性器クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスという微生物が原因で起こる性感染症です。病気が進行して合併症を起こす前に、感染にいち早く気づいて早めに対処することが大切です。今回はクラミジアの検査方法や費用のほか、病院で検査するのにかかる時間や、自宅で使える検査キットについてご説明します。
性器クラミジアとは?
性器クラミジアは、性感染症のなかでも特に感染者が多い病気です。しかし、自覚症状がほとんど現れないので、感染しても気がつかないケースも少なくありません。
おりもの増加や、不正出血、下腹部痛といった症状が現れることもありますが、どれも症状は軽いため、見過ごされることもよくあります。
ただ、男性は排尿痛などの自覚症状が比較的現れやすいので、パートナーにそうした症状が現れたときは女性も一緒に検査を受けましょう。放置してしまうと、性交渉を通じてお互いに移しあってしまう恐れがあります。
クラミジアの検査方法は?血液検査で何がわかるの?
性交渉を行ったあとに、性器のかゆみや痛みを感じた場合、もしくは特に自覚症状がない場合でも、病院の婦人科や泌尿器科で性器クラミジア感染症の検査を受けることができます。
一般的に、精度が高い検査法は、核酸増幅法(PCR法)というものです。これは、綿棒のような器具でおりものを採取し、それに含まれる死菌のDNAをコピーすることで、検出感度を上げる方法です。
また、血液検査によって体内に抗体があるかどうかを確かめ、過去の感染経験も含めて調べる方法もありますが、性交渉など感染機会の直後は検査することができません(※1)。
病院でクラミジア検査を受ける費用は?
性感染症検査を受ける費用は、痛みやかゆみなどの自覚症状がある場合、基本的には健康保険が適用されます。クラミジア検査を病院で受ける場合、診察から検査、薬代まで含めて3,000円前後かかります。
ただし、「特に自覚症状はないが、念のため検査を受けたい」、という場合は自費診療になることがほとんどです。その場合、同じ検査でも1万円前後かかります。
病院や検査方法によって費用に幅があり、初診料・再診料などが追加で必要になる場合もあるので、事前に病院に問い合わせてみてください。
クラミジア検査の結果が出るまでどのくらい?
検査結果が出るまでにかかる時間は、検査方法によって異なります。「即日検査」といわれる簡易的なものであれば、当日30分ほどで結果が出ますが、精度はそれほど高くありません。
PCR法や血液検査の場合、精度は上がりますが、結果が出るまでに数日~1週間かかります。
また、パートナーと一緒に検査を受けた場合、男性の尿検査は結果がわかるまで1週間ほど必要になります。自分が感染していなかったとしても、パートナーの結果がわかるまでは性行為は控えましょう。
クラミジアの検査キットは自宅で使えるの?
最近では、自宅でクラミジア感染の有無を調べられる検査キットも販売されています。検査キットは、民間の検査会社が販売しており、インターネットの通販サイトなどを通じて入手できます。
検査キットの費用は、クラミジアの感染の有無だけを調べるのであれば5,000円前後で購入できます。ただし、キットを使った検査には保険が適用されず、全額自己負担になります。
また、クラミジアと混合感染しやすい淋病などの性感染症も同時に調べられる検査キットもあります。検査項目が増えるほど金額も上がるので、キットを選ぶ際はどの項目が含まれているのかをきちんと確認しましょう。
一般的な利用の流れは、自宅に検査キットが届いたら、指示に従って膣内からおりものを採取し、それを検査会社へ返送すれば完了です。数日後には検査結果が通知されてきます。
検査キットは、プライバシーが守られる、忙しくて病院に行けなくても自宅で調べられる、といったメリットがありますが、「自分で正しく検査できるか心配」という人は、病院で受診する方が安心です。
クラミジア検査で早期発見につなげましょう
性器クラミジア感染症は、多くの場合、自覚症状がないのが恐いところです。感染に気づかないまま放っておくと、症状が悪化して不妊症の原因にもなりかねません。
感染を発見し、できるだけ早く治療をスタートするために、病院または検査キットを利用して調べてみましょう。