赤ちゃんが体調を崩して、粉薬を飲ませなければいけなくなったとき、どのようにして飲ませていますか?小児用の薬は大人よりも飲みやすい味にしてあるものの、決して美味しいとはいえず、嫌がって飲まない赤ちゃんもたくさんいます。それでは、粉薬はどのようにして飲ませるのが良いのでしょうか?今回は、赤ちゃんの粉薬の飲ませ方と注意点、飲まないときの対処法についてご紹介します。
赤ちゃんに粉薬を飲ませるときの体勢は?
赤ちゃんに薬を飲ませるのに、苦労しているママやパパは多いですよね。そこで、まずは薬を飲ませるときの体勢についてご紹介します。
赤ちゃんに粉薬を飲ませるときの体勢
- 利き腕と反対側の腕で、赤ちゃんの両肩をしっかりと抱く
- 赤ちゃんが脚をバタつかせるときは、自分の腿(もも)の間に赤ちゃんの脚を挟む
- 利き手を使って赤ちゃんに粉薬を飲ませる
赤ちゃんに粉薬を飲ませるときは、上記のような体勢で行うといいですよ。ここからは、粉薬が飲みやすくなる方法について詳しくご説明していきます。
赤ちゃんの粉薬の飲ませ方1:練り薬を作る
粉薬が処方されたら、まずはこの飲ませ方を試してみてください。やり方は簡単で、薬に少量の水を垂らし、練り薬として飲ませるというものです。
練り薬を使った粉薬の飲ませ方
- 醤油皿などの小皿に粉薬を出す
- スポイトや清潔な指を使って、薬の上に水を2、3滴垂らす
- 清潔な指で薬と水をなじませて、耳たぶくらいの硬さに練る(水が多すぎると垂れてしまって飲ませづらくなるので、水は少なめにする)
- 薬を指ですくい取り、赤ちゃんの頬の内側、もしくは上あごに塗る
- 赤ちゃんに湯冷ましや麦茶などを飲ませる
赤ちゃんは味覚が敏感なため、舌の上に直接薬を乗せてしまうと、吐き出してしまうことがあります。ポイントは、吐き出しづらく、飲み込んでくれやすい、頬の内側か上あごに塗るようにすること。唾液と一緒に薬が溶けていって、内服できますよ。
赤ちゃんの粉薬の飲ませ方2:ゼリーにかける
ゼリーにかけることで粉薬の味を紛らわせる飲ませ方もあります。ゼリーの食感が助けになって、薬を飲み込みやすくなりますよ。
ゼリーを使った粉薬の飲ませ方
- 赤ちゃんが一口で食べられるサイズに、スプーンでゼリーをすくう
- ゼリーに粉薬をふりかける
- スプーンごと赤ちゃんの口の中へ入れる
ゼリーには、おやつ用以外に薬の内服用として販売されているものもあります。味もイチゴやブドウ、チョコレートなどいろいろあるので、赤ちゃんの好きな味で試してみると、喜んで飲み込んでくれるかもしれません。
赤ちゃんの粉薬の飲ませ方3:アイスクリームやヨーグルトに混ぜる
赤ちゃんがアイスクリームやヨーグルトが好きな場合、これらに粉薬を混ぜて与えると、きちんと飲み込んでくれることがあります。
アイスクリームやヨーグルトを使った粉薬の飲ませ方
- 小さなボウルに、一口分のアイスクリームやヨーグルトを入れる
- アイスクリームやヨーグルトに粉薬をかけて混ぜる
- スプーンですくい、赤ちゃんの口の中へ入れる
ポイントは、きちんと混ぜて、できるだけ薬の味が分からないようにすることです。混ぜずに、粉薬をかけたままであげてもいいのですが、粉がついた部分が舌に触れてしまうと、薬の味がして嫌がることがあります。
また、アイスの味はバニラやチョコレートなどが良く、柑橘系の味は薬の味を悪化させることもあります。
赤ちゃんへの粉薬の飲ませ方で注意したいことは?
上記の方法で赤ちゃんに粉薬を飲ませるときに注意したいことがいくつかあります。
事前に医師や薬剤師に確認する
何かにかけたり混ぜたりして粉薬を飲ませる方法をお伝えしてきましたが、そういった飲ませ方をする場合は、事前にかかりつけの医師や薬剤師に確認をとるようにしましょう。
粉薬のなかには、特定の食べ物と一緒に摂取することで、吸収率が下がってしまったり、粉薬の苦味が強調されたり、あるいは食べ物の味そのものを変えてしまうこともあるからです。
薬を混ぜた食べ物を嫌いにならない工夫をする
場合によっては、食べ物と一緒に粉薬を赤ちゃんに飲ませたことで、その食べ物を赤ちゃんが食べなくなってしまう可能性もあります。
そういったことを防ぐため、たとえばゼリーと一緒に粉薬を飲ませる場合は、まず粉薬の入っていないゼリーを少し食べさせ、安心させてから粉薬をかけたゼリーを与え、最後に粉薬の入ってないゼリーでお口直しをしてあげるといいですよ。
乳製品に混ぜて粉薬を与えるときは要注意
ヨーグルトは、全脂無糖タイプのものであれば、生後7~8ヶ月頃から与えることができます(※1)。ただし、家族に牛乳アレルギーを持つ人がいる場合は、念のため1歳を過ぎるまでは、あげるのを控えておきましょう。
アイスクリームならバニラ味がどの粉薬にも合いますが、1歳を過ぎてから食べさせるのがおすすめです。
いずれにせよ、乳製品を与えるタイミングで迷ったときは、かかりつけの医師に相談してみてください。
ママ・パパの爪は短く切っておく
練り薬を作って粉薬を赤ちゃんに飲ませる場合は、赤ちゃんの口の中を傷つけてしまわないように、ママやパパは爪を短く切っておきましょう。
赤ちゃんが粉薬をどうしても飲まないときの対処法は?
上記の方法でも赤ちゃんが粉薬を飲まないときは、医師に相談するとシロップや座薬など、同じ効果のある別の薬を処方してくれることがあります。何度か粉薬を試してみて、どうしても飲まないということであれば医師に相談しましょう。
また、ミルクに粉薬を混ぜて与えるという方法もありますが、薬の味が原因でミルク嫌いになってしまう恐れがあるので、避けた方が無難です。
ミルクに混ぜてあげるしか方法がないという場合には、医師と相談したうえで、お腹が空いているときに、少量のミルクに粉薬を入れて飲ませましょう。そして、その後に、粉薬が入っていない美味しいミルクをたっぷりあげてください。
赤ちゃんが粉薬を飲まないときは専門家に相談しよう
なぜ粉薬を飲まないといけないのか、その理由が分からない赤ちゃんが粉薬を嫌がるのも当然ですよね。しかし、早く元気になってもらいたいので、なんとかして飲ませたいというのが親心でしょう。
赤ちゃんが粉薬を飲まないときは、まずは好きな食べ物や飲み込みやすい食べ物と一緒に与えてみましょう。また、楽しい雰囲気を作ってあげてください。何度か試してみて、それでも赤ちゃんが粉薬を飲んでくれないというときは、かかりつけの医師や薬剤師に相談してくださいね。
シロップや座薬・貼り薬などの別の薬に変えてくれたり、粉薬の飲ませ方のアドバイスがもらえたりすることがありますよ。