赤ちゃんの咳が止まらないと、何かの病気ではないかと心配になりますよね。受診する目安や自宅でできる対処法を知っておきたいのではないでしょうか。
そこで今回は、咳がひどいときに考えられる病気と対処法などについてご紹介します。
赤ちゃんの咳が止まらない・長く続く原因は?
咳は喉や鼻に入った異物を外に出そうとする反射的な行動の一つです(※1)。赤ちゃんの場合は空気の通り道が狭く、寒暖差や乾燥、小さな異物にも反応しやすいために、大人よりも咳をしやすいといわれています。
赤ちゃんの咳が長く続く、対処してもなかなか止まらない、発熱や鼻水など他の症状を伴うといった場合は、以下のような他の病気が隠れているかもしれません。
肺炎
咳と高熱が続き呼吸困難・顔色不良がある場合は、肺に炎症が起きている可能性もあります。主にウイルスによって引き起こされますが、細菌による感染症が合併していることもあります。
気管支炎
ウイルスや細菌による感染が原因で気管支に炎症が起きます。発熱・咳・鼻水をともない、風邪が悪化してかかることがあります。
母乳やミルクを飲む力が低下したり、呼吸困難になることもあるので注意しましょう。
小児ぜんそく
「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)が聞こえるような状態のときは、小児ぜんそくの可能性があります。
深夜や早朝に咳の発作が起こりやすいのが特徴です。ダニやペットなどのアレルゲン、タバコの煙などの気道を刺激させる物質で症状が悪化します。
百日咳
百日咳は、咳、鼻水、くしゃみから始まり、顔を赤くして咳き込む発作が3ヶ月近く続くこともあります(※1)。発熱がないことが特徴です。
五種混合ワクチンを接種する前の赤ちゃんには百日咳の免疫がないので、新生児でもかかることがあります。
クループ症候群
「ケンケン」と犬が吠えるような咳が出るときは、のど(喉頭)の少し奥にある声帯あたりが炎症するクループ症候群かもしれません。
気道が狭くなることで呼吸困難になるおそれもあります。夜間や早朝に悪化することがあるので、症状が現れた場合は救急外来で診てもらいましょう。
赤ちゃんの咳が止まらない!ひどいときの対処法は?
赤ちゃんが風邪で咳をしていても、38℃以上の高熱がなく、元気で食欲もあるようなら以下の対処法を試しながら自宅で様子をみましょう。
鼻水をこまめに取る
鼻水が出ている場合、鼻水が喉に落ちて気管をふさいでしまい、咳が出ることもあります。
鼻水吸引器でこまめに吸って鼻水をとってあげましょう。
湿度を上げる
空気が乾燥すると、咳が乾き、痰が出にくくなったり、絡みやすくなったりします。加湿器を使ったり、濡れたタオルを干したりして、部屋の湿度を高めましょう。
部屋の環境を整える
ホコリや乾燥はアレルギー症状やぜんそくなどの長引く咳にもつながることがあります。部屋の掃除や換気をしたり、空気清浄機を使ったりして部屋を清潔に保ちましょう。
水分を多く摂る
喉を直接潤すことも大切です。喉を刺激しないように常温の水やお茶、母乳やミルクなどで水分を多く摂らせてあげましょう。
上半身を高くして寝かせる
鼻水や痰が詰まっているせいで咳が続いてうまく寝られないときは、枕を少し高くして気道を確保してあげましょう。呼吸が楽になって、咳の回数が減ることがあります。
赤ちゃんの咳が止まらないときに受診する目安は?
一般的な風邪であっても、寝苦しくて夜中に何度も目が覚めてしまう、咳き込んで母乳やミルクが飲めないといった場合は、早めに受診してください。
咳が長く続くだけでなく、赤ちゃんの様子に次のような症状が見られたときは、夜間救急外来など時間外でも診察してくれる病院か、子ども医療電話相談(#8000)に電話で相談しましょう。
時間外でも受診が必要な状態
● 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」など、喘鳴のある発作がある
● 「ケン、ケン」と、犬の遠吠えのような異常な咳が出ている
● 咳のたびに肋骨の間や鎖骨がへこむような呼吸困難をおこしている
● 酸素不足で顔面やくちびるが青くなっている
● ぐったりして意識障害が見られる
● 水分が摂れず、おしっこが出ていない
赤ちゃんの咳が止まらないときは早めに対処しよう
赤ちゃんの咳が止まらないときは、部屋の環境などを再度確認し、悪化させないためにできるだけ早く対処してあげることが大切です。赤ちゃんは免疫機能が弱いので、ちょっとした咳でもこじらせてしまい、長く続くことも珍しくありません。
赤ちゃんの様子をこまめにチェックして、少しでもいつもと様子が違うようなことがあれば、早めにかかりつけの病院を受診してくださいね。