小学1年生でひらがなをある程度書けるようになっても、小さい「っ」「ゃ」「ょ」、長く伸ばす長音の使い方がわからず間違えてしまうことがあります。
そこで今回は、小1の子どもがつまずきやすい仮名遣いについて、つまづく理由と教え方のポイントをご説明します。
小1はどんな仮名遣いにつまずくの?
小学1年生でつまずきやすい仮名遣いとしては以下の3つがあります。
● 拗音(ようおん)の「ゃ」「ゅ」「ょ」
● 長音(ちょうおん)
長音とは長く伸ばして発音する音のことをいいます。例えば「くうき(空気)」「おねえさん」などです。
これらは教科書によって多少前後しますが、大体5月から学びます。つまずきやすいポイントなので、1年生の間に何回か復習の単元を設けてありますよ。
促音「っ」につまづく理由と教え方は?
小さな「っ」はつまる音とも呼ばれます。促音につまづく理由は、以下のことが考えられます。
● はっきりと発音されることがない
● 発音されないため「っ」を認識しにくい
● 「っ」を認識できていないため書くときに抜ける
● 「っ」を認識できていても大きく書いてしまう
以下のポイントを参考に教えてあげましょう。
「っ」の存在を理解させる
「ねこ(猫)」と「ねっこ(根っこ)」など、「っ」によって言葉の意味が変わってしまうことを教え、促音の存在について理解させましょう。
手拍子をしながら発音する
上の画像を参考に、促音がつく3文字の単語を1文字ずつ手拍子してみてください。例えば「ら(パチ)・っ(パチ)・こ(パチ)」です。
「っ」は発音できないので手拍子だけになります。手拍子をして発音がないところに「っ」を入れることを教えてあげてくださいね。
拗音「ゃ」「ゅ」「ょ」につまづく理由と教え方は?
「ゃ」「ゅ」「ょ」は、ねじれる音とも呼ばれます。拗音につまづく理由は、以下のことが考えられます。
● 2文字なのに1文字と認識しやすい
● 2文字と認識できても同じ大きさで書いてしまう
● 最初の文字だけ認識して2文字目が抜ける
例えば、子どもは「しゃ」を1文字と捉えていることがあります。また、2文字の組み合わせを認識できていても、どちらを小さくすればいいかわからないことも。
以下のポイントを参考に教えてあげましょう。
文字の大きさの違いを気づかせる
「いしや」と「いしゃ」のように、大きさが違うと音や意味が変わってくることを教え、良く似ているけど違いがあることを理解させましょう。
小さい文字の穴埋め問題を出してみる
上の画像を参考に、「◯」に何が入るか考えてみましょう。「ゃ」「ゅ」「ょ」は恥ずかしがり屋なので、他の文字よりも小さく書く必要があると伝えてあげると覚えやすいですよ。
長音につまづく理由と教え方は?
伸ばす音である長音には以下のルールがあります(※1)。
→「おかあさん」「おばあさん」など
● イ列の伸ばす音はのあとには「い」をつける
→「にいさん」「おじいさん」など
● ウ列の伸ばす音のあとには「う」をつける
→「くうき」「ふうふ」など
● エ列の伸ばす音のあとに「え」をつける
→「おねえさん」など
● オ列の伸ばす音のあとには「う」をつける
→「おとうさん」「おはよう」など
ただし、「エ列」と「オ列」にはたくさんの例外があるため、子どもが混乱してつまずきやすいのです。例外を覚えると間違いにくくなりますよ。
「エ列」の例外と教え方
エ列は「おねえさん」以外がほぼ例外です。その他は、「とけい」「えいが」「せんせい」など、エ列のあとに「い」がつくものばかりです。
そのため、「おねえさん」だけ「え」で、残りは「い」がつくと教えてあげましょう。
「オ列」の例外と教え方
オ列は、「とおく」「こおり」など、オ列のあとに「お」がつくものが例外です。
教えるときは、例外の言葉を歌などにしてまとめて覚えるのがおすすめです。以下を参考にしてみてください。
歌の例 ①
「遠くの 大きな 氷の 上を 多くの 狼 十ずつ通る」
歌の例 ②
「ほおずき こおろぎ とおせんぼ」
「ー」はひらがなには使えないと教える
カタカナには長音を表す「ー」がありますが、ひらがなには使えません。例えば「ケーキ」には使えますが「おかーさん」とは使いません。
伸ばし棒はカタカナに使い、ひらがなには使えないと教えてあげましょう。
つまずきポイントを知っておこう
1年生のうちに習う長音、促音、拗音はつまずく子どもが多いです。なぜつまずくのかと教え方のポイントを知って、対処できるようにしておくといいですね。