生理後に強い眠気を感じることはありませんか?生理前や生理中に眠くなるという話はよく聞きますが、生理が終わっても眠いのは珍しいことです。それだけに、生理後に決まって眠気を感じる人は「何かの病気ではないか」と不安ですね。今回は生理後に眠気が起きる理由や解消法、妊娠の可能性があるかどうかなどをご説明します。
生理後の眠気の原因は?
生理後にだけ眠気を感じる、または生理前や生理中からの眠気が、生理が終わっても続くというときは、下記のような原因が考えられます。
基礎体温の低下
女性の体は生理周期に合わせて、基礎体温が高い「高温期」と、基礎体温が低い「低温期」に分けられます。一般的に、排卵後から生理前までは高温期、生理中から次の排卵までは低温期です。
人間の体は体温が低くなると眠気を感じやすくなるので、低温期にあたる生理後は、眠くなりやすいという人もいます。
ホルモンバランスの乱れ
生理前に眠くなるという人も多いと思いますが、これは生理前に分泌される「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンが、催眠作用を持っていることが原因だと考えられます(※1)。
生理後はプロゲステロンの分泌が減り、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌量が増えるため、一般的に女性ホルモンの影響を受けて眠くなることは少ないのですが、ホルモンバランスが崩れていて、生理後までプロゲステロンの影響が残っている場合、眠気を感じることがあります。
貧血
生理中は経血がたくさん排出されるうえ、スムーズな排出のために子宮へと優先的に血液が送られるため、体内の血液量が一時的に不足して、貧血状態になることがあります。すると「朝起きられない」「体がだるい」などの症状が現れ、眠気を感じることもあります。
この貧血状態は、生理が終われば治まるのが一般的ですが、生理直後はまだ影響が残っていることもあります。
生理後に眠いときはどうする?
生理後に眠気を感じ、すぐにどうにかしたいというときには、下記のような方法を試してみてください。
仮眠をとる
眠いときは、思い切って仮眠をとるのも一つの方法です。我慢しすぎず、15分程度だけでも横になるといいでしょう。過眠を取れる環境にないときは、その場で少し目をつぶるだけでも効果的ですよ。
ツボを押す
眠気が強いときは、目が覚めるツボを押すのもおすすめです。目の周りが重たい感じがする人は、目頭と眉の間にあるくぼみを上に押し上げてみましょう。
眠くて気分がすっきりしないときは、頭のてっぺんにある百会というツボがいいですね。心地よい強さで、下に向かって押しましょう。
体を動かす
立ち上がって背伸びをしたり、体をひねったりと、少し体を動かすのもリフレッシュになります。肩や首の周りがほぐれるストレッチをすると、頭がすっきりしますよ。
生理後の眠気の予防法は?
生理が終わると毎回眠気を感じるという人は、日頃からホルモンバランスを整えたり、貧血を解消したりと、予防を行うことが大切です。下記のような方法を試してみてくださいね。
規則正しい生活を心がける
ホルモンバランスを整えるためには、何より規則正しい生活が大切です。しっかりと眠り、栄養バランスのよい食事を三食しっかり摂りましょう。
生活習慣を一気に変えるのは難しいと思うので、少し早めにベッドに入るようにしたり、朝食を抜かないようにしたりと、できることから少しずつ行ってみてくださいね。
鉄分を摂取する
貧血は血液中の鉄分が不足することで起こるので、貧血症状があり、生理後に眠気が強いという人は、意識的に鉄分を摂取するようにしましょう。
鉄分を多く含む食材はレバーやマグロの赤身、カツオ、ヒジキ、ブロッコリーなど。鉄分を摂取するときは、ビタミンCと一緒に食べると吸収率がアップするので、キャベツやみかんなど、ビタミンを多く含む食べ物とあわせると効果的です。
なかなか摂取できないという人はサプリメントを活用するのもいいですが、過剰摂取にならないよう、摂取目安量を守りましょう。厚生労働省によると、生理がある20~40歳代の女性の鉄分摂取推奨量は、1日あたり10.5mgです(※2)。
生理後の眠気は一人で悩みすぎないで
生理後に現れる眠気は珍しいので、周囲に分かってもらえず、不安になるかもしれません。ただ、過度に不安を感じてストレスがたまると、ホルモンバランスを乱してしまう原因にもなります。生理後の眠気があまりにひどいときは、婦人科を受診するようにしてください。
眠気の原因がわかれば、症状に合わせて治療を行うことが可能です。生理後の眠気に悩まされず、快適な生活を送るためにも、一人で悩まず、早めに病院に相談するようにしてくださいね。