妊娠・出産体験は、十人十色。奇跡の出産には、それぞれ違ったドラマがあります。今回は、31歳で第一子である男の子を出産したAさんの体験談です。
ひどい腰痛に襲われた妊娠初期
妊娠がわかってほどなく、つわりがやってきました。
症状としては、「常に車酔いしている気分」「好きだった甘いものや揚げものを一切食べたくない」「食欲はないけど、ラーメンとビーフンなら食べられる」といったものでした。
でも、つわり自体は軽いほうで、1〜2週間程で治まりました。
つわりより私を苦しめたのは、妊娠4ヶ月で突然やってきた腰痛です。会社にいるときに、急に足が前に出なくなりました。無理に進もうとすると腰に激痛が…。
その日はなんとか帰れたものの症状が悪化し、家の中では、ほふく前進か転がりながら移動。
この状況を打開すべく購入したのが「トコちゃんベルト」です。腰に巻くだけで元通り歩けるように!
トコちゃんベルトには、産後まで大変お世話になりました。これがなかったら私の妊娠生活は乗り切れなかったといっても過言ではないくらいです。
トコちゃんベルト2
出典: tocochan.com- 税込価格
- 6,128円
- サイズ
- S/M/L/LL
- 色
- 白/紺
里帰り出産を選ばなかった理由
まわりの友人は里帰り出産をする人が多かったのですが、私は住んでいる場所(東京)での出産を選びました。
理由は3つ。
- 実家の近くには先進の医療設備が整った病院がなかった
- 産後すぐの大変な時期を夫婦二人で経験したかった
- 夫の実家が近く、義両親がサポートすると言ってくれた
出産予定日1週間前に夫婦喧嘩が起きて…
順調に妊娠中期・後期を経て、いよいよ正期産の時期に。妊婦健診では、まだまだ子宮口は硬く赤ちゃんも下りてきていないといわれたので、毎晩散歩をすることに。
散歩にはいつも夫が付き合ってくれましたが、予定日まであと1週間となった日の散歩中、夫と大喧嘩に。
出産予定日が近づき何とも言えない不安から私が弱音を吐いたことが、夫の逆鱗に触れたのが原因でした。
今思えば、夫も2週間近く「いつ生まれてもおかしくない」という状況にずっと気を張っていたのだと思います(もともと神経質なので…)。
そして喧嘩中に夫が「もう早く生まれてほしい!」と言ったら、なんと翌早朝にお腹に激痛が…。
陣痛・おしるしが来て病院へ!
激痛のため2時間ほどベッドで休み、ようやく動けるようになった頃に、おしるしもありました。
30分おきくらいの間隔で痛むようになっていたので、「この痛みは陣痛だ…!」と病院へ電話したものの、「まだ来なくていい」と。そうこうしているうちに、昼頃には痛みが治まってしまいました。
「前駆陣痛だったのかな?」と思っていると、夕方頃にまた激しい痛みが。間隔を測ると15分おきだったので、一人で陣痛タクシーに乗って病院へと向かいました。
17時半頃、病院に到着。子宮口は3〜4cmくらい開いた状態でした。助産師さんは、「まだまだ時間がかかるから、旦那さんにはゆっくり来てと伝えてくださいね」とのこと。
定期的にくる陣痛にもまだ耐えられる状態だったので、夫に連絡した後はのんびり夕食を食べ始めることに。
その病院は食事のメニューも評判で、美味しく食べていたところ、急に痛みが激しくなってきたのです!あまりの痛さに助産師さんを呼ぶも、他にも出産を迎えている妊婦さんがいたため、ほぼ放置状態…。
とにかくいきみ逃しがつらい!
一人でテニスボールをお尻に当てながら痛みに耐え続けました。今にも出てきそうな赤ちゃんが出てこないようにといきみ逃しをするのが何より辛かったです。
19時頃にようやく来た助産師さんは「子宮口が8cmくらい開いてる!旦那さん、まだ来ないの?」とキレ気味。。。
「ゆっくり来てって言われたのに…」と内心思いながらも、夫に電話。幸い、夫は最初に連絡を受けてからいてもたってもいられなかったようで、病院に向かっているところでした。
夫が到着してからはテニスボール担当を代わってもらい、その後30分程で子宮口が全開に。分娩室へ移動となりました。
2度の会陰切開→助産師さんがお腹の上に乗ってようやく…!
分娩台に移動すると、「いつでもいきんでいいですよ」といわれ、ほっとしました。しかし、これが難しい。いきむ瞬間、声を出すと「声出さないで!力が逃げるから」と怒られ、ならば目を閉じていきもうとすると「目を閉じないで!」と、またもや注意されました。
分娩台に上がって1時間くらい、そろそろ生まれるかというところで助産師さんが医師を呼びに。そして現れたのは、まさかの若い男性医師。女医さんが立ち会ってくれるということでこの病院を選んだのに…。
「なぜ?」と思っている間に、その男性医師に会陰をザクザク切られました。
しかし、会陰切開をしても赤ちゃんは出てこず、「臍帯が短くて赤ちゃんが降りてこられない」といわれました。このままだと赤ちゃんがどんどん弱っていくので、助産師さんがお腹の上に乗り、上から押すことに。
さらに、再び会陰を切られ、上から押され、ようやく赤ちゃんが出てきました。
出産は最後の最後まで何があるかわからない
感動で泣くかと思っていたけど、最初の印象は「赤ちゃん大きい!」でした。こんな大きな子が自分のお腹の中にいたのかと思うと、驚きと共に、出産って本当に神秘的だなと思いました。
別室で赤ちゃんがケアされている間、助産師さんから「臍帯は普通50cmくらいあるけど、あなたは半分くらいの長さだったから赤ちゃんがなかなか降りてこられなかった」「あと5cm短かったら緊急帝王切開になってたよ」と言われました。
こればかりは妊婦健診でも診断できず、いざ分娩のタイミングでわかるそうです。健康に妊娠期間を過ごしていただけに、「出産は最後の最後まで何があるかわからない」ということを、ひしひしと感じました。
出産後、すべての処置が終わったときには夜中の0時近くでした。これまでに経験したことのない脱力感で一人で歩くこともできず、車椅子でベッドへ。
体はボロボロなのに、赤ちゃんに会えた喜びと興奮でなかなか寝付けず、とても長く感じた夜でした。
▼先輩ママたちの出産体験談まとめ