2年生の【長さ】の授業では、「cm」「mm」「m」の単位を学び、長さを計測したり、ものさしを使って指定の長さで線引いたり、単位の計算をしたりします。なかでも、単位変換や計算に難しさを感じる子は多くいます。
そこで今回は、覚えやすい「長さ」の単位変換の方法と、子どもが間違いやすい計算問題の解き方を紹介します。
「長さ」につまずきやすい4つの主な理由
【長さ】の単位変換や計算につまずきやすい理由は、主に以下の4つです。
● 長さの単位を覚えられない
● 「1cm=10mm」など単位の変換に混乱
● 長さを求められたときに、どの単位を使うといいのか戸惑う
長さの感覚とは、実際の1mm、1cm、1mがどれくらいの長さであるか実感がなかったり、「mm<cm<m」がわかっていなかったりすることです。
長さの学習では、「cm」と「mm」の関係性を学んだうえで「m」が登場します。まずは「cm」と「mm」の変換を理解していないと、「m」との変換にも迷いやすくなります。
長さにつまずかないために、以下から覚えやすい方法を紹介します。
1. 身近なものを測って長さの感覚を覚える
長さの感覚が定着していないと、以下のようなことが起こりやすくなります。
● 数字にひっぱられて単位が置き去りになる
例:1m2cm=102cmを「12cm」と間違う
例:1mと2cmは「2cmのほうが長い」と間違う
ものさしやメジャーを使っていろいろなものを測り、1mm<1cm<1mの感覚を覚えましょう。
「3mmって小さいなぁ」「自分の消しゴムの長さは6cmなのか!」「机の幅1mだ!」など、長さの感覚をしっかり覚えると、mm、cm、mの違いがわかりやすくなります。
2. 単位の変換表を作る
単位の関係性がわかる表を作り、目につくところに貼るなどしておくと覚えやすくなりますよ。
おすすめの変換表をいくつか紹介します。
単位変換の早見表
図のような単位の変換表を作ります。1m=100cm=1000mmなど、横軸で変換しましょう。大きい単位から小さい単位へ、小さい単位から大きい単位へ変換する仕組みがわかりやすくなります。
単位ごとのかたまりがわかる表
1mmが何個で1cmになるのかなど、単位のかたまりをわかりやすくしてみましょう。
実際にものさしを手に取りながら、図のように「mm」「cm」「m」を説明すると覚えやすいですよ。
書くだけでわかる変換表
上記のような枠図を作ると、数字を書くだけで、mm→cm、cm→mなどへの単位変換が簡単にできます。
「長さ」で間違いやすい問題の解き方は?
間違いやすいのは、単位を変換したり、足したり引いたりして長さを求める問題です。
例題1
答えはmmで求められているので、6cmをmmに変換して計算しましょう。
① 6cm=60mm
② 60mm+12mm=72mm
答え 72mm
例題2
答えはcmとmmで求められているので、496mmをcmに変換しましょう。
まず、496mmを「400mm」「90mm」「6mm」に分けます。「400mm」「90mm」をcmに変換して足し、6mmはcmに変換できないので最後につけ加えましょう。
① 400mm=40cm
② 90mm=9cm
③ 40cm+9cm=49cm
④ 49cm+6mm=49cm6mm
答え 49cm6mm
例題3
答えはmとcmで求められているので、147cmをmに変換して考えましょう。
まず、147cmを「100cm」と「47cm」に分けます。「47cm」はmに変換できないので最後につけ加えましょう。
① 100cm=1m
② 1m+47cm=1m47cm
答え 1m47cm
例題4
● 考え方1:□cm□mmで回答する場合
基本的には、同じ単位同士で計算します。
「3mm」から「8mm」は引けないため、繰り下がりの引き算と同じように、5cmから1cm(10mm)を借りて「13mm」にしてからmm同士の計算をします。「1cm=10mm」を理解していることが大切です。
① 繰り下げた10mm+3mm=13mm
② 13mm−8mm=5mm
③ 5cmから1cm(10mm)を繰り下げたので5cm→4cm
④ 4cm+5mm=4cm5mm
答え 4cm5mm
● 考え方2:□mmで回答場合
答えはmmで求められているので、「5cm3mm」をmmに変換してから、「8mm」を引きます。
① 5cm=50mm
② 50mm+3mm=53mm
③ 53mm−8mm=45mm
答え 45mm
※ 問題によっては、解答欄に□cm□mmと単位を指定してある場合もあれば、何も指示がない場合もあります。問題文や回答欄をしっかり確認して解答してください。
長さの感覚を覚えて単位の変換を!
長さを単位で表現することは、これからもたくさん目にします。子どもが難しさを感じている場合は、一気に覚えさせようとはせず、mmとcm、cmとmとワンステップずつ感覚をつかめるよう、サポートしてくださいね。