子育てには何かとお金がかかるものですが、なかでも私立の幼稚園に子供を通わせようかと検討しているパパやママは、保育料が気になりますよね。そんな人にぜひ知ってもらいたいのが、子供が私立幼稚園に在籍している保護者が対象の助成金です。今回は、私立幼稚園の助成金とはどのような制度で、給付対象や申請方法などがどうなっているのかをご紹介します。
幼稚園の助成金とは?
文部科学省は、幼児教育の振興のために、保護者の所得状況に応じて経済的負担を軽くする「幼稚園就園奨励事業」を行なっている自治体に対し、「幼稚園就園奨励費補助」という名で、経費の一部を補助する事業を実施しています(※1)。
幼稚園の助成金とは、この事業のことを指すことが多いようです。
幼稚園就園奨励費補助は、幼児期の教育が、生涯にわたる人格形成の基礎となる重要なものである、という考えのもとに行われています。全ての子供に質の高い幼児教育を保障するため、国は、幼児教育に伴う保護者の負担を軽くし、ゆくゆくは無償化していこうと考えているようです(※2)。
私立幼稚園は助成金がもらえる?
私立幼稚園に通っている場合、助成金をもらえることもありますが、助成金をもらうにはいくつかの条件があります。詳しくは次の章で詳しくご説明します。
また助成金は自治体によって名称が異なり、例えば東京都世田谷区の場合は「私立幼稚園等保護者補助金」、神奈川県横浜市では「私立幼稚園就園奨励補助金」と呼ばれています(※3,4)。
幼稚園の助成金の給付対象は?
私立幼稚園における助成金の給付対象は、基本的には各自治体に住民票があり、子供が3〜5歳児で私立幼稚園に在籍する保護者です(※3)。また、住んでいる市町村外の私立幼稚園に在園している子供も対象となることがあるようです。
ただし、平成27年度から始まった「子ども・子育て支援新制度」の対象となる幼稚園は、保育料が所得に応じた額に設定されているため、補助金の給付対象とはなりません(※5)。
自分の子供が通っている幼稚園が子ども・子育て支援新制度の対象となるかどうかは、各園に問い合わせるのが確実ですよ。
幼稚園の助成金の支給額はいくら?
幼稚園就園奨励費補助で助成される金額は、保護者の収入(市民税額)によって判断されます。また、幼稚園に通う子が第一子なのか、第二子以降なのかによっても金額が異なります。
平成27年度は、第一子の場合、支給額と保護者が負担する保育料は下表の通りでした(※2)。なお、自治体によって支給額に差があることもあります。
階層区分 | 平成27年度 支給額 (年額) |
保護者負担額 (年額) |
第Ⅰ階層 生活保護世帯 |
308,000円 | 0円 |
第Ⅱ階層 市町村民税非課税世帯(※) (年収約270万円まで) |
272,000円 | 36,000円 |
第Ⅲ階層 市町村民税所得割課税額 77,100円以下の世帯 (年収約360万円まで) |
115,200円 | 192,800円 |
第Ⅳ階層 市町村民税所得割課税額 211,200円以下の世帯 (年収約680万円まで) |
62,200円 | 245,800円 |
※ 市町村民税所得割非課税世帯を含む
複数の子供が幼稚園に同時就園していたり、小学校1~3年生の兄・姉がいたりする場合、所得に関係なく第2子の保護者負担額は半額、第3子は無償となります。また、婚姻歴のないひとり親世帯については、寡婦・寡夫控除のみなし適用がされる自治体もあります(※3)。
また補助金の支給上限は、平成27年度の場合、308,000円でした(※2)。幼稚園によって兄弟姉妹の同時在籍割引などが設定されている場合、割引後の金額が上限とされることがあり、上の表に記載されている補助金額よりも少なくなる可能性もあります。
市町村民税の徴収額については、毎年5~6月頃に各自治体や勤務先から通知されますが、わからない場合は自治体の窓口で問い合わせてみましょう。
私立幼稚園の助成金の申請方法は?
幼稚園就園奨励費補助による助成金を受け取るには、子供が通っている私立幼稚園を通じて申請をする必要があります(※3)。これは、子供の在籍証明を各園から自治体に提出する必要があるためです。
6月頃に幼稚園から申込書(申請調書)が配布されることが多く、家族構成など必要事項を記入のうえ、園に提出します。その年の1月1日時点で他の市町村に住民登録があった場合は、納税額がわかる書類が必要となります。
途中入園の場合にも助成金の追加申請が可能なので、制度について幼稚園に確認し、申込書をもらうようにしましょう。
なお、助成金が支給されるタイミングは園によって異なります。助成金は自治体から幼稚園へ一括で交付され、そのあと対象となる保護者に直接振り込まれる場合もあれば、保育料との相殺になる場合もあるようです。
幼稚園の助成金は各園に確認を
今回ご紹介した「私立幼稚園の助成金」については、国の単年度予算に基づくものなので、年度によって支給対象や金額が変わる可能性もあります。また、子供の通う園が「子ども・子育て支援新制度」の対象となっている幼稚園かどうかも関係してきます。
まずは子供が通う幼稚園が助成の対象なのかどうかを確認し、申請方法や交付時期などについて問い合わせてみてくださいね。