生理前・生理中は、頭痛や腹痛、疲れやすいなどの身体的な不調や、イライラ、憂鬱といった精神的な不快症状を感じている女性がたくさんいます。これらの症状は、生理が終わると解消されるという人が多いですが、なかには生理後まで不調に悩まされる人もいます。そこで今回は、生理後に体がだるい原因と、そのだるさを解消するための方法、予防方法などをご説明します。
生理後はだるい状態になりにくいもの？
女性の体内では、生理周期にあわせて、「エストロゲン（卵胞ホルモン）」と「プロゲステロン（黄体ホルモン）」という女性ホルモンが分泌されています。
一般的に、排卵後から生理前にかけてはプロゲステロンの分泌が多く、生理後はエストロゲンの分泌が増えます。
エストロゲンは、女性の健康や美容のサポートをしてくれるといわれているホルモンで、分泌が多くなる生理後は、精神的にも身体的にも不調が少なくなるのが一般的です。
生理後にだるい原因は？
前述のとおり、生理後は一般的に調子が良く、だるさが現れにくい時期です。それでも生理後にだるいというときは、下記のような原因が考えられます。
ホルモンバランスの乱れ
エストロゲンとプロゲステロンのホルモンバランスが乱れ、生理後にもプロゲステロンの分泌量が多い、あるいはエストロゲンの分泌量が少ないといった状態が続いている可能性があります。
ホルモンバランスは、体調不良やストレス、寝不足、栄養の偏りなど、様々な要因で乱れます。自分の生活を見直して、思い当たることがないか考えてみましょう。
貧血
生理中は、血液が優先的に子宮へと送られるうえ、経血を排出しているため、貧血になりやすい状態です。生理後も、血液の供給量が間に合わ無かった場合、貧血のような症状が続く可能性があります。
貧血になると体内が酸欠状態になるため、体がだるいと感じやすくなります。
疲労
経血を排出している生理中は、どうしても体力が奪われてしまいます。生理後すぐは、生理による疲労感が出やすい時期とも言えるでしょう。
生理による疲労によって、何だか体がだるく感じることもあるかもしれません。
生理後のだるさを解消する方法は？
生理後のだるさを解消するためには、原因に合わせて、下記のような方法を試してみましょう。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは一朝一夕に治せるものではありませんが、できるだけ無理せず、規則正しい生活を送るようにしましょう。
自分の生活を見直して、寝不足が続いていた人はよく眠り、ジャンクフードを食べることが多かった人は、栄養バランスの良い食事を心がけてみてください。
貧血
貧血が原因であれば鉄分を意識的に摂取するようにしましょう。少しずつですが、だるい状態も改善されていきます。
動物性の鉄分は吸収率が高いので、肉類や魚介類で摂取しましょう。レバーや牛もも肉、あゆ、めざしなどがおすすめです。
また、緑黄色野菜や海藻類に含まれる植物性の鉄分は、吸収率が低いのですが、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒にとることで吸収率を高めることができます。食べ合わせを工夫して食事に取り入れてみてください。
疲労
疲れている自覚があるときは、ゆっくり休むことです。睡眠をたっぷりとって、リラックスした状態で過ごすようにしましょう。
また、生理後に疲労が残るときは、生理中に無理をしすぎていたかもしれないので、次の生理では意識して、ゆったりと過ごすようにしてください。
生理後のだるさを予防するには？
ホルモンバランスを整え、貧血になりにくい体を作ることで、生理後のだるさ予防につながる可能性があります。下記のような方法が予防に効果的です。
規則正しい生活を送る
健康的な規則正しい生活は、ホルモンバランスを整えることにつながります。今の食事習慣、睡眠習慣などを見直してみてください。
無理してガラリと変える必要はないので、食事にサラダを加えたり、早めにベッドに入るようにしたりと、少しずつ、できることから始めてみてくださいね。
血行をよくする
血行不良は、ホルモンバランスの乱れや貧血の要因になるので、普段から血行をよくすることを意識しましょう。
ウォーキングやストレッチなど軽めの運動を心がけ、1日の終わりには湯船に浸かるなど、血行が改善できるような習慣を生活のなかに取り入れてみてください。
鉄分を摂る
前述のとおり、貧血対策には鉄分の摂取が欠かせません。生理がある成人女性は、1日あたり10.5mgの鉄分を摂取するよう推奨されています（※1）。
例えば豚レバーには、焼き鳥1串（30g）あたり3.9mg、あゆには1尾（60g）あたり3.3mgの鉄分が含まれています（※2）。鉄分が含まれている食材を、うまく食事に取り入れていきましょう。
生理後にだるいときは病気の可能性も
本来であれば、生理後はだるくなりにくいタイミングです。そのため、生理後のだるさの裏には、なんらかの病気が隠れている可能性もあります。
例えば風邪を引いているかもしれませんし、生理が終わるたびにだるさがあるような人は、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系の疾患を発症し、生理中の経血量が多すぎるなどの問題があるかもしれません。
生理後にだるさがあるときは、だるさ以外の症状はないか、生理中にいつもと違う不調を感じないかなど、自分の体調もあわせてチェックしてみましょう。生理後のだるさが続くようなら、一度婦人科で検査を受けることをおすすめします。
