保育園の入園が決まると、次に待っているのが慣らし保育。仕事復帰の直前に行うこともあれば、転園の場合など、すでにフルタイムで働いているなかで行わなればいけないことも。慣らし保育とは、一体どのように進めていくのでしょうか。今回は、慣らし保育について、期間やスケジュール、慣らし保育中の仕事や育児休業扱いになるのかについてご紹介します。
慣らし保育とは?
慣らし保育とは、子供がこれから日中の大半を過ごすことになる保育園に、段階を踏んで少しずつ慣れるための期間のことです。入園する時期や年齢にもよりますが、あらかじめクラス単位で期間を決めているケース、個々の様子に合わせて慣らすケースがあります。
また、希望者だけ慣らし保育を行う園もあれば、慣らし保育の期間を全く設けていない園もあるようです。
慣らし保育は、主に子供の心のストレスを軽減するために行いますが、親や保育園側にとってもお互いを知るための大切な期間でもあります。
子供にとっての慣らし保育
- ● 家とは異なる保育園での生活リズムに慣れる
- ● 先生たちや同年齢の子供たちと過ごす集団生活に慣れる
- ● 初めて親と離れて過ごす生活に慣れる
親にとっての慣らし保育
- ● お世話をしてくれる保育士さんの雰囲気・人柄を知る
- ● 見学とは異なる実際の園生活の内容や雰囲気を知る
- ● 子供と離れる生活や仕事復帰に向けての最終的な準備を整える
保育園側にとっての慣らし保育
- ● どんな家庭のどんな子供を保育するかを知る
- ● 個々に合った保育をシミュレーションする
慣らし保育の期間やスケジュールは?
ここでは、慣らし保育のスケジュールや期間について具体的にご説明します。
慣らし保育の期間
最短で3日、最長で2週間程といわれていますが、1週間~10日程が一般的な期間の目安です。
慣らし保育のスケジュール
初日:1~2時間程度の短時間保育を実施。先生と親が朝の準備の手順などを確認する。
2~3日目:午前保育のみ実施
4日目:給食を食べてから降園
5日目:午睡までして降園
翌週のはじめの2日間程:終日保育をして慣らし保育完了
4月入園の場合、月の初めから中旬頃を目安に行いますが、転園や期中の入園の場合は、園と相談して決めていきます。
子供の年齢が高いほど短期間で完了するケースが多いようですが、子供の性格によっても異なり、新しいことに慣れるのがゆっくりな子は1ヶ月程必要な場合も珍しくありません。
また、早く慣れたとしても通常の慣らし保育のスケジュールで進めることもあります。基本的には子供の様子を優先に進めますが、家庭の事情や親の仕事の都合によっては短期間で終える場合もあるようです。
慣らし保育の間の仕事はどうするの?育児休業扱いになるの?
慣らし保育中の仕事の時間や制度の適用は、育児休業明けか、すでに復職して働いている場合の入園・転園かで大きく異なります。
育児休業中の入園の場合
慣らし保育は、育児休業を利用しながら復職日を会社と調整するケースが多いようです。規定の育児休業期間を過ぎてしまう場合は、慣らし保育の期間中は有給制度を利用する人もいれば、欠勤扱いで対応する人など状況によって様々です。
すでに復職していて転園した場合
既に認可外保育園などに預けていて、後に認可保育園の入園が決まったという場合や、引っ越しなどで転園する場合は、ママやパパがすでにフルタイム勤務をしていることも。
夫婦で相談して交代で半休を取ったり、この期間だけ祖父母や親戚にお見送りやお迎えをお願いしたりすることで乗り切るケースもみられます。
周囲に協力してもらえる人がいない場合は、ファミリーサポートなど地域のサポート制度を利用することもありますが、外部のサポートの場合は保育園が対応してくれるか確認が必要です。
認可保育園の多くは、「月末までに保護者が勤務開始するのであれば、月初めからの入園が認められる」という自治体がほとんどです。以前は、勤務開始日からしか預けることができなかったのですが、「慣らし保育」の必要性を考慮して、制度が改善されつつあります。
認可外の場合は、各園で対応が異なります。保育園側の制度は整いつつありますが、親の仕事や会社の制度で折り合いが付かない場合、仕方なくそちらの都合に合わせなければならないこともあります。
慣らし保育をするときのコツは?
慣らし保育では、特に3歳頃までが年齢ごとに大きな差が出るようです。
0歳で月齢が低いほどお世話の面では大変に思うことが多いものですが、人見知りがあまりなく短期間で慣れることもあります。
1歳児になると、状況はわかっても理解することが難しかったり、親を後追いしたりする時期なので慣れるのが少し大変に思うことも。
2歳以上になると、気分で嫌がる日はあっても、環境に慣れることは早いようです。
慣らし保育をスムーズに進めるコツ
- ● 甘え泣きのような泣き方をしていれば、保育士に任せて潔く退室
- ● お見送りのときに、バイバイやハイタッチなど、気持ちを切り替えるサインを習慣化する
- ● 子供がなかなか慣れなくても子供を責めない
- ● 他の子の進み方と比べず、子供の様子に向き合う
余裕のあるスケジュールで慣らし保育を進めましょう
慣らし保育は、子供にとっては初めての試練のような期間なので、親がどっしりと構えてあげることが大切です。
仕事の都合などで焦る気持ちもありますが、できる限りスケジュールに余裕を持つようにしましょう。初めにしっかりと向き合うことで、後が楽になることもあります。
すでにフルタイム勤務が始まっている家庭や、慣らし保育がない場合は、連絡帳とは別に、お迎えのときに保育士から直接子供の様子を聞いてみましょう。帰ってきてから子供の様子をしっかり見てあげることも大切ですよ。