破傷風は、感染者の命を奪う可能性がある危険な病気です。予防のためにはワクチン接種が有効ですが、どのくらいの頻度で、何回受けないといけないのか知っておきたいですよね。
そこで今回は、破傷風ワクチンの予防接種の効果や回数、副反応などをご紹介します。
破傷風とは?
破傷風とは、破傷風菌が傷口から体内に侵入して、さまざまな神経に作用する病気です。破傷風菌は土の中に生息しており、道で転んだり土をいじったりしてできた擦り傷や切り傷から、感染することがあります。
感染から3~21日の潜伏期間を経て、口や手足のしびれ、痙攣、呼吸困難、発語障害などの症状が現れます(※1)。
破傷風は、感染すると命に危険が及ぶこともある恐ろしい病気で、注意が必要です。
破傷風ワクチンの予防接種の効果は?
破傷風ワクチンは、破傷風菌を殺して毒性をなくし、免疫を作るために必要な成分だけを抜き出して作られた不活化ワクチンです。
国立感染症研究所や厚生労働省によると、適切なスケジュールで、決められた回数の予防接種を受ければ、ほぼ100%の確率で免疫を獲得でき、接種後10年間は免疫力が持続するとされています(※1,2)。
1968年に破傷風のワクチンが定期接種となってからは感染者数は減少していますが、今なお年間約100名以上の人が感染しています(※1)。
破傷風ワクチンの予防接種の時期や回数は?
破傷風ワクチンは、定期接種である五種混合ワクチンと四種混合ワクチン、二種混合ワクチン、任意接種である三種混合ワクチンに含まれています。
定期接種としての接種可能期間は、五種混合ワクチン・四種混合ワクチンが生後2~90ヶ月(7歳6ヶ月)の間に4回、二種混合ワクチンが11~12歳の間に1回です。
日本小児科学会が推奨している四種混合ワクチンの接種スケジュールでは、生後2ヶ月~1歳の間に、それぞれ3~8週間(20〜56日)の間隔をあけて、3回接種を行います。
そして、3回目の接種から最低6ヶ月以上の間隔をあけて、1歳を超えたら早めに4回目を接種します(※3)。
その後、11~12歳の間に破傷風とジフテリアの二種混合ワクチンを接種します。
破傷風ワクチンの予防接種の費用は?
破傷風ワクチンは、定期接種で接種する際は定められた期間内であれば、無料で接種できます。
ただし、最後の接種から10年以上経つと効果が落ちてしまいます。大人になってから土などで汚れた傷ができた場合は、破傷風予防のために追加でワクチンを打つこともあります。
追加で接種する際は、任意接種となります。病院によって費用は異なりますが、1回あたり1,500~5,000円ほどの費用がかかることが多いです。
破傷風ワクチンの予防接種の副反応は?
破傷風ワクチンの予防接種を受けた後、注射した部分が赤く腫れたり、しこりができたりするなどの副反応が起きることがありますが、ほとんどの場合2〜3日以内に自然に消えます(※4)。
予防接種を受けたあとに何か気になる症状が起きた場合は、予防接種を受けた病院、もしくは小児救急電話相談(#8000)に連絡してくださいね(※5)。
破傷風ワクチンの予防接種を受けよう
破傷風ワクチンの予防接種は、注射を打つ回数が多いため、スケジュール管理が大変ですよね。予防接種の管理アプリなどを使って受け忘れがないようにしましょう。
何らかの事情で予定通りに予防接種が受けられなかった場合は、かかりつけの小児科医や地域の保健センターにすぐに相談してくださいね。