世の中にはたくさんの育児方法がありますが、イギリスのカリスマベビーシッターが提唱する「ジーナ式」という育児方法をご存じでしょうか?「ジーナ式を実践することで、赤ちゃんがすやすや朝まで熟睡してくれる」という内容で、そのメソッドが紹介されている本は、日本でも人気を集めています。今回は、ジーナ式とはどういう育児方法なのか、その育児スケジュールや寝かしつけの方法についてご紹介します。
ジーナ式とは?どんな育児法なの?
ジーナ式とは、ジーナ・フォードというイギリスの女性が提案した育児方法です。彼女は王室をはじめ、上流階級や著名人の乳母として働いてきた育児のプロで、その豊富な経験の中で彼女独自の育児方法を身につけました。
彼女の名前からつけられた「ジーナ式」は、全く新しい育児方法としてイギリスでは75万部のベストセラーとなり、世界中でも有名に。日本では「カリスマ・ナニーが教える赤ちゃんとおかあさんの快眠講座」というタイトルで出版されています。
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ジーナ式の特徴は?
ジーナ式育児の最大の特徴は、「赤ちゃんの生活リズムをママが徹底的に管理する」ということです。赤ちゃんはよく寝るので、好きな時間に起きたり眠ったりするイメージが強いですが、ジーナ式ではママが赤ちゃんの寝る時間を上手にコントロールします。
具体的には、寝かせたい時間から逆算して授乳時間や遊びの時間を管理し、結果として赤ちゃんの生活リズムをママが決めていきます。
赤ちゃんがおっぱいを欲しがったらいつでもあげるという赤ちゃん主体の育児方法が多い中、ジーナ式は「授乳時間をママが決める」というママ主体の育児方法です。
寝かしつけるときは、「授乳をしながらではなく、先に授乳を済ませて赤ちゃん一人で寝かせる」ということも大きな特徴です。また、赤ちゃんとパパ・ママは別の部屋で寝ることが推奨されています。
月齢が低いうちから赤ちゃんを一人で寝させることで、おっぱいをくわえていないと寝られない、抱っこからベッドにおろすと起きてしまう、といったママが抱えやすい悩みを先に解決することができると提唱しています。
ジーナ式の育児スケジュールとは?
ジーナ式では、ママが規則的なスケジュールを管理しながら、赤ちゃんの月齢にあったペースを作っていきます。
下記は、生後4~6ヶ月の赤ちゃん向けの「ジーナ流生活スケジュール」の例です。
ジーナ流生活スケジュール(生後4~6ヶ月)
起床・1度目の授乳
7時前には赤ちゃんを起こします。「もうちょっと寝てくれていたら楽だな」と思ってしまうかもしれませんが、カーテンを開けて部屋を明るくして、赤ちゃんを優しく起こしてあげましょう。
赤ちゃんが起きたら、おむつを替えて、授乳をします。
1度目の昼寝
7時頃に授乳して満腹になると、その後しばらくして睡魔がきます。9時に1度目の昼寝をさせるために、部屋のカーテンを閉めて暗くし、寝かしつけましょう。
9時45分にカーテンを開けて赤ちゃんが自然に目を覚ますのを待ちます。赤ちゃんが起きなかったときは、遅くとも10時までに起こすようにしましょう。
2度目の授乳
11時になったら2度目の授乳です。次の授乳に向けて、11時30分以降の授乳は控えましょう。
2度目の昼寝
11時50分におむつを替え、12時までにカーテンを閉めた部屋に移動し、おくるみで包んで徐々に睡魔を呼び寄せてから寝かせます。
2度目の寝かしつけに入って2時間15分経ったら、赤ちゃんを起こしましょう。
3度目・4度目の授乳
14時30分には明るい部屋で授乳を始めます。遅くとも15時15分までには授乳を終わらせましょう。
16時15分におむつを替え、16時30分までに湯冷ましなどの授乳以外の水分を飲ませます。
お風呂の時間
17時45分までに入浴し、18時15分までにはベビーマッサージをして、パジャマを着せます。
寝る前の授乳と就寝
18時15分までに起きている間の最後の授乳をし、19時までには暗い部屋に移動して寝かしつけます。
夜中の授乳
22時30分に一度起こして授乳しますが、このときは話しかけるなどの刺激は与えないようにしましょう。
分単位で細かく決められているため、初めてこのスケジュールを見たときはびっくりするかもしれません。しかし、このように時間を細かく管理することにより、赤ちゃんの生活リズムを整えることができます。
ジーナ式の寝かしつけ方法とは?
ジーナ式の寝かしつけでは、赤ちゃんが寝る直前に授乳をするのではなく、30分ほど前までに授乳を済ませておくことが大切です。添い乳のように授乳をしながら寝かしつけるのではなく、先に授乳を終わらせてからおくるみで包んでベッドの上で寝かせます。
ベッドに寝かせてしばらくしても赤ちゃんが寝なかったり泣いたりしている場合は、ママは別室に移動して、5~10分ほど赤ちゃんが一人で落ち着く時間を与えましょう。
10分ほど経っても泣き続けている場合は、部屋に戻って赤ちゃんの様子を確認します。おくるみで包んで赤ちゃんを安心させてから、再び寝かしつけをして別室へ移動します。
それでも泣き続けたり寝なかったりするときは、また10分ほど経ったら部屋に戻りましょう。この繰り返しをしているうちに、赤ちゃんは一人で寝られるようになることがほとんどです。
ジーナ式の寝かしつけ法では、泣いている赤ちゃんを放っておくわけではありません。寝るまでの時間、ある程度は部屋で一人にさせますが、一定時間経っても泣き続ける場合は、赤ちゃんの近くに行って、様子をチェックしましょう。
ジーナ式育児では赤ちゃんとママが気持ち良く過ごせることが一番
赤ちゃんにも個人差があるため、ジーナ式のスタイルを実践しても、いつまでも泣き続けてしまう、なかなか寝ない、という赤ちゃんもいます。また、赤ちゃんのその日の機嫌や体力によって、スケジュール通りに進まないこともあります。
育児は、赤ちゃんだけでなくママも気持ち良く過ごせることが一番。ジーナ式もそんな育児を助ける一つの方法です。あまり神経質に取り組もうとせずに、ママと赤ちゃんに合っているなと思ったら、続けられる範囲で取り入れてみてくださいね。