「水疱瘡」は感染力が強い病気なので、我が子に発症したときは、他の子にうつさないように気を配る必要があります。特に、子供を幼稚園や保育園に通わせているご家庭では「いつから登園できるようになるの?」「プールはいつから入っていいの?」といったことが気になりますよね。今回は、水疱瘡にかかったときの登園基準や、プールに入れるようになる目安について、ご説明します。
水疱瘡とは?
水疱瘡は、「水痘帯状疱疹ウイルス」が原因で発症します。水疱瘡にかかると、2~3週間の潜伏期間を経て、小さな赤い発疹がお腹や顔、手足などに現れ、口の中や頭皮など全身へと広がっていきます。発熱を伴うこともありますが、まったく熱が出ないことも。
発疹は水ぶくれになって強いかゆみを伴うようになりますが、7~10日ほど経つとかさぶたになってかゆみも少なくなります。3週間ほどするとすべてのかさぶたも剥がれ落ちて、元の状態に戻ります。
水疱瘡にかかると、なぜ登園が制限されるの?
水疱瘡はとても感染力が強く、唾液による「飛沫感染」や、肌の触れあいによる「接触感染」だけではなく、空気中に浮遊するウイルスを吸い込むだけで感染する「空気感染」を起こす恐れもあります。
保育園や幼稚園内で一人でも感染者が出ると、園全体に一気に感染が広がってしまいます。そのため、水疱瘡(水痘)は「学校保健安全法施行規則」の中で「第二種の感染症」として規定されており、出席停止期間の基準が決められています(※1)。
水疱瘡で保育園・幼稚園に登園できるのはいつから?
学校保健安全法施行規則および「保育所における感染症対策ガイドライン」では、登園・登校の基準は「すべての発疹がかさぶたになるまで」とされています(※1,2)。水疱瘡の感染力は、発疹が現れる2~3日前から、水ぶくれがすべてかさぶたになるまで持続します。
水疱瘡は高い熱があまり出ず、子供が元気そうに見えると登園させたくなるかもしれませんが、周りの園児にうつしたり、ほかのウイルスや菌にも感染しやすかったりする時期なので、水疱瘡が完全にかさぶたになって、医師から登園許可が出るまでは我慢しましょう。
お休みしなければいけない期間は、5~7日程度です。
登園禁止期間中は、夫婦で休みを取り合う、親族に協力してもらう、病児保育やベビーシッターを利用するなどして、乗り切ってください。
水疱瘡がかさぶたになったらプールに入れる?
水疱瘡がかさぶたになっていれば、プールでほかの子供たちに感染することはほぼありません。ただし、まだかさぶたになっていない部分を見落としている可能性もあるので、医師から完治したと診断されるまでは、プールに入るのを控えるようにしてください。
また、全身にできているかさぶたをほかのママたちが見ると、「うちの子供にうつるかも」と不安に感じる可能性も。みんなが安心してプールで楽しめるためにも、すべてのかさぶたが剥がれ落ちるまではプールを控えたほうが無難です。
水疱瘡で登園できない間のホームケアは?
もし子供が水疱瘡にかかってしまったら、できるだけ早く治るよう、次のようなホームケアをしてあげてください。
かきむしらないように注意する
水疱瘡の発疹はかゆみが強いのですが、かきむしるとかさぶたになるのが遅くなってしまいます。
子供の爪を短く切ったり、小児科で処方された薬を塗ったりといったケアをして、かき壊しによる細菌感染を防ぎましょう。
消化の良いものを食べさせる
水疱瘡にかかっても、高熱が出なければ比較的元気です。しかし、口の中にも発疹ができることがあるため、子供の食欲が落ちることも。
発疹や水ぶくれができている部分にしみてしまうので、刺激物を食べさせないようにしましょう。ヨーグルトやゼリー、うどんなどの消化の良い食事をあげてくださいね。
患部を清潔に保つ
二次感染を防ぐため、シャワーで患部を清潔に保ちましょう。湯船につかるのは、水ぶくれがかさぶたになり、医師から許可が出てから。
体を洗うときは、タオルでごしごしこすらず、石けんをやわらかく泡立てて手で洗ってあげてください。
子供が水疱瘡にならないために予防接種を
水疱瘡は、予防接種を受けて防ぐことが大切です。万が一かかってしまっても、水痘ワクチンを打っておけば、重症化しにくくなります。
2014年10月から定期接種の対象となったので、基本的に無料で接種を受けることができますよ。1歳になったら初回、その3~6ヶ月後に2回目を接種します。
ただし、予防接種を受けていても感染する可能性はゼロではないので、ポツポツと赤い発疹が出始めたら、できるだけ早く小児科を受診して、適切な処置を受けるようにしてください。