子供がお腹を痛がっている場合、原因が分からず、どうすればいいのかと困ってしまうことがあるかと思います。子供の腹痛のなかには、虫垂炎や腸重積といったすぐに治療を要する病気の症状として現れているものもあるので、慎重に対処したいところです。今回は子供の腹痛について、原因や病院へ行く目安、対処法などをご紹介します。
子供の腹痛の原因は?
子供が腹痛を起こす原因は様々あり、現れる症状も異なります。子供の腹痛の主な原因は、以下の通りです。
便秘
ケーキやゼリーなどの洋菓子やファーストフード、肉類が多く食物繊維が少ない食事は、排便がスムーズにいかなくなり、便秘になりやすくなります。野菜不足も、便秘を引き起こします。
便秘が起こると腸の中に便が溜まり、腹痛が起きます。また、便秘で腸内にガスがたまって、お腹がパンパンに張ることで痛みを感じることもあります。
心因性腹痛
保育園や幼稚園、学校などの生活や人間関係で嫌なことがあると、強いストレスを感じて、お腹が痛くなることがあります。
嘔吐や下痢がなく、登園・登校前に必ずお腹が痛くなる場合は、心因性腹痛が起きている可能性があります。
感染性胃腸炎
ウイルスや細菌に感染すると、腹痛が起きることがあります。腹痛以外には、嘔吐や下痢といった症状も現れます。
感染性胃腸炎にかかると、発熱が見られることがあります。
虫垂炎
虫垂炎とは、盲腸の先端にぶら下がっている虫垂という細長い部位が炎症を起こす病気です。
初めはみぞおち付近に痛みを感じ、その後、虫垂がある右下腹部に激しい痛みを感じます。多くの場合、歩けないほどの激痛となります。
小さな子供でも見られますが数は少なく、10〜30歳頃に発症することが多い病気です(※1)。
腸重積
腸重積とは、腸の一部が腸の中に潜り込む病気で、生後3ヶ月~2歳頃に発症します(※2)。
周期的に激しい痛みが起き、顔面蒼白や嘔吐、血便などの症状も現れることがあります。
子供の腹痛で病院へ行くべき?
小さい子供は、お腹の痛みを言葉でうまく表現できず、泣いたり、機嫌が悪くなったりして体の異変を訴えます。
子供に普段とは違う様子が見られ、腹痛が起きている可能性があるときは、以下のことに注意して、病院へ行くべきか判断してください。
すぐに病院を受診すべき腹痛の症状
・時間が経過するにつれて、症状がどんどん悪化している
・ひどい痛みで激しく泣いている
・下痢便が出て、嘔吐している
・食欲がなく、元気がない
・血便が出ている
・顔面蒼白など顔色が悪い
こういった様子が見られるときは、虫垂炎や腸重積、急性胃腸炎の強い症状である可能性があるので、すぐに小児科を受診してください。
軽い腹痛があっても、顔色が良く、食欲もあるようなら、しばらく様子を見ましょう。数日経っても症状が改善しない場合は、医師に診てもらってください。
子供の腹痛の対処法は?市販薬を飲ませるべき?
子供が腹痛で苦しんでいる姿を見るのがつらく、「市販の痛み止めを飲ませた方が良いのでは?」と悩むママやパパもいます。
お腹の痛みがひどくなく、顔色も良くて元気にしているようなら、きちんと水分補給を行い安静にさせておきましょう。病気が原因でなければ、腹痛の多くは自然に治まっていきます。
また、便秘が原因で腹痛になることは珍しくないため、普段から便が出ているかどうかを把握する習慣をつけてください。2〜3日便が出ておらず、お腹のあたりが固くなっている場合は、便秘になっている恐れがあります。根本的に便秘を解消するために、食生活の見直しなど、生活習慣を整えていきましょう。
心因性の腹痛かどうかを判断することは難しく、さらになぜストレスがかかっているのかという原因がはっきりしないかもしれません。原因を取り除くことが難しい場合でも、できるだけ子供と向き合う時間を作り、意識的に会話を増やしたり、抱きしめてあげたりして愛情を注いであげてください。
ただ、腹痛の原因を特定することは難しいため、対処に困ったときは自己判断で市販薬を与えるのは避け、小児科を受診しましょう。医師に相談して、症状に合わせた治療を行ってもらうことが大切です。
子供の腹痛には慎重に対処しよう
子供がお腹を痛がるときは、原因によっては、すぐに病院を受診し、治療してもらわなければいけません。
「腹痛は大人でもよくあることだし、それほど大事にはならない」と子供の腹痛を軽く見て、対処が遅れないように、子供がお腹を痛がっているときは体の様子をしっかり観察しましょう。
子供一人では、自分の体の不調にどう対処すればいいのか分からず、ママやパパの力が必要です。何が原因であっても、ママやパパが落ち着いて対処をし、そばにいてあげてください。