分娩の流れについて聞いたり調べたりすると、「いきみ逃し」という言葉を耳にしますよね。いきみがどういうもので、いきみ逃しがなぜ必要なのか疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、出産のいきみ逃しについて必要な理由や逃す方法、いきみ方などをご紹介します。
いきみ逃しとは?なぜ必要なの?
「いきみ逃し」とは、分娩中にいきみたくなる感覚を我慢して逃すことです。
子宮口が7〜8cmほど開き、陣痛の間隔が短く痛みが強くなってくると、ママは赤ちゃんを押し出すために自然と「いきみたい」と感じるようになります(※1)。
しかし、子宮口が全開になる前や十分にやわらかくなる前にいきんでしまうと、出口が狭い状態で赤ちゃんを無理に押し出すことになり、子宮にも赤ちゃんに悪影響が及びます。
そこで必要になるのが、いきみ逃しです。次にご紹介するようなさまざまな方法で、いきみたくなる感覚を逃していきます。
いきみ逃しの方法は?陣痛の痛みも逃せる?
いきみたい感覚が強くなってきたら、以下の方法を参考にいきみ逃しをしてみてくださいね。
いきみ逃しの方法の例
- 肛門あたりを押す
- 腰をさする、腰や尾てい骨辺りを押す
- 正座やあぐらをして、かかとで肛門を押す
- 息を長めに吐くなど呼吸法に集中する
- 好きなことを考えて意識をそらす
- 手を広げて体に力が入らないようにする
- 「痛みは怖くない」と、気持ちをを落ち着かせる
- お尻の筋肉をキュッと締める
- 息をゆっくり吐きながら深呼吸する など
よく知られているのが、肛門あたりをテニスボールやゴルフボールで押す方法です。自分で押すのが難しい場合は、立ち会いのパートナーや家族、助産師さんに押してもらいましょう。
いきみたくなる感覚は陣痛の痛みと一緒にやってくるため、腰をさすったり呼吸法に集中したりして上手にいきみ逃しができると、陣痛の痛みの感覚が多少やわらぐことがありますよ。
いきみ逃しはいつまで続けるの?
いきみ逃しは子宮口が全開になり、かつ医師や助産師から「いきんでください」と言われるまで続けます。陣痛が始まってから子宮口が全開になるまでの時間には個人差があるため、どのくらいの時間いきみ逃しを続けるかは人によって違います。
子宮口全開の段階では肛門あたりを押していきみを逃すことはできないので、呼吸法や体の力を抜くことに集中しましょう。
出産時のいきむタイミングやいきみ方は?
医師や助産師から許可が出たら、陣痛の波に合わせていきみます。「どのタイミングでどうやっていきんだらいいの?」と戸惑うかもしれませんが、助産師さんがリードしてくれるので大丈夫ですよ。
いきみ方のポイント
- 背中や腰は分娩台に密着させる
- 分娩台のグリップをしっかり握る
- あごを引いておへそを見て、顔に力を入れない
- 目は閉じずに開いておく
- 両足を外側に大きく開き、かかとに力を入れる
- お尻を突き上げるように力を入れる
陣痛の合間の痛みのない時間は、全身の力を抜いてできるだけリラックスしましょう。
いきみ逃しはリラックスして乗り切ろう
いきみたい感覚をこらえるのは難しく、「陣痛の痛みより、いきみを逃すほうがつらかった」というママもいるほどです。今回ご紹介した方法を参考にしながら、できるだけリラックスしていきみ逃しをしましょう。
いきめるようになったら、赤ちゃんが出てくるまでもう少しです。ついに赤ちゃんに会えるんだと考えて、精一杯いきんでくださいね。