子供の胃痛の原因と治療法は?胃が痛いかどうかを見分けるには?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

子供に胃痛が起きている場合、その原因が分からず、困ってしまうことがあるかと思います。大人と同じように、ストレスで胃が痛くなる子供もいるため、しっかりと原因を特定して対処することが大切です。今回は子供の胃痛について、原因や病院へ行く目安、治療法などをご紹介します。

子供の胃痛の原因と症状は?

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子供が胃痛を起こす主な原因は「感染性胃腸炎」と「ストレス」で、それぞれには以下のような特徴があります。

感染性胃腸炎

ウイルスや細菌が胃や腸に入り込んで、炎症を引き起こすと、感染性胃腸炎になります。

原因となる病原体によって現れる症状や時間は異なりますが、感染性胃腸炎が発症すると、発熱や嘔吐、下痢といった症状が現れます。

ストレス

子供でも強いストレスを感じると、胃がキリキリと痛むことがあります。保育園や幼稚園、学校などにおける人間関係、または家での家族関係でストレスを感じます。

登園・登校前になると、決まって胃痛が現れるなど、何かをきっかけに痛くなるのが特徴です。胃痛が起こる時間帯もだいたい同じです。

他の症状が見られず、仮病とみなされがちですが、ストレスが原因で子供が胃の痛みを感じていることもあるため、注意して対処しなければいけません。

子供の「胃痛」は本当に胃の痛み?

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大人であれば「便秘気味でお腹が張っている」「胃がキリキリ痛む」など感覚的に症状を区別できますが、子供はお腹周辺の痛み全般を、基本的に「お腹が痛い」と表現します。

子供が胃を痛がっているのか、他の部位を痛がっているのかを見分けるのは困難です。したがって、胃痛かどうかを見分けようとするのではなく、痛みの程度や他の症状の有無に注意を払うことが大切です。

発熱や下痢、嘔吐を伴うお腹の痛みは感染性胃腸炎が疑われますし、顔面蒼白や血便と共に、周期的に激しい腹痛が起きている場合は、腸重積や腸閉塞の可能性があります。また、みぞおち付近や右下腹部に強い痛みを感じているのなら、虫垂炎になっている恐れがあります。これらの場合には、医療機関をすみやかに受診してください。

子供が胃痛を訴えた場合は、落ち着いて様子を観察し、その原因を突き止めるようにしましょう。

子供の胃痛で病院へ行くべき?

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子供がお腹の痛みを訴えて、以下のような症状が見られた場合、感染性胃腸炎や腸重積、虫垂炎などの病気にかかっている可能性があるので、すぐに小児科を受診してください。

すぐに病院を受診すべき症状

・時間が経つにつれて、症状が悪化している
・強い痛みで激しく泣いている、歩けない
・下痢便が出て、嘔吐している
・食欲がなく、ぐったりしている
・血便が出ている
・顔面蒼白など顔色が悪い

軽いお腹の痛みが見られても、顔色が良好で食欲もあるようなら、しばらく様子を見ましょう。数日経っても痛みが消えない場合は、病院を受診してください。

子供の胃痛の治療法は?

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子供の胃痛の治療法は、原因によって異なります。

感染性胃腸炎

ウイルスが原因の胃腸炎には特効薬がなく、吐き気止めや下痢止めなどを使って、現れている症状を和らげる対症療法を行うのが一般的です。

細菌感染によって起こっている胃腸炎には、抗菌薬を投与して治療します。

胃腸炎による嘔吐や下痢で、脱水症状に陥ることがあるので、胃腸炎が完治するまでは、安静にしながらこまめに水分補給を行うように心がけましょう。

ストレス

生活を見直して、ストレスの原因と考えられるものをできるだけ取り除きましょう。

大人にとっては「こんなことがストレスになるの?」と思うようなことが、子供にとって大きなストレスになっていることがあります。子供とコミュニケーションをしっかりとり、何を嫌がっているのかを見つけてあげてください。

対処が難しければ、小児心療内科などでカウンセリングを受けるのも、一つの方法です。

子供の胃痛は心身両面から考えよう

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子供の胃痛は単純な病気だけが原因ではなく、精神的な問題も影響していることがあります。「お腹が痛い」と子供が訴えてきたときは、体の問題だけではなく、精神面にも気を配ってあげてください。

子供はママやパパの見えないところで、たくさんのストレスにさらされ、心の余裕をなくしていることがあります。ストレスに苦しむ子供を助けてあげられるのは、周囲の大人です。

「お腹が痛い」という子供からのSOSをしっかりキャッチして、適切な対処で、子供の元気と笑顔を取り戻してあげましょう。

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