし、いつもと違う症状が現れ、どうすれば良いのか困ったときは、無理に自宅で対処しようとせず、すぐに小児科を受診しましょう。
喉頭軟化症の赤ちゃんは風邪に注意
喉頭軟化症はあまり知られていない病気なので、赤ちゃんが喉頭軟化症になったと聞くと、不安になるかもしれませんが、多くは成長に合わせて自然に治まっていくものです。
しかし、風邪などの呼吸器感染症にかかると、症状を悪化させてしまうので、感染症にかからないための予防を行うことが大切です。
ママやパパが感染症を持ち帰らないように、帰宅時の手洗いやうがいを徹底したり、加湿器で部屋の乾燥を防いだりして、子供の健康を守っていきましょう。また、風邪を引いてしまったときも、症状を悪化させないように、早めに病院を受診することも大切です。