隣で寝ている子供から大きな歯ぎしりの音がして、驚いた経験はありませんか?「病気なのでは?」と心配するママやパパも少なくありません。しかし、ストレスが主な原因で起こる大人の歯ぎしりと違って、子供の歯ぎしりは成長の過程として現れるものがほとんどです。そうはいっても、体に悪影響がないかなど気になりますよね。今回は子供の歯ぎしりの原因や対処法、病院に行く目安などをご紹介します。
歯ぎしりとは?
歯ぎしりとは、睡眠中に歯と歯をこすり合わせて、ギリギリと音を立てたり、上下の歯をぶつけてカチカチと鳴らしたりすることを指します。
子供の歯ぎしりも、大人同様に音が出ることが多いのですが、キリキリやカチカチなどの音が出ない歯ぎしりもあります。歯ぎしりがひどくなると、歯の磨耗や破損が起こり、知覚過敏や歯周病を誘発します。
歯ぎしりは無意識のうちに行われるので、歯ぎしりをしている本人は自覚がないことがほとんどです。
子供の歯ぎしりの原因は?2・3・4歳など年齢で違う??
子供の歯は生え変わりが多く、その激しい変化に筋肉が順応できずに、ストレスとして歯ぎしりが起きることがあります。また、嚙み合わせの調整として歯ぎしりが起きることも(※1,2)。
子供の歯ぎしりの主な原因は、年齢によって以下のように異なります。
0・1歳
乳歯が生え始めた赤ちゃんのときから、歯ぎしりが始まることがあります。生えたばかりの歯で歯ぎしりすることで、噛み合わせの調整をしたり、あごの骨を強くしたりしています。
2・3歳
乳歯が生え揃う2~3歳は一番奥の乳臼歯が生える時期で、奥歯の違和感や噛み合わせが気になって、歯ぎしりをすることが多くなります。
4・5・6歳
4~6歳頃は乳歯が抜けて、永久歯へと生え変わり始める時期で、あごが大きくなり、歯と歯の間に隙間ができていく時期でもあります。
この変化に伴って歯の噛み合わせが悪くなるので、歯ぎしりをして噛み合わせを調整しようとします。
子供の歯ぎしりは精神的ストレスの影響もある?
上述の通り、子供の歯ぎしりは、基本的には歯や骨格など、成長に伴うものがほとんどです。ただし、大人の歯ぎしり同様に、精神的なストレスが原因で子供が歯ぎしりをすることもあります。
「小さい子供でもストレスを感じるの?」と疑問に思うかもしれませんが、たとえば保育園や幼稚園に通い始めて環境が一変したり、弟や妹が生まれてママを取られたと感じたりしたときには、子供に過度なストレスがかかることもあります。
このような大きな変化がストレスになって、歯ぎしりの引き金になる場合があります。成長に伴うものなのか、ストレスが原因なのかを見分けるために、子供が寝た後の様子もよく観察するように習慣づけておくといいですね。
子供の歯ぎしりの対処法は?病院に連れて行くべき?
子供の歯ぎしりのほとんどが一時的なものです。多くの場合、成長するにつれて治まっていくので、基本的には様子を見るようしましょう(※1)。
精神的なストレスが原因で歯ぎしりが起きている場合は、子供とのコミュニケーションを増やしたり、寝る前に絵本を読んであげたりして、子供のストレスを軽減させてあげてください。心の安らぎを与えていけば、環境に慣れるにつれて、歯ぎしりも自然と治まる場合がほとんどです。
しかし、以下のような症状が出ているときは、歯科医に診てもらってください(※1)。
・歯並びに問題がある
・歯がひどくすり減っている
・あごに痛みがあるとき
・歯にぐらつきがある
・永久歯が生えそろっても、歯ぎしりが起きている
歯ぎしりの治療には、主にマウスピースを使います。歯科で子供の口にあったマウスピースを作ってもらい、歯ぎしりが起きる睡眠前に装着します。
また、歯の噛み合わせの問題が原因だと考えられるときは、歯科矯正で歯並びを治すことがあります。
子供の歯ぎしりは落ち着いて対応しよう
寝ているときに子供の歯ぎしりが聞こえたら、ビックリしてしまうかもしれません。
しかし、子供の歯ぎしりは歯の生え変わりの過程で起きるていることがほとんどです。歯ぎしりは「子供の成長の証」と前向きに捉え、過度に心配しないでください。
ただし、人によっては歯に何らかの問題があり、歯ぎしりが起きているケースもあるので、定期的に歯科検診を受けることをおすすめします。小さいときから子供の歯をチェックして、健やかな成長をサポートしていきたいですね。