子供に胃痛が起きている場合、その原因が分からず、困ってしまうことがあるかと思います。大人と同じように、ストレスで胃が痛くなる子供もいるため、しっかりと原因を特定して対処することが大切です。今回は子供の胃痛について、原因や病院へ行く目安、治療法などをご紹介します。
子供の胃痛の原因と症状は?
子供が胃痛を起こす主な原因は「感染性胃腸炎」と「ストレス」で、それぞれには以下のような特徴があります。
感染性胃腸炎
ウイルスや細菌が胃や腸に入り込んで、炎症を引き起こすと、感染性胃腸炎になります。
原因となる病原体によって現れる症状や時間は異なりますが、感染性胃腸炎が発症すると、発熱や嘔吐、下痢といった症状が現れます。
ストレス
子供でも強いストレスを感じると、胃がキリキリと痛むことがあります。保育園や幼稚園、学校などにおける人間関係、または家での家族関係でストレスを感じます。
登園・登校前になると、決まって胃痛が現れるなど、何かをきっかけに痛くなるのが特徴です。胃痛が起こる時間帯もだいたい同じです。
他の症状が見られず、仮病とみなされがちですが、ストレスが原因で子供が胃の痛みを感じていることもあるため、注意して対処しなければいけません。
子供の「胃痛」は本当に胃の痛み?
大人であれば「便秘気味でお腹が張っている」「胃がキリキリ痛む」など感覚的に症状を区別できますが、子供はお腹周辺の痛み全般を、基本的に「お腹が痛い」と表現します。
子供が胃を痛がっているのか、他の部位を痛がっているのかを見分けるのは困難です。したがって、胃痛かどうかを見分けようとするのではなく、痛みの程度や他の症状の有無に注意を払うことが大切です。
発熱や下痢、嘔吐を伴うお腹の痛みは感染性胃腸炎が疑われますし、顔面蒼白や血便と共に、周期的に激しい腹痛が起きている場合は、腸重積や腸閉塞の可能性があります。また、みぞおち付近や右下腹部に強い痛みを感じているのなら、虫垂炎になっている恐れがあります。これらの場合には、医療機関をすみやかに受診してください。
子供が胃痛を訴えた場合は、落ち着いて様子を観察し、その原因を突き止めるようにしましょう。
子供の胃痛で病院へ行くべき?
子供がお腹の痛みを訴えて、以下のような症状が見られた場合、感染性胃腸炎や腸重積、虫垂炎などの病気にかかっている可能性があるので、すぐに小児科を受診してください。
すぐに病院を受診すべき症状
・時間が経つにつれて、症状が悪化している
・強い痛みで激しく泣いている、歩けない
・下痢便が出て、嘔吐している
・食欲がなく、ぐったりしている
・血便が出ている
・顔面蒼白など顔色が悪い
軽いお腹の痛みが見られても、顔色が良好で食欲もあるようなら、しばらく様子を見ましょう。数日経っても痛みが消えない場合は、病院を受診してください。
子供の胃痛の治療法は?
子供の胃痛の治療法は、原因によって異なります。
感染性胃腸炎
ウイルスが原因の胃腸炎には特効薬がなく、吐き気止めや下痢止めなどを使って、現れている症状を和らげる対症療法を行うのが一般的です。
細菌感染によって起こっている胃腸炎には、抗菌薬を投与して治療します。
胃腸炎による嘔吐や下痢で、脱水症状に陥ることがあるので、胃腸炎が完治するまでは、安静にしながらこまめに水分補給を行うように心がけましょう。
ストレス
生活を見直して、ストレスの原因と考えられるものをできるだけ取り除きましょう。
大人にとっては「こんなことがストレスになるの?」と思うようなことが、子供にとって大きなストレスになっていることがあります。子供とコミュニケーションをしっかりとり、何を嫌がっているのかを見つけてあげてください。
対処が難しければ、小児心療内科などでカウンセリングを受けるのも、一つの方法です。
子供の胃痛は心身両面から考えよう
子供の胃痛は単純な病気だけが原因ではなく、精神的な問題も影響していることがあります。「お腹が痛い」と子供が訴えてきたときは、体の問題だけではなく、精神面にも気を配ってあげてください。
子供はママやパパの見えないところで、たくさんのストレスにさらされ、心の余裕をなくしていることがあります。ストレスに苦しむ子供を助けてあげられるのは、周囲の大人です。
「お腹が痛い」という子供からのSOSをしっかりキャッチして、適切な対処で、子供の元気と笑顔を取り戻してあげましょう。