性器クラミジア感染症の症状は?女性と男性で違うの?

監修医師 泌尿器科 小堀 善友
小堀 善友 2001年金沢大学医学部卒業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。日本性機能学会専門医。日本性科学会セックスセラピスト。日本性感染症学会認定医。米国イリノイ大学にてスマートフォン精液検査を研究し、現在商品... 監修記事一覧へ

「性感染症には、色々な異性と性交渉をしている人がかかる病気」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実際には特定の相手としか性交渉をしていなくてもかかる可能性があります。その中でも性器クラミジア感染症は、妊娠中にかかると胎児に悪影響が出る性感染症で、注意が必要です。今回は、性器クラミジア感染症について、原因や症状、検査・治療方法などをご説明します。

性器クラミジア感染症とは?原因は?

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性器クラミジア感染症とは、「クラミジア・トラコマチス」という微生物に感染して発症する性感染症です。16~25歳の男女の5~6%が感染しているといわれ(※1)、年間の患者数は男女合わせて2万人を超えます(※2)。

クラミジアは、尿道や子宮頸管の分泌物の中に潜んでいることが多く、性行為による粘膜同士の接触によって主に生殖器に感染します。性器だけでなく咽頭や肛門など、様々な性行為によって感染する可能性があります。

性器クラミジア感染症の症状は?女性と男性で違う?

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クラミジアは感染する箇所によって現れる症状が異なります。咽頭部分に感染した場合は、男女関係なく、どちらも咽頭炎や扁桃腺炎が現れます。

そのほかの症状については、男性と女性で次のような違いがあります。

男性の症状

男性におけるクラミジアの主な感染部位は尿道で、感染して1~2週間すると、排尿時に軽い痛みや違和感を覚え、薄い白色の分泌液が出ることがあります。また、性器のかゆみを感じることもありますが、感染初期にはあまり自覚症状がありません。

精巣の横についている「精巣上体」に感染が進むと、痛みや腫れを感じる「急性精巣上体炎(副睾丸炎)」を引き起こします。重症化すると、高熱が出て入院治療が必要になることもあります。

男性が性器クラミジア感染症を放っておき、症状が悪化すると、精子の通り道が塞がって無精子症になる恐れもあります(※3)。無精子症は、男性不妊の原因になってしまうため、早期の治療が大切です。

女性の症状

女性がクラミジアに感染しても、初期には自覚症状がほとんど現れません。人によっては、性交後1~3週間でおりもの量の増加や不正出血、性交痛、下腹部痛、性器のかゆみなどが現れる場合があります。

また、クラミジアが子宮頸管を経てお腹の中に侵入してしまうと、子宮頸管炎や子宮内膜炎、卵管炎などを引き起こすことも。感染に気づかないまま炎症が進んでしまうと、不妊や異所性妊娠(子宮外妊娠)を招くリスクがあります(※1)。

妊娠を考えている女性は、一度婦人科で検査しておくと安心です。

妊娠中のクラミジア感染は危険?

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先ほどもご説明したように、女性がクラミジアに感染しても自覚症状がないことがほとんどです。国立感染症研究所によると、順調な妊婦さんのうち約3~5%でクラミジア感染が見られますが、妊婦健診ではじめて感染に気づく人も少なくありません(※4)。

妊婦さんが性器クラミジア感染症にかかると、稀に「絨毛膜羊膜炎」を誘発し、子宮収縮が促されて流産や早産の原因となることがあります。また、分娩時に感染していると、赤ちゃんが産道を通って生まれてくるときに感染し、新生児結膜炎や新生児肺炎を引き起こすことも考えられます(※1)。

妊娠中にクラミジア感染が見つかった場合は、抗菌薬を投与するなどして治療します。

性器クラミジア感染症の検査・治療方法は?

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クラミジアの検査方法

クラミジアは、男性であれば尿検査、女性であれば子宮頸管の分泌液検査によって、抗体測定や遺伝子検出をすることができます。男性は泌尿器科、女性は婦人科で検査できるほか、市販の検査キットを用いて自分で調べることも可能です。

女性の場合は性器だけでなく、お腹の中にも感染が及んでいる場合もあるので、血清抗体検査などを用いることもあります。

市販のキットで検査をしたとしても、その後適切な治療をしなければ悪化してしまう恐れがあるので、必ず病院を受診して医師に相談しましょう。

クラミジアの治療方法

性器クラミジア感染症を治療するには、クラミジアに効果のある抗菌薬を2週間程度服用します(※3)。主に用いられるのは、マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系の薬です。

男女間でお互いにうつし合ってしまう、いわゆる「ピンポン感染」のリスクがあるため、性器クラミジア感染症の可能性がある場合には、たとえパートナーに症状が出ていなくても、2人で一緒に検査と治療を受けましょう。

性器クラミジア感染症は早期の治療が大切

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性器クラミジア感染症は、自覚症状があまりないため、感染が広がりやすく、特に女性は知らず知らずのうちにかかってしまっている可能性があります。

治療しないまま放置してしまうと、男女ともに不妊につながる恐れがあるので、性交痛や排尿痛、性器のかゆみがあれば、できるだけ早く病院を受診しましょう。どちらか一方が感染していた場合には、2人とも検査・治療を受けるようにしてくださいね。

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